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映画・演劇のレビュー

『不能犯』

2018-02-23 22:32:37 | 映画

 

たまたま時間が空いたから埋め草として見た映画なので何の期待もしていない。ほんとなら他の映画で見たい作品がいっぱいあったのだが、これしか時間が合わなかったので、思い切って見ることにした。こういうパターンで偶然見る映画が当たりである確率は実は高いのだ。しかも、土曜の昼間だったので、席が後2席しか残っていないという絶体絶命のピンチを切り抜けて劇場に駆け込んだ。TOHOシネマズの最前列なんかで映画を見るなんて(シネリーブルのようなスクリーンの小さなミニシアターならたまにあるけど)久し振りのことだ。

 

松坂桃李がこういう悪役を嬉々として演じていて、対する正義の側代表、沢尻エリカとガッツリ組んだタイマン勝負を見せる。面白くなる要素なら満載。最初の30分間くらいは結構ドキドキした。もしかした大きく化けるのか、と期待を抱かせる滑り出しだっただけに、途中からのガッカリ度は大きすぎる。何なんだ、この映画は。『貞子VS伽椰子』の監督は今回も同じ失敗をしでかしている。あまりに単純な対決で単調なバトルに終始するから、退屈する。


短編連作として漫画で読めばそれなりには面白いのだろうが長編映画としてこのお話を組み立てるのにはこれだけでは仕掛けが足りない。だいたいこのお話に説得力がないし、マインド・コントロールで幻覚を見せ自殺に追い込む犯人と対峙してどう戦うのか。そのバトルをどう見せるのか。もっと驚きがなくては成立しない。

で、途中からネタ切れ状態のガス欠映画。台本に捻りがないから単調になり、それを同じようなバトルで派手さだけで補おうとするから悲惨なことになる。1時間46分という手頃な上映時間で収めて、なんとか見てられる映画にはしたけど、わざわざこの程度の出来の映画をしかも映画館まで見に行くのは「ないわぁ」と、ぼやく。お金返せ、と思ったけど、TOHOシネマズのポイント鑑賞で見たからタダだった。(チャン、チャン)

 

 


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