シリーズ第2作。前作がとんでもなく、面白かったから、そして、あれで映画はちゃんと終わっていたから、本作にはあまり期待しなかった。だけど、期待以上の出来。(というか、期待してない、ってさっき書いたじゃん)
華やかなお正月映画らしい超大作で、でも、ちょっと過激で、そこまでしなくても、とも思うシーンも。ジュリアン・ムーアが悪役を楽しそうに演じていて、彼女はそのやりすぎの残酷なシーンも嬉々として演じている。こういう毒気も含めてこの映画の面白さだろうか。
死んだはずのコリン・ファースがまさかの展開で登場するのも、この手の映画にはよくあるパターンだけど、掟破りもなんのその、で、やりたい放題している。まず、冒頭の派手なアクションには、溜飲を下げる。これでもか、これでもか、と手綱を緩めない怒濤の展開。でも、それだってよくあるパターン。(最近の007の冒頭は映画1本分の凄さ。)その後のまさかの展開(キングスマン全滅!)にも驚く。凄いスピードで始まるけど、(この映画はいろんなところで、ご丁寧にパターンを踏まえて、)途中で、少し中だるみするところまでが、よくあるパターンで笑える。
基本的に2時間20分もの長尺を飽きさせない。この手の娯楽映画で、この長さに敢えて挑むのも立派だ。だらだら長いわけではない。サービス満点で長くなったのだ。でも、途中で少し退屈するのもお約束。そのへんおバランス感覚も悪くない。
前作はスカウトした主人公の青年をちゃんとしたスパイに教育していくところが面白かったのだけど、今回は、そこはもうないから、最初からアクション全開でいくしかない。過剰なアクションはリアルから遠ざかる。そこでユーモアを交えて、過激とのアンサンブルで見せる。
3作目はもう作れないだろう。作ったなら必ず失敗する。それくらいに今回はギリギリを狙って作られた。これをやってしまうと、あとはマンネリしかない。なんでもありの破れかぶれ、てんこ盛り。あっぱれと言うしかない。(でも、大ヒットしたから3作目は必ず作られそうな勢いだ。)
ただ、ラストはあまりにあっけない。ジュリアン・ムーアをあんな簡単に死なせていいのか。(それまでであれだけ凄まじさを描いたくせに!)ラストで無事キングスマンを再建する。ということは、やっぱり続編はあるのだろう。次回も期待せずに見よう。