今年の神原組はなんと4話からなるオムニバス。神原組は神原さんのワンマン集団のはずなのに、どういう風の吹き回しなのか。4本とも神原さんが演出するのではなく、彼女は1本だけ。
それにしても、毎年3回。3月には浮狼舎として若手育成。夏にはハレンチキャラメルとして島上さんを座長にしてのエンタメ芝居。そして11月にはこの神原組としての自分本位の芝居を、毎年同じようにマイペースで公演していくそのバイタリ . . . 本文を読む
帯には「万城目ワールド10周年」とある。久々の長編。とてもドキドキして読んだ。「著者初の自伝的?」作品ともあるが、確かにそういう一面もある。こういうタッチで自分の内面を作品化するというのも、作家生活10年目の余裕かもしれない。大長編だった『とっぴんぱらりの風太郎』のラインによる新作。まぁ、万城目はいつもこのパターンなのだが。
こういう魔訶不思議ワールドで右往左往が、この人は大好きなのだ。今回 . . . 本文を読む
自分の好きなことのために全力で向き合う主人公の姿が好ましい。こんなふうに生らきれたならきっと素敵だと思う。好きになった男の子に対しても、彼が好きになった理由を聞かれ「顔」と言い切れるのも凄い。ふつうそんなことは言わない。(たとえそれが本当の理由であろうとも、だ)そう言い切れる彼女の自信が素晴らしいのだ。
世の中うまくいかないことばかり。ままならないのが人生なのだが、そこで彼女はへこたれない。 . . . 本文を読む
昨年たまたま読んだ『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』が実に面白くて、これを映画にしたらきっと面白い、と思った。誰もがそう思うみたいで、その後、やはり映画化が決まり、なんと監督は三木孝浩。この12月に公開される。
京阪沿線がちゃんと舞台になるようで、よかった。主人公の家が交野で、大学は京都。そんなローカル色もちゃんと踏まえてくれるようでうれしい。舞台を勝手に安易に東京に変えて映画化、という . . . 本文を読む
2部作、4時間の大作として上演される。幕末から明治にかけて、動乱の時代を生きた男たちの群像劇。中心にいるのは坂本龍馬だ。彼の残した5つの羅針盤を巡る物語である。龍馬の死の謎を描くミステリーでもある。そして、なによりもまずは男たちの冒険物語である。「海賊王に俺はなる!」というのは『ワンピース』の主人公だが、船を手に入れた龍馬はまるでルフィのようだ。この作品が目指すのは歴史の真実ではなく、歴史のロマン . . . 本文を読む
お風呂屋の女がガンになって死ぬ。死んだあとは自宅である銭湯で焼いて欲しいと言う。故人の意志を尊重し、風呂釜で燃やす。そのお風呂にみんなで入るシーンがラストシーン。そんなぁぁ、というような唖然とする展開。まぁ、ここはたぶんファンタジーだけど、この凄まじい展開にはびっくりさせられる。でも、それだけではなく、この映画には最初から最後まで驚かされてばかり。まぁ、それは、彼女には驚かされてばかり、ということ . . . 本文を読む