ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015J1リーグ2ndステージ第12節FC東京vs松本山雅@味スタ20150926

2015-09-27 15:17:58 | サッカー

好天に恵まれたシルバーウィークも終わりました。明けの2日は試運転にならざるを得ず。皆さまはリハビリはお済みでしょうか?。

ずぅーと雨ばっか降らしてたお天道さんが、「しゃあないな」とばかりにシルバーウィーク期間中はお天気にしてくれましたけど、天邪鬼な今年のお天道さんは、また週末に曇天を呼び込みました。地元小金井公園では、今週末恒例のお月見のつどいを開催していますけど、お月様はどこかにかくれんぼ。

本日はわれらがドロンパのお誕生日です。おめでとうヽ(´ー`)ノ。デサントさんがドロンパ専用のアンブロユニをプレゼントしてくれました。これからはみんなと同じアンブロだね。

ゲーフラを貰って(預かって)喜ぶドロンパ

新ユニを見せびらかすドロンパ

本日はややご近所、今年3試合目の松本山雅戦でございます。前2戦はいずれもアルウィンでしたので、やっとJ1での味スタに来てくれました。新潟がJ1に上がってきた頃を思い出すような、バスを連ねての参陣です。ありがとうございます。

本日のYou'll Never Walk Alone♪

中央線♪

徳永がJ1通算300試合出場を達成しました。おめでとうございます。徳永のシュワッチ

山雅の唯一無比の突貫作戦を凌ぎ切った東京が、ホーム連発の遼一のスミ1を守り切りました。

東京は今日まで秀人がサスペンションで不在です。前節の結果を踏まえ、シフトと布陣の選択に注目していました。ポイントはなんと言っても中盤です。オルタネイティブは、本職のアンカー不在のなかで、3CH+トップ下にこだわるかダブルボランチを採るか。ミステルの選択は3CHでした。シフトは4-3-1-2。そうだろうなとは思いました。GKはブラダ。CBはモリゲとまる。SBは徳永と宏介。注目の3CHは右から拳人、ヨネ、羽生。トップ下は河野。トップは今日の遼一の相棒はサンダサです。

山雅は日曜日と水曜日に公式戦があり、一週間で3試合の強行日程です。残留をかけた緊張感のなか、2ステージ制の煽りを食っているのは、声高に批判する上位チームではなく、むしろ山雅をはじめとするレギュレーションに対して発言する余裕のないチームなんじゃないかと思います。その点でシンパシーを感じます。さらにオビナがサスペンションで不在。最近布陣を固定化していましたけど、さすがにターンオーバーです。シフトは3-3-2-2。GKは村山。3CBは右から酒井、飯田、喜山。ホントに喜山はどこでもできる素晴らしいマルチローラーですね。アンカーは岩間。WBは右にはゆま左に安藤。2シャドウは右に岩上左にこれが加入2試合目のキム・ボギョン。今日の2トップは直輝と塩沢です。

最注目はなんと言ってもヨネのアンカーです。少なくとも今年は、リーグ戦では秀人と梶山しか担っていないアンカーに、たぶん初めてヨネが入ります。今年だけでなく昨年を含めて、ちょっと記憶にありません。想えばミステルが3センターを標榜した時に、我々のなかでアンカーは、当時は梶山が復帰してなかったこともあり、秀人なのかヨネなのか、議論があったことを思い出します。結論的には秀人でした。2013年の春先にアンカーの難しさに苦しんだ秀人でしたけど、梶山が入ったりヒデが入ったりして外からアンカーの役割を見て多くを学んだのでしょう。今や秀人は絶対的なアンカーになりました。

そんな大黒柱が2戦続けて不在というスクランブルの対処は、まずはコンサバティブな答えを見せました。ダブルボランチです。前節の問題を振り返ると、重心を下げたが故に前線との間合いがあいてしまったことでした。その課題をボランチだけに課すのはさすがに極論ですけど、いずれにしろ中盤の編成がコンサバティブだったが故の結果だとは言えると思います。

