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映画・演劇のレビュー

『アラビアの女王』

2017-08-30 20:26:10 | 映画


これは実に久々のヘルツウォーク映画なのだ。そして、取りあえずは、なんとかヘルツウォークらしい映画でホッとした。もちろん、ほんとうは、もっと気狂いみたいな映画を期待したけど、さすがにそういうものはもう作らない(作れない)のだ、と残念に思う。主人公はニコール・キッドマンだし、普通の商業映画のようだし。

 

前半は退屈だった。テンポも緩やかで、女版『アラビアのロレンス』(ロレンスも出てくる)って、感じ。でも、最初はなんかだるくて、イライラさせられる。だが、冒険の旅に出るところからは面白くなる。20世紀初頭、女が自立して生きるなんて不可能だった頃。彼女は自由を求めてアラビアに行き、冒険の旅に出た。誰に対しても物怖じぜず、いろんなところへ、様々な人へと向かっていく。

 

もちろんここには『フィッツカラルド』や『アギーレ 神の怒り』を見た時のような、狂気じみた衝撃や驚きは、もうない。だけれども、彼は今もこんなふうにちゃんと「自分の映画」を作っていた。それだけでも、一見の価値はある、と今は思いたい。


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