ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

まれロケ地の旅 ―20150919 横浜②―

2015-09-21 20:55:59 | 連続テレビ小説まれ

シルバーウィークでございます。お天気も良いようで、旅心にひかれるかたも多し。皆さまいかがお過ごしでしょうか?。

いよいよまれも、最終週を迎えます。お盆休みに能登のロケ地を巡りました。まれロケ地巡りファイナルは、ちょっとプレイバックpart2しまして、マリノス戦とからめて横浜編を巡ります。

元町・中華街駅の元町口を出まして、首都高狩場線下の中村川を西へ、石川町のほうに向かいます。

右手川向こうに中華街の門、淡いブルーの欄干の橋が見えましたら。それではまれロケ地巡りファイナル、いよいよスタートです。

「お腹いっぱい」。能登から横浜についた希ちゃんが渡ろうとしてた橋。前田橋です。

「もうダメや」。

希ちゃんが食いだおれてた橋の上。

「今高志、横浜でバイトしとるんげん。希ちゃんのこと話たら、いつでも中華街に来てくれって」。

「すいません。あの。ここ、どこかわかりますか?」「ここまっすぐ行って」。希ちゃんがマ・シェリ・シュ・シュの場所を訪ねてた橋。

希ちゃんが信号待ちしてる大悟を見つけた橋。

元町ショッピングストリートに出まして、ちょっと東に戻ります。キタムラK2元町本店を右手に見るこちらを南に向います。

そのまままっすぐ坂を上がります。

ここを右。

ここを左。

見えてまいりましたこの階段を上がります。

希ちゃんがマ・シェリ・シュ・シュに向かって走ってた階段。希ちゃんの通勤路。元町公園の額坂です。

「一週間は伸びたわね。営業開始」。希ちゃんが大悟を追って下ってた階段。

希ちゃんが大悟を探してた階段。

「希少価値のある、マダガスカル産クリオロ種の、カカオ分68%のショコラをふんだんに使用」「希少価値のある、マダガスカル産クリオロ種の、カカオ分68%のショコラをふんだんに使用」。

「うわっ」。希ちゃんがクリスマスケーキの準備の真っ最中のマ・シェリ・シュ・シュに向かっている途中、パンを食べながらこけた階段。

「そしていよいよ、テレビ対決の日がやってまいりました」。

「2003年1月末。ようやく大悟の許しが出て、希は正式に、パティシエとして、働く事になりました」。

希ちゃんがマ・シェリ・シュ・シュに向かって走ってた公園。元町公園です。

横浜元町ショッピングストリートに戻ります。「お。かかか、かっこいい」「おうおうおう」。合コンのための希ちゃんのお洋服を買うために、美南ちゃんが希ちゃんを連れてきた商店街。トミーヒルフィガーの前のベンチです。

「綺麗やねー。宝石箱やー」。

美南ちゃんが希ちゃんを連れてきてたジュエリー店。ヤマト宝飾さんです。

中華街に向かいます。美南ちゃんがお詣りしていた廟。横浜媽祖廟です。

「能登の…」「しゃべった! あっ、ごめん、続けて」。

「あの…希も、変やったし、能登の友達から、電話やあって」。

「落ち着いて聞いてや。誰かは知らんげけど、高志の近くに、高志のことをっちゃ好きでおってくれる子やおるげ。人に理解してもらいづらい高志にとって、これは、大きなチャンスや! しっかり心の準備をちゃして、逃げんと、いいがに考えな駄目ねんよ! うん」。

「おはよう」「うち…」「何やってんの?」。

「おはようございます」。

美南ちゃんと希ちゃんと高志が朝の太極拳をやっていた廟。

希ちゃんが歩いてた聘珍樓の前。

本日のロケ地巡り最後はこちら。「天中殺」。横浜中華街の市場通りです。

希ちゃんが天中殺がある場所を見つけた路地。

「見つかりました。こういうケーキをっちゃ、探しとったんです」。

「ちょっと待ってください。米田さんの娘さん、シンガポールに行ってしまうんです。今日と明日だけお父さんと過ごせるんです」。

「最後の想い出のために、シャポー・アン・コトン、作ってもらえませんか?」「わかった。作ればいいんだろ」「は?。ほんとけ。よかったー。ありがとうございます。は?」「あー」。