ミステルの選択は、基本布陣に戻ることでした。となるとアンカーはヨネしかいません。という判断なのだと思います。さて、アンカーヨネをどう使うのか。

試合は、背番号7番に熱視線を注ぐ東京サポの想いを他所に、山雅のラッシュで始まります。

誤解を恐れずに言うと、山雅がJ1で出来ることはおそらく限られていると思います。山雅のチームとしての選択は、もちろん反町さんに完全に委ねられていると思います。そして反町さんの選択は、残留を成すこと。つまり内容はともかく勝ち点を積み重ねることです。プロサッカーの興行はなにしろ勝つこと、ゴールすることがシンプルな集客効果を生みます。ただし長期的に見れば、内容が問われます。なぜならば、客であるサポーターは経験のなかで学習しますから。学習することで欲が生まれますから。我々東京サポが15年間のJ1での生活で、そのことを実感しています。ただ、少なくとも今年に限っては、内容よりも残留ということでしょう。そこで、ここまで28試合の経験のなかで、反町さんと選手が確立してきたのが、2015山雅スタイルなのだと思います。

誰が見ても明らかだと思うのですけど、山雅の寄る辺はセットプレーです。正直に言ってJ1で個で優位性を生み出せる力を持つ選手は極めて限られます。岩上と直輝くらいでしょう。とくに岩上の存在は、山雅がJ1でファイティングポーズを取るために不可欠だと思います。岩上のCK、FKの足元だけでなく、ロングスローも山雅の重要な得点源です。山雅のオープンアタックは、セットプレーを獲得するところから逆算しているのだと思います。

つまり、競る形のシュートで終わるかアタッキングサード深い位置でFK、もしくはスローインを得ることです。そのためには、とにかく手数をかけずに一気にアタッキングサードに入ることが最も合理的な方法です。そこで山雅は、まずは攻撃権を持たないことにはそもそもこのプランを始められませんから、山雅なりのやり方でトランジションします。ハードコンタクトです。おそらくどのチーム選手、スタッフ、サポーターも山雅のコンタクトがJ1最高レベルにハードだと感じているでしょう。同じくハードな守備を信条とする東京、鹿島、鳥栖は、個々の守備技術が高いので、ハードプレスと言っても、チャレンジした本人がボールを奪うことを前提としますから、視覚的に自らを犠牲にする感はありません。山雅のコンタクトは、その場でのトランジションというよりかはイーブンな状態を作ることを目的としているように思います。なのでフォローが不可欠。山雅の真骨頂はここにあります。コンセンサスのなかで全員が連動し続けること。しかも個々の走量が高いので、チーム全体の運動量負荷も非常に高くなります。山雅はそれを90分間続けられるディシプリンを持っていることが、チーム最大のストロングポイントだと思います。7日間で3試合目という状況でも変わらず出来ることは、賞賛に値すると思います。

山雅の基本的な攻撃プランはサイドアタックです。シンプルを旨としますから、中盤が左右の攻撃方向をコントロールすることはなく、ターゲットマンの位置で決まります。塩沢はサイドでポストを担います。酒井もしくは喜山から中盤を省略した長いフィードを塩沢につけます。ポストの成功率は高くないのですけど、イーブンボールに対するアプローチに優位性がある山雅ですから、シャドウのフォローからWBを経由して、アタッキングサードのサイドエリアを目指します。これを基本的にはすべてワンタッチのパス&ゴーでこなします。

フィニッシュパターンは、ほぼクロスからです。ゴール前には塩沢とシャドウが入ります。クロスの供給パターンは左サイドが多様です。右は深い位置なら岩上の仕掛けからのクロス、もしくははゆまのアーリーです。はゆまがバランスを取っている分、山雅の左サイドは誰が入る場合もより攻撃的です。安藤は直輝、ボギュンと絡みながら積極的に攻撃参加します。安藤は仕掛けはあまりなく、シンプルな折り返しをゴール前に送ります。

