とても抑制の効いた舞台だ。高校生がここまで作品全体のカラーをセーブできるなんて、これではあまりに上手すぎないか。もちろん上手いのが悪いなんて、これっぽっちも思わない。そうではなく、この作者の冷静さが、どこから生じたのかが、気になる。感情を表には出し切らない。答えは口にしない。説明的にはならない。大人の手が入った、というのとも違う。なんだか、不思議だ。
題材自体はそんなにめずらしいものでもないし、話の展開にもそれほど意外性はない。しかし、その抑えたタッチが凄い。過剰にはならない。ふざけない。落ち着いて、状況を判断して、程よいところで終わらせる。
彼女たちが考えてきた公園での、それぞれのイベントを見せていくシーンもそうだ。ドタバタにはならないし、しつこくもない。戦隊ものをやったり、紙芝居を実際に演じて見せたりする。ある種の説明のためのシーンも、ほどほどのところできちんとまとめて見せる。過剰さは一切ない。全体のタッチが静かで、状況をしっかり見つめて、そこで可能なものを提示できる。それは芝居の内容だけでなく、この芝居のスタイルがそうなっているのだ。
おもちゃばこに込められたものを一切見せないし、説明しない。あの箱の中には何が入っていたのか、なんてことは関係ない、というクールな割り切り方。謎の人物に関しても、説明はないし、彼女が箱の中から、小さな箱を取り出して、主人公の女子高生に渡すシーンの美しさ。伝えるって、こういうことだったのだ、と思わされる。この芝居のすべてがあそこに集約される。
題材自体はそんなにめずらしいものでもないし、話の展開にもそれほど意外性はない。しかし、その抑えたタッチが凄い。過剰にはならない。ふざけない。落ち着いて、状況を判断して、程よいところで終わらせる。
彼女たちが考えてきた公園での、それぞれのイベントを見せていくシーンもそうだ。ドタバタにはならないし、しつこくもない。戦隊ものをやったり、紙芝居を実際に演じて見せたりする。ある種の説明のためのシーンも、ほどほどのところできちんとまとめて見せる。過剰さは一切ない。全体のタッチが静かで、状況をしっかり見つめて、そこで可能なものを提示できる。それは芝居の内容だけでなく、この芝居のスタイルがそうなっているのだ。
おもちゃばこに込められたものを一切見せないし、説明しない。あの箱の中には何が入っていたのか、なんてことは関係ない、というクールな割り切り方。謎の人物に関しても、説明はないし、彼女が箱の中から、小さな箱を取り出して、主人公の女子高生に渡すシーンの美しさ。伝えるって、こういうことだったのだ、と思わされる。この芝居のすべてがあそこに集約される。