ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

フランキー堺とシティ・スリッカーズ / スパイク・ジョーンズ・スタイル

2008-04-28 00:36:15 | 歌謡曲 / J-POP

 コメディアン、フランキー堺は、ジャズ・ドラマーとしても有名である。

 これはその彼が1954年から57年の短い期間ではあるが率いていたコミック・ジャズ・オーケストラ、シティ・スリッカーズのアルバムである。

 フランキーが範としたアメリカのスパイク・ジョーンズ&シティ・スリッカーズは、古今東西の名曲をコミカルにアレンジし、そこにピストル、サイレン、バケツ、ブザー、フライパン、のこぎり等ありとあらゆる雑音を加えるという、いわゆる冗談音楽の元祖と言えるバンドであった。

 フランキーはこのスパイク・ジョーンズの音楽に傾倒し、自らリーダーとなって同名のバンドを結成したのである。

 このアルバムでは、本家スパイク・ジョーンズのカヴァーである1,3,10を始め、日本民謡である「かっぽれ」や「炭坑節」等もスパイク・ジョーンズのスタイルで収録されている。

 また、このシティ・スリッカーズのメンバーには後にクレイジー・キャッツで活躍した、植木等、谷啓、桜井センリも参加している。

 日本のコミック・バンドの歴史はこのシティ・スリッカーズから始まり、クレイジー・キャッツへと受け継がれていったのである。


 フランキー堺とシティ・スリッカーズ
           / スパイク・ジョーンズ・スタイル
               コロムビア COCA-12581
        
                 
 1,ウイリアム・テル序曲
 2,かっぽれ
 3,黒い瞳
 4,ヤットン節
 5,シナの夜
 6,炭坑節
 7,芸者フラ
 8,おこさ節
 9,こんなベッピン見たことない
 10,カルメン
 11,黒い瞳 (別ヴァージョン)
 12,芸者フラ (別ヴァージョン)
 13,こんなベッピン見たことない (別ヴァージョン)


 フランキー堺 (ds,Vo,指揮,編曲)
 喜多 賦 (sax)
 加藤浩二 (〃 )
 立岡義輝 (〃 )
 稲垣次郎 (〃 )
 十河一夫 (〃 )
 竹村 繁 (tp)
 福原 彰 (〃)
 宮崎光男 (〃)
 飴 少三郎 (〃)
 福留四郎 (〃) 
 東本安博 (tb)
 谷 啓  (〃)
 田中 彰 (〃)
 越智治夫 (〃)
 桜井千里 (P)
 植木 等 (g)
 山下高司 (b)
 加瀬 繁 (ds)
 川島まり子 (Vo)
 岩井直博 (作曲,編曲)

 ※曲によってメンバーが異なります

 1954年,55年録音