「なんだ」「聞こえんしゃべれ」。

「希。ブシュライジ(のように聞こえます^^ゞ)」「日本語だ」「希は、クズじゃありません」「普通の声もいいな、お前」。

「粘りつくような…粘りつくような…。芯を作る。芯を作る。芯を作る」「シェフ…。んっ!?」 「まだいたのか」「何でそうやって…。もういっぺん作ってきました。最初に作った、横浜ロールケーキ。食べて下さい。私、絶対に…もう一度、パティシエになります」「……まずい」。

「おい」「バカ! 違う! 持ってけ」「いや…でも、これはいつもシェフが…」「お前が持ってろ。これで、いつか世界一のケーキを作れ。俺が食いに行ってやる」「ありがとうございました!」。

本日のロケ地はおしまいです。明日はベイエリアに向かいます。


2015J1リーグ2ndステージ第11節横浜F・マリノスvsFC東京@日スタ20150919

2015-09-21 14:26:27 | サッカー

初秋のみなと横浜はとっても華やかな装いで満開です。

横浜には、単なる西洋ではなくもちろん西洋化でもなく、さりとて古来の和でもない、さらには中華を交えた、ドライでクールなんだけど、どこか退廃的な気だるさを持ち合わす、ゴシックのグラマラスとバウハウスの機能美が薫る、横浜にしかない風情がはっきりと漂っています。ようするに文明開化そのまんま。カオスをおおらかに吸収したスタイリッシュ。東京を間近にしながらも、東京に染まらずアイデンティティを主張し続けられる不思議さが、横浜にはあります。

まれのロケ地巡りで訪れた元町ショッピングストリートは、横浜元町チャーミングセール真っ最中で、すっごい賑わってました。みなとみらい線横浜駅で、CKBの横山剣さんがメインキャラクターをつとめるチャーミングセールのポスターを観て、イイネ!って思っていましたら、元町につきますと。

街中が剣さんだらけw。BGMも当然CKBです。

街をぶらぶらしてましたら、時折オリジナルバージョンと違うポスターがあって、なんだろうと思っていました。そんなお店の一つの前でしげしげとポスターを観ていましたら。
「良いでしょ?、それ」。そのお店のご主人がたまたま店頭にいらっしゃいまして、声をかけてくれました。
「良いですねー。見とれちゃいます」
「スペシャルバージョンなんですよ」
「そうなんですか!。さっきから気になっていて」
「そうでしょ?。ウチとあと何軒か、ほんの一部だけなんですけどね、スペシャルバージョンになってます」
「なんでこちらだけスペシャルバージョンなんです?」
「それはですね。プロダクションを通じて横山剣さんにお願いしたんですよ。剣さんってほら、とっても気さくでしょ?」
「(でしょ?って言われても会ったことないんですけど^^ゞ)ですねー」
「快く『あ、いいですよ、やりましょう』って言ってくれたんです」
「そうだったんですねー。剣さんのコメントがひとつ一つかっこよくって、全部探さずにはいられなくなっちゃったんです」
「そうですか。ぜひ探してみてください」。