面白いのは直輝です。直輝は比較的自由を与えられているようです。ポストプレイヤーとの距離感を意識するようでもなく、積極的に1on1を仕掛けます。ターゲットにするのは徳永と宏介。前節のまなと同様、アクセントマンを担います。直輝を見るのはこれで3回目ですけど、見る度に成長していますね。しばらくスターターを外れているので、体のキレが戻りモチベーションも高まっているのかもしれません。徳永と宏介をおいてけぼりに出来るドリブルは魅力的です。まだまだプレーが荒く、とくに守備技術に大いに課題がありますけど、とても面白い存在だと思います。正直、序盤にもっと直輝を使われていたら、もしかすると嫌らしい展開になっていたかもと思います。

東京にとっては、山雅の序盤からのラッシュは織り込み済です。すでに2戦していますし、山雅の闘いかたはシンプルですから、詳しくはわかりませんけど抑えところは心得ていたのでしょう。ある程度クロスを入れられるのは計算の範囲内だったと思います。なので中央を固め、フィニッシュを自由にさせません。

それからセットプレーを狙われることも承知の上だったでしょう。東京のセットプレーの工夫はマンツーマンです。通常東京は、セットプレーの際はゾーンとマンツーマンのハイブリッドですけど、今日は終始マンツーマンでした。山雅はトリッキーなセットプレーを見せますけど、マンツーマンでコバンザメマークすれば、個々の守備技術が山雅の個々の攻撃技術に勝るのですから、合理的な選択だと思います。

当然のことながら押し込まれる形になりますけど、マリノス戦と違って押されている感はなく、どちらかと言うと受けていなしている雰囲気を感じました。これは攻撃プランに依拠すると思います。無理につなごうとせず、シンプルにラインの裏にロングフィードを送ります。遼一を真ん中に置いて、左にサンダサが流れます。今日の前線はトップ下を置く配置でしたけど、河野の使い方はハブではなくセカンドアタッカーです。河野も積極的に右の裏を狙います。

サンダサがあえて酒井にコンタクトを挑むことで、攻める山雅の最終ラインに守備の意識を植え付けます。こうして山雅に攻めさせつつも一発の脅威を与え続けるという構図を作りあげました。山雅のセットプレーを凌いで凌いで、ようやく東京にセットプレーのチャンスが回ってきます。東京には宏介という正統派の飛び道具があります。そして、東京に完全にイニシアチブが渡る先制ゴールが生まれます。

20分。宏介の右CK。東京はお団子を作ります。山雅はオフェンスの際のセットプレーとは違って、オーソドックスなマンツーマンとゾーンのハイブリッドです。モリゲに飯田、遼一に喜山、サンダサに酒井、まるに岩間、拳人に安藤がつきます。もしかしたら今日の山雅の悩みは遼一のマーカーだったかもしれません。サイズのあるサンダサに酒井をつけざるを得ず、遼一のマークは喜山になり、ミスマッチがありました。ストーンははゆまと塩沢。宏介の狙いは、喜山を振り切ってニアに飛び込む遼一でした。これは塩沢がクリアしますけど、このボールが宏介へのリターンのような形になります。さながらCKのやり直し。宏介はルックアップ。セットが崩れてますから、東京も山雅もほとんどの選手がボールを見てます。ただ、飛び込んだ勢いでゴールラインの外にいた遼一だけ、戻りながら山雅の配置を確認して、ギリギリオンサイドになる位置でニアにいた喜山の前に出ます。これを見た宏介は遼一に合わせます。遼一はストライカーの感で、ゴールを確認せず頭を振りました。東京1-0山雅。

1stは宏介とモリゲのホットラインでゴールを重ねてきましたけど、さすがにそれだけだと読まれ易くなります。モリゲにエースをマンマークで当ててくるようになりました。遼一がフィットしたことはセットプレーにも好影響を及ぼしています。モリゲと遼一の2枚看板は、相手はとても守りにくいことでしょう。今ファーストチョイスはむしろ遼一なんじゃないかと思います。

さて、ここからようやく今日の主役、ヨネに役どころが回ってきます。序盤はわかっていても山雅の運動量とスピードの前に受けに回った東京でしたから、アタッキングサードへの侵入を再三許しました。山雅の動きに慣れてくるとまるとモリゲが前に