ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2018J1リーグ第16節柏レイソルvsFC東京@日立台20180718

2018-07-19 22:51:24 | FC東京

西日本の広範囲に甚大な被害をもたらした豪雨の傷跡は、まだ生々しくメディアを通じて心に飛び込んできます。

被害にあわれた方々がどうか安らかであられますように。そして、被災されたみなさんに一刻もはやく平穏な日々がもどりますように。

ワールドカップの余韻がまだ熱いたぎりとして実感するなか、J1がいよいよ再開です。今夏は格段に気温が高く感じます。身の危険すら感じますから、選手、スタッフ、観戦のみなさんはくれぐれも体調管理にお気をつけください。

東京はまるが名古屋、カズが福岡に移籍。仕上げのリンスと丹羽ちゃんを広島から獲得です。その東京の再開初戦はミッドウィーク。仕事帰りに常磐線に揺られて反対方向に向かい、ここは柏。You'll Never Walk Alone♪

航輔のアクシデントであきらかに流れが変わり、再開初戦をものにしました。

東京はスクランブルでJ再開戦に臨みます。ヒョンス、彰洋、ディエゴ、永井、室屋が不在。シフトは4-4-2。GKは拓生。CBはモリゲとマコ。SBは右に諒也左に宏介。CMは拳人とヨネ。メイヤは右に慶悟左に晃太郎。2トップは洋次郎と敬真です。

柏は編成に重要な変更がありました。監督を下平さんから望さんにスイッチです。さらに中谷も移籍。ニュー望柏のリーグ戦初戦のシフトは4-2-3-1。GKは航輔。CBは次郎とパク・ジョンス。SBは右に小池左に亀川。CMは大谷と萌。WGは右にIJ左にクリスティアーノ。トップ下はキム・ボギョン。 1トップは江坂です。

中断前の東京は、攻撃をディエゴと永井のコンビネーションを基軸としていましたから、両エースの離脱はスタイルの変更を余儀なくされます。幸なことにアジャストの時間は十分にありました。まずはとりたててウィークポイントが見つからないことをポジティブに感じます。お世辞にも攻撃を強く牽引するストロングポイントは見当たりません。いうなれば、チームの成熟度で安定感を獲得している印象です。

いずれにしろ攻撃の成否がポストプレーにかかっていることには変わりません。ここは洋次郎を最前線に上げることで、対処しているようです。敬真が体をはったポスト役を担っていましたけど、むしろ敬真、洋次郎ともスペースに流れたほうが有効な基点を作れていました。このポジションはしばらく苦労しそうですから、実戦を経てそれぞれの役割をアジャストすることになるでしょう。

両メイヤの運動量と攻守の切り替えのはやさは、中断明けも堅実です。酷暑の影響をもっとも受けそうなポジションですし、ポゼッションの成否の鍵を握るキーポイントです。慶悟と晃太郎のクオリティにはあらためて感動ですけど、後半戦はいきなりタイトスケジュールではじまりますから、バックアップも必然的に求められるでしょう。

いちばんの改変はCMです。二枚にしました。新しい総力戦を象徴するポジションだと思います。健太さんはもともとこのコンビで中盤をコントロールする予定だったのだと思いますので、アクシデントとはいえオリジナルの姿を観ているのかもしれません。拳人とヨネの役割はシンメトリーです。ともに広範囲なプレーエリアを誇り、ボールロストの少ない技術とパワーを兼ね備えていて、中盤の支配力は拳人一枚時代と遜色ありません。中断前は守備時に洋次郎が下がることでバランスを取っていました。新しい布陣は逆にCMが上がることで攻撃時の縦への推進力を生み出していると思います。

これまたアクシデントとはいえ、はじめて諒也と宏介という左右の高精度なフリーキッカーを揃えることができました。右の諒也は左に比べてよりアグレッシブに感じます。ダイアゴナルに中央に入るシーンやゴール前に飛び込んでフィニッシュに絡むプレーもありました。あくまでもスクランブルだと思いますけど、違和感はなかったです。結局今日は宏介がすべてFKを担当したけど、ダブルキッカーは楽しみが倍増します。

東京の攻撃モデルはとてもオーソドックスです。サイドアタック基調ですけど、左右のバランスが良く、サイドチェンジが有効なのが特長。中盤中央の支配力を裏付けに、サイドプレイヤーが積極的に攻撃に絡み、ファストブレイクの起点となります。なので攻撃の成否のバロメーターは中盤の支配力。

試合を経過するにつれ、ピッチのそこかしこで目立つようになっていったヨネは、中盤の支配力を裏付ける最重要なキープレイヤーかもしれません。少なくとも守備は獅子奮迅でした。もともと攻撃面はパス、スペースメイクとも課題ですけど、まだその傾向はあります。拳人とともにダブルエースと呼べるようになると心強いです。

試合の序盤は、柏がリトリート気味に入ったことと、柏のバイタルエリアがルーズだったせいもあって、東京が中央深い位置で基点を作ることができていました。これは柏の守備が整いはじめると収まります。変わって東京は、慶悟と晃太郎をサイドにはらせて、数的優位を作りはじめます。フィニッシュはクロス基調です。ただ、柏のゴールには航輔が立ちはだかっていました。

一方、拓生も安定していました。シュートは柏13本東京12本と、比較的オープンに打ち合った印象ですけど、あまり柏にゴールの香りはしませんでした。これは拓生が快調だったことをあらわしているのでしょう。慌てるシーンは皆無で、スクランブルとはいえ試合感は万全だったようです。