というわけで、横浜元町チャーミングセール横山剣ポスタースペシャルバージョンを一挙公開。まずはPOMPADOURさん。

近沢レース店さん。

FUKUZOさん。

OZAWAさん。

CHARMYさん。

TRECENTIさん。

CKB充ができたところで、中区を後にしまして、本題に戻ります(^^ゞ。本日は6戦無敗vs5戦無敗の対決。横浜F・マリノス戦でございます。

本日のYou'll Never Walk Alone♪

中学生Rising Sun Project 夢の課外授業SPECIAL 2015

選手入場前のキャンドルサービス

抗いを試みるも、ほぼマリノスにイニシアチブを握られた状態で、ドローやむなしと思っていたら、特別指定選手のJリーグ初出場初ゴールに屈してしまいました。

東京はここのところの好調を支える秀人がサスペンションで不在です。3CHが完成の域に到達しているところですから、秀人不在の影響ははかり知れませんけど、バックアッパーを含めたチームの総合力を問われる試合になりました。ミステルのシフトのチョイスは4-4-2。結果的に、この選択が今日の流れを決定付けることになります。GKはブラダ。CBはモリゲとまる。SBは徳永と宏介。ボランチはヨネとヒデ。メイヤは右に拳人左に慶悟。2トップは遼一とバーンズです。

マリノスは5試合負け無しの好調をキープしています。主力の怪我による不在を乗り越え、いつの間にかチームが固まってきた印象です。エリクさんが辿りついたシフトは4-2-3-1。GKは飯倉。CBはボンバーとファビオ。SBは右にパンゾー左に下平。ボランチは喜田と三門。WGは右にアデミウソン左にまな。トップ下は俊輔。1トップは翔です。

1stでのマリノスとの対戦は、たしかアデミウソンが合流した初戦だったと思います。あの頃はまだ俊輔が不在でした。俊輔が復帰してからのマリノスを観ていませんけど、アデミウソンとのバランスに苦労しているように伝わりました。8月になって、4連勝を含む5戦無敗。12得点2失点。圧巻は浦和戦のゴレアーダでしょう。連携が整った俊輔とアデミウソンの絡みを観ることが楽しみでした。

マリノスは東京と試合の基本プランが真逆ですけど、チームを形作るベースの発想はとても良く似ています。非常にコレクティブなチームです。去年の今頃の東京を想えば、そう言えば夏頃にチームの方向性が定まりました。エリクさんは1年目にも関わらず、ここまで組織を作りあげることができたのですから、とても素晴らしいことだと思います。ミステル東京初年度の今頃と違うのは、攻撃もコレクティブネスが確立されていることにあります。恐らくその違いは、軸としたエースがFWなのかMFなのかに寄ると思います。マリノスのエースは、言わずもがな。

マリノスの攻撃の特長は、極めて高い流動性にあります。前線は、翔だけが頂点で動かず、翔を軸にして俊輔、まな、アデミウソンが常にポジションを入れ替えています。この高い流動性を実現たらしめている、あるいは流動性を攻撃プランの基軸にしている理由は、やはり俊輔の存在にあると思います。そもそもマリノスは、エリクさん就任以前から俊輔に依存したチームでした。エリクさんは俊輔が復帰する前に俊輔をどうみていたのか分かりませんけど、アデミウソンのクオリティを持ちながらも、結果的には俊輔を中心に据えたチーム作りが最も合理的と判断したのだと思います。もしエリクさんが選手に合わせてコンセプトを柔軟に変えられるかたなのだとしたら、マリノスはとても良い選択をしたと思います。

マリノスの流動性は、とてもダイナミックです。単に前線の3人だけが流動的なのでなく、チーム全体でポジションを移します。ただ、そこにはルールがあるように見えました。フランス人っぽくない印象を受けますけど、考えてみれば成功したフランス人監督は、ディシプリンを重んずるかたが多いような気もしますね。この合理性が、マリノスをして早期にチームを組成し得た最大の要因なのではないかと思います。日本人にも合っていますし。ちょっと逸れますけど、反して東京は、少なくとも攻撃に関しては選手のイマジネーションを重視することがコンセプトですので、この点ではミステルとエリクさんは対照的で、とても面白いですね。

先にも言いましたけど、翔は動きません。足が遅い故ではなく、作戦として動きません。もう一人、ファビオも基本的に動きません。この前後の頂点を支点にして、網を様々な形に変えます。ただし、動きかたにはルールがあります。左右のSBは基本的にライン際の幅からなかには入りません。上下動のみ。SBの動きはシンメトリーではありません。ここは面白いです。下平が上がる場合は三門が下がってバックアップします。この時三門は左CBの位置に入ります。ファビオが右にズレます。なのでボンバーが右SBのようになります。こうしてパンゾーを押上げます。SBの攻撃参加は、必ずしも振り子ではなく、ここぞという時には、パンゾーも下平も上がっていることがあります。場合によっては三門も攻撃参加していて、後方に喜田、ファビオ、ボンバーしかいないシーンもあります。これは、ポゼッションし続けられるという、技術的に裏打ちされた自信の上に成り立っている作戦だと思います。

