習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

コメディユニット磯川家『今宵はグッドファルス』

2009-05-19 21:51:44 | 演劇
 これは確かにおもしろい、と思った。初めて見る磯川家は、予想に反しておしゃれで、スタイリッシュ。もっと泥臭くてドタバタだと思っていた。先入観でものを見てはならないと改めて思う。  単なるドタバタなら、僕は何とも思わない。だけど、これはそうではない。確かにバカはしている。つまらないバカをして笑わせてくれてはいる。だが、ただのバカではなく、死というものをきちんとみつめる確かな視点がここにはある。だか . . . 本文を読む
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野中柊『祝福』

2009-05-19 21:31:52 | その他
 野中柊初の短編集らしい。そういえば今まで長編か中篇しか読んだことがなかった。でも、なんだかすごく意外。読み終えてそのなめらかな語り口に魅了される。すっと入ってくる。口当たりがいい。上等のワインをゆっくりと味わいながら飲んだ気分(まぁ、そんなもの飲んだことないし、飲んでもあまり味なんてわからんはずだが、まぁ、言葉の綾ということで)で、夢見心地で気持ちがよい。  さまざまな形の恋愛小説集だが、どの . . . 本文を読む
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劇団 息吹『陽気な地獄破り・天満のとらやん』

2009-05-19 17:58:50 | 演劇
 息吹は今年創立51年を迎える。それって凄すぎないか。そんなにも長きにわたって途切れることなく地道に演劇活動を続けれる。自分たちの信念を曲げないで、無理せず、息の長い活動を繰り広げる。尊敬する。  さて、そんな息吹の50周年記念企画ファイナルとしてこの2本立が上演された。『陽気な地獄破り』は息吹が旗揚げの頃から何度も取り上げたという木下順二作品。もう1本はなんと公演回数は1000回を超えようとい . . . 本文を読む
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『ラスト・ブラッド』

2009-05-19 16:58:56 | 映画
 オリジナルのアニメーション映画は押井守が企画した作品で地味な映画だ。なのに、それがこれだけの大作となってよみがえる。なんか凄くないか。しかも原作のイメージを損なうことなく忠実に再現している。その姿勢たるや、きっとオリジナルスタッフも喜んだことだろう。きちんと原作をリスペクトして、自分たちの映画を作る。そんな当たり前のことを嬉しく思う。  ウオシャウスキー兄弟の『スピード・レーサー』や、これは見 . . . 本文を読む
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あみゅーず・とらいあんぐる『THEホテル ~もう一度、ここから~』

2009-05-19 16:31:19 | 演劇
 【あみゅーず・とらいあんぐる】は、毎年同じ時期に同じ場所(ウイング・フィールド)で、同じような芝居を見せてくれる。この変わりなさで、今回 vol.17を迎える。ということはもう17年。(最初の頃はいろんな場所を転々としてたが、もう10年以上ウイングに定着)それってすごい。『女と男のしゃば・ダバ・だあ』と題されたシリーズの最新作である。『THEホテル ~もう一度、ここから~』とあるように今回はホテ . . . 本文を読む
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『余命1ヶ月の花嫁』

2009-05-19 15:01:24 | 映画
 廣木隆一監督による初のメジャー映画である。今まで彼が全国一斉拡大公開の大作を一度も撮った事がなかったという事実に正直言って驚いている。彼ほどの才能がメジャーからは黙殺されてきたところに日本映画界の大きな問題点が内包されているだなんて思うのは穿ち過ぎか。  高校3年生の時、吉永小百合に嵌っていた。いやはやお恥ずかしい次第です。彼女の映画を追いかけて劇場やらTVやら、必死になってた。当時は今と違い . . . 本文を読む
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『新宿インシデント』

2009-05-19 00:51:55 | 映画
 こんなシリアスなジャッキーを見たことがない。初めてジャッキー・チェンがアクション以外の映画(でも、これも一応アクション映画でもあるのだが)に挑んだ記念碑的な作品である。不法入国の中国人たちが新宿にコミュニティーを作り、助け合いながら生活している。ジャッキー演じる鉄頭は日本に行ったきり戻ってこない恋人を探しに不法入国する。映画の冒頭の漂着した座礁船からたくさんの人たちが這い出してくる場面のインパク . . . 本文を読む
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『ウォーロード 男たちの誓い』

2009-05-19 00:04:48 | 映画
 これだけの映画に出た後で、『レッドクリフ』のような映画にすぐに出演してしまう金城武のフットワークの軽さ。この映画に出た後では、しばらく映画になんか出れないジェット・リーの放心。『レッドクリフ』ではなく、ダニエル・リーのローカル映画『三国志』の方に出演して、まるでこの映画をリセットするアンディ・ラウのプロ魂。三者三様の選択を促したこの超大作の存在は大きい。  待ちに待ったピーター・チャン監督渾身 . . . 本文を読む
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