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映画・演劇のレビュー

劇団邂逅『カラミティー・ジェーン』

2011-06-16 22:39:37 | 演劇
 昨年初めて彼女たちの芝居を見たときは、とてもびっくりした。こういう芝居があることは、想像できたし、知り合いが出ているものでなら、この手の芝居を何本か見たこともある。しかし、全く知らない人たちの集団によるこの手の作品を見るのは初めてだったので、免疫がなくて、最初はかなり困惑した。当然2幕構成の2時間以上の大作で、歌って踊って、みんな女性で、もちろん女性が男役をする宝塚スタイルで、前回はオスカー・ワイルドの原作によるラブ・コメで、恋のさや当てで、ひらひらの豪華なドレスで、ミュージカル。もう一杯一杯だった。でも、見終えたとき、これはこれで悪くはない、と思った。何よりみんなが一生懸命で、しかも楽しそうに演じている。それが何よりも素敵なことだ、と思った。

 さて、今回はなんと西部劇だ。ピストル片手に大暴れする男勝りのじゃじゃ馬娘カラミティーが、騎兵隊の中尉ダニーに恋をする。でも、彼はシカゴから来た女優の卵ケイティーに恋している。カラミティーを秘かに想うビルも交えてこの4人の男女を中心にした荒野の町の騒動が描かれる。たわいないと言えばこれ以上にたわいないものもないだろう。でも、今回も彼女たちは実に楽しそうに芝居を作る。そこがいい。

 今回も2幕もので、15分の休憩を挟んで2時間半の大作仕立てだ。別にこんなに長くなくてもいくらでも語り尽くせる内容なのだが、そんなこと気にしない。この開拓時代のアメリカの田舎町を舞台にしたドタバタ騒動を、みんなで楽しみ尽くすためには、このくらいの長さは必要なのだ。歌って踊って、素敵なドレスで、ガンファイトまでほんの少しあって、ラストはみんなハッピーエンド。

 出来ることならもう少し登場人物のひとりひとりの気持ちを丹念に描いてもよかった気がするが、パターン通りのキャラクターなので、そんな説明は不要と思ったのかもしれない。それならそれでいい。


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