ミステル東京とエリクマリノスの最大の違いは、攻撃のコンセプトにあります。エリクマリノスは、極端なほどポゼッションスタイルです。本来エリクさんが志向するサッカーはなんなのか分かりませんけど、今のマリノスには合っている気がします。

マリノスのボランチは伝統的に役割分担する印象がありますけど、喜田と三門のコンビも同様です。喜田はアンカーでいわゆる5番タイプ。三門は攻撃にも積極的に絡むスタイルで、兵藤や中町と同じタイプです。好調マリノスの失点の少なさは、今日を観る限りでは、中盤の1on1での、とてもタイトなハードディフェンスにあると思います。昨年の今頃のガンバに似たテイストです。攻撃がひとり一人の足元の技術に依拠していると言いましたけど、守備も同様です。マリノスの、特に中盤の選手の守備技術は非常に高いですね。守備が巧みな選手が揃っているチームとの対戦は、東京も同様にレベルが高いこともあって、試合が締まります。

アデミウソンとまなは、基本的にお互いのポジションが被らないように連動します。どちらがポジションチェンジのきっかけを作っているのか、興味深いです。それほどこの二人は頻繁に左右を入れ替えます。マリノスの攻撃プランは、アデミウソンとまなのポジションが微妙な作戦の違いを生み出しているような気がします。

さて、マリノスの東京対策です。おそらく秀人不在の東京が、これまでアンカーはほとんど秀人と梶山しか担ってこなかったことを考えても、4-4-2で臨む推測は容易にできたでしょう。ともかくも、マリノスは宏介と徳永を封じることを企図します。ポイントはアデミウソンとまなです。まずマリノスは、WGの二人を最前線のしかもライン際いっぱいに構えさせます。このことで、徳永と宏介を最終ラインに押し込めることに成功します。

東京の問題はこれを受けてからの選択にありました。マリノスは、アデミウソンとまなに連動して、パンゾーと下平も高く位置取らせます。拳人と慶悟は、これを受けます。この時点での俊輔は、中盤に下がらず高い位置で左右に自在に動きます。つまり時計回りに、翔、アデミウソン、パンゾー、ボンバー、ファビオ、下平、まなで作る大きな円のなかで、俊輔を頂点とする三角形を作るイメージです。俊輔が左右流動的に動くため、基本的にゾーンの東京は、ヨネもヒデも俊輔の対応をしなければなりません。このため東京は、4+4の守備ラインを維持せざるを得ない状況に持ち込まれます。

もちろんミステル東京の4-4-2は、リードしている状況での守備固めのシフトというイメージがありますので、マリノスに仕掛けられたと同時に、ナチュラルに引いたとも考えられます。秀人不在の状況で、ベストメンバーのマリノスに対しイニシアチブを握れるとは思えませんし。ただし、このことは攻撃が機能不全になることに繋がります。東京はそれがわかっていたと思いますので、当初プランでは、必ずしも閉じこもる意思は無かったんじゃないかと思います。ゆえに、マリノスの巧妙な、攻撃と守備の調和を同時に満たす作戦にはまったと言っていいと思います。

東京はサイドエリアの数的イーブンを作りましたけど、それは同時に攻撃の人数を失うことでもあります。今日の試合ほぼ全般を通じて、前線と中盤の距離が離れた状態が続きました。昨年や今年の1stのように飛び道具があるならまだしも、遼一を基点とし、ワンタッチ連携を基調とした高速カウンターを主武器にする今の東京が、遼一とバーンズだけで攻める形になりますので、当然二人は孤立します。とくにバーンズは、ワールドカップ予選前のキレがありません。もしかすると代表戦の疲れが抜けていないんじゃないかと思います。ドリブルを仕掛けてもダブルチームで簡単に止められてしまいます。