注目の望柏は、オーソドックスなスタイルです。酷暑ということもあってか、フォアチェックはせず、守備網を維持するリトリート基調です。これは柏が低い位置から一気に攻撃モードに局面を移せる特質をもっているからこその作戦です。その意味では、望さんは順当な選択をしているような気がします。

柏を特長つけるのはなんといってもクリスティアーノです。近年アタッカーの入れ替えが多い柏ですけど、クリスティアーノが軸であることに変わりはありません。望柏がゼロトップを採用するのは、クリスティアーノをコンダクターとして使うことに重点を置いているからでしょうけど、おそらくセカンドアタックの局面でクリスティアーノをフリーにする意図も含まれていると思います。柏の3トップは流動的です。基本的には江坂とボギョンの縦移動を基軸としますけど、IJとクリスティアーノが前に出ることもあります。このアジリティの高い前線の流動性こそ、柏の攻撃を魅力的にする理由です。

そしてIJ。なんとなく好調時のIJに比べるとキレと迫力にかけているような気がします。暑さのせいなのかモチベーションなのかわかりませんけど、もはや柏唯一無二の絶対的な顔になっていますから、調子を取り戻してほしいと思います。

柏の前線の流動性がスタック気味にみえたのは、柏の問題もあるでしょうけど、やはり健太東京の基盤である、自己犠牲にあふれたタイトな守備の成果だと思います。誤解をおそれずいえば、クリーンに守る柏に対し、東京はファールが多かった印象です。FKの機会も柏が三倍近くです。意志の差というか、それだけ東京が試合に厳しく臨んでいたことを表していると思います。スクランブル登板のマコでしたけど、クリスティアーノや江坂を向こうに回してもパワーとスピードで負けるシーンは皆無でした。諒也と宏介もしかり。東京は実に献身的でパワフルでした。

そんなわけで、前半は互いにやりたいサッカーをみせつつもゴールには至らず、スコアレスのまま終了。

後半頭から望さんが動きます。萌に代えて手塚を同じくCMに投入します。同時に前線の布陣も変更です。ボギョンを左、江坂をトップ下、クリスティアーノを 1トップにそれぞれ回します。手塚投入の意図はよくわからなかったけど、攻撃に関しては、軸を固定する作戦だと思います。流動性のデメリットとして攻撃ルートが定まらないことがありますけど、それを回避したかったのだと思います。

それでも状況は変わらず、暑さゆえの省エネな展開に入っていくかなと思っていたら、望さんの意志に反する方向に試合が動きます。

61分。拓生のスローインから。拓生からのパスを受けたマコは素直に右に展開。この時諒也がとても高い位置を取れていましたので、このまま攻撃スイッチが押されます。前方ライン際に慶悟が流れるのをみた諒也は、慶悟に勢いをつけるロングスルーを送ります。このパス一発で慶悟は亀川を振り切ります。柏のラインが下がり基調になります。慶悟はダイレクトでゴール前に折り返します。敬真が飛び込みますけど、その前ジョンスの足に当たってゴールに吸い込まれました。柏0-1東京。

このゴールシーンで柏にアクシデントが起きます。航輔が負傷し、退場します。代わって桐畑が入ります。航輔は中断前にも頸部から頭部の負傷で脳震盪を起こしていて、今回も状況は違いますけど脳震盪です。とても心配です。将来のある選手ですから、大事ないことを心から願います。

航輔の退場で、あきらかに柏の動きが止まります。動揺というか、心配が先立ってしまうのはやむを得ないでしょう。ここから、ほぼ一方的に東京がイニシアチブを握ります。中盤の支配力が上がり、セカンドボールも東京に入るようになります。

そこで健太さんが動きます。敬真に代えて輝一を同じくトップに投入します。前線をフレッシュにしてスペースメイクをはげしくして、柏の意識を後方に向ける意図だと思います。

さらに健太さんが続けます。洋次郎に代えて草民を右メイヤに投入します。慶悟がトップに回ります。これも前線の運動量を増やす意図でしょう。

一方、望さんも動きます。江坂に代えて中川を同じくトップ下に投入します。クリスティアーノシフトをより鮮明にする意図だと思います。セカンドアタックの機会を確実に拾おうということでしょう。

この作戦の出し合いは健太さんに軍配が上がります。東京はフレッシュな運動量だけでなく、集中力を手に入れました。健太さんが意図していたかはわかりませんけど、作戦変更によって歯車が噛み合うようになってより積極的にチャレンジができるようになったことで、高揚感とともに時間をおうごとに集中が増していったことが傍目にも伝わりました。東京ゴール裏も感じたのかボルテージが上がり、日立台があにはからんや青赤劇場になります。

そこで健太さんが動きます。晃太郎に代えてうっちーを同じく左メイヤに投入します。これもコンディションを考慮したのでしょうけど、シリアスな局面で若手を使う健太さんの覚悟に感服です。

最終盤は柏の逆襲にあいましたけど、慌てるシーンは皆無で、終始安定していました。このまま試合終了。柏0-1東京。

試合内容は、柏の不調と航輔のアクシデントに助けられた印象です。とりもなおさず再開戦で勝ち点3を得ることができてよかったです。それもこれも、チームとしてやるべきことをやったからこその成果でしょう。眠らない街♪

天皇杯の新潟戦を観てなくて、状態があまりよくなかったと聞いていたので不安でした。ましてディエゴが不在でしたから。けして明確なストロングポイントなかったけど、チームの総力でチームの成熟度と可能性を表現できたと思います。

すぐに、8ゴールと、後半戦を好調にスタートしたマリノス戦がやってきます。プレシーズンのテストマッチ以来。今年随一の特異なスタイルのマリノスとの対戦が楽しみです。