一方マリノスも、アタッキングサードに運ぶまでのプランはパーフェクトなのですけど、最終局面で有効なシュートを打てません。前半はとくに、ペナルティエリア内のシュートはほとんど無かったと思います。マリノスはサイドアタックを基調とするチームです。左右というよりかは、アデミウソンとまなでテイストが違います。アデミウソンは、キックオフ早々に魅せた、パンゾーを走らせるラボーナのスルーパスに象徴されるように、トリッキーながらも実はシンプルなワンタッチでのチャンスメークで、タイムギャップを活かすプレーを志向しているようです。ラボーナを使う必要性がまったく無い場面で魅せてくれるアデミウソンのエンターテインメント性は、今年のマリノスの宝だと思います。アデミウソンを観るためだけでも、お金を払ってスタジアムに来る価値があると思います。

まなはリズムを作ります。ドリブルを基調として時間を作り、宏介と徳永を引き付けるスペースギャップを志向しています。この、ある意味真逆なテイストのウインガーが頻繁にポジションを入れ替えることは、徳永と宏介に守備の意識を強めされるに十分だったと思います。

ところが、マリノスの計算を上回ったことがあります。東京の守備力です。モリゲを中心とした4+4のラインが、いざ守ろうということになると、ハードコンタクトと無類の集中でペナルティエリア内をガッチリ封じ込めます。エリクマリノスにとって惜しむらくは、前線に魅力的なタレントが揃っていながら、シューターがまなしかいないことにあります。まなは8月のMVPを受賞しましたけど、言い換えるとマリノスに好結果をもたらしたのは、ようするにまななんだと思います。

アデミウソンは、ことチャンスメークに関しては極上のエンターテイナーですけど、残念ながらペナルティエリア内のシュートがありません。今日もシュートを打てる場面でパスを選択していました。アデミウソンに課題があるとしたら、シュートだと思います。ひらたく言うと、楽しいけど怖くない選手。そしてもちろん、マリノスに寿人や嘉人や遼一や豊田がいたら、このチームは優勝争いをするに足るパフォーマンスを見せていることでしょう。前半はスコアレスのまま終了。

後半頭からミステルが動きます。バーンズに代えて翔哉が同じくトップに入ります。

この作戦変更は、二つの意図があったと思います。まずは前線の距離感の問題に対処すること。そして縦への推進力です。ミステルはマリノスと同じことを仕掛けます。まず右サイドから対処します。おそらくマリノスが左サイドでリズムを作ると見たのでしょう。ここに力点を置きます。下平にボールが入った時に拳人がチェックします。この時まなあるいはアデミウソンが受けに下がります。これを徳永がケアします。これでマリノスのサイドアタックを消します。さらにポジティブトランジションの際に、拳人と慶悟を高くかつワイドに位置取らせます。これでパンゾーと下平を最終ラインに押し込めます。

その上で、遼一を少し戻り気味にポストを受けさせます。これで、マリノスの中盤の三角形をフォローする円を崩すことに成功します。中盤の三角形が孤立気味になりますので、ヨネとヒデのチェックが効きはじめます。ようやくアタッカーの距離感を保てるようになり、攻撃が活性化します。

サンダサではなく翔哉をチョイスした理由は、局面を打開するドリブルが縦への推進力を生むと見たのでしょう。でも今日の翔哉は、ドリブルをあまり見せてくれませんでした。むしろ中盤の繋ぎの役割を期待したのかもしれません。ただ、いずれにしろこの翔哉の使いかたが、試合をクリンチ状態に陥らせる要因のひとつになった気がします。

東京が息をふきかえした時間は、残念ながら10分ともちませんでした。きっかけは宏介が治療を受けていた時間です。この間にマリノスはチームのコンセンサスを整えられたでしょう。同時に東京は、宏介の状態を見る必要もあったでしょう。マリノスに見られた対策は、主に二つ。まずは大きなサイドチェンジで、直接高い位置にいるWGにフィードを付けるようになりました。つまり、拳人と慶悟のフォアチェックを無効にする意図です。もう一つは、俊輔と三門が縦のポジションチェンジをしはじめます。これはおそらく、俊輔に対するチェックをかわすことでリズムと取り戻す意図だと思います。

そして試合はクリンチ状態になります。マリノスの対策は、東京の仕掛けをかわし、イニシアチブを取り戻す効果はありましたけど、ゴールに直結するものではありません。東京もあっさりとリトリートモードに戻ります。この時点でミステルは、もしかするとエリクさんも、少なからず勝ち点1を意識していたと思います。とくに年間勝ち点が最も現実的な目標である東京にとっては、秀人不在のピンチを勝ち点1で凌ぐことは大きな価値がありますから。

ミステルがさらに動きます。ヒデに代えて陸を右メイヤに投入します。拳人が右ボランチに入ります。イニシアチブを握られたままでは、パスを散らしてチームを動かすことに特長があるヒデが活きません。陸の積極的な上がりに期待したのだと思いますけど、どちらかと言うと下平を押し込めるための、守備を意識した作戦のような気がします。

直後にエリクさんがようやく動きます。翔に代えて富樫を同じくトップに投入します。富樫は8月に特別指定を受けてマリノスに加入したばかりです。もちろんJリーグ初出場。練習でのフィーリングが良かったんでしょうね。

東京は可能性のあるカウンターが一本だけありましたけど、あとはほぼイニシアチブを握られ続けます。対するマリノスは決め手にかきます。せっかくの全国放送日なのにもったいないけど、ドローも仕方ないなと思いはじめた最終盤に、ついに均衡が破れます。

88分。東京陣深くでの下平のスローインから。アデミウソンの戻しを受けた下平がインサイドの俊輔に渡します。俊輔にはヨネがついてましたけど、マークの意識が薄く俊輔を一瞬放します。この時アデミウソンがひらひらと内に絞ります。これに徳永がつきます。これで下平の前が開きます。下平は当然徳永の裏に突入します。徳永がこれに反応。アデミウソンが依然ひらひらしているので、モリゲが意識を裂きます。つまり俊輔の周囲にぽっかり空間ができます。俊輔はドリブルを開始。この時ゴール前では、富樫がフェイドアウェイでまるから離れます。まるが振り返って確認する瞬間、俊輔が最終ラインとブラダの間に絶妙なクロスを送ります。走り込んだ富樫は合わせるだけ。特別指定の富樫は、Jリーグ初出場初ゴールの衝撃デビューです。ただ、やっぱりマリノスは俊輔ですね。マリノス1-0東京。

直後にミステルが動きます。慶悟に代えてサンダサをトップに投入します。翔哉が左メイヤに回ります。パワープレーの意図だと思います。ただ、そもそも距離感に問題をかかえているところにロングボールを使っても、ますます前線が孤立するだけです。

エリクさんも動きます。俊輔に代えて兵藤を右メイヤに投入します。これ以上のゴールは望めないとふんだのでしょう。気が効くプレーができる兵藤を入れて、守備を安定させる意図だと思います。同時にアデミウソンをトップに入れて、シフトを4-4-2に変更します。

マリノスが虎の子を守り続けて、このまま試合終了。マリノス1-0東京。

勝てなかったことよりも、勝ち点ゼロに終わったことが、これから秋を迎えるにあたって、とてもとても痛いと思います。浦和が勝ちましたので、年間勝ち点は8に開きました。残り試合は6。現実的にはワイルドカードでのチャンピオンシップ出場が目標になってしまいました。

繰り返しになりますけど、大黒柱を失った状態での試合でしたから、残念な結果になったけど忘れていいと思います。いつの間にかガンバがヒタヒタと勝ち点2差まで迫ってきていますので、今日のような勝ち点を拾い損ねることがないように、粘り強くがんばって欲しいと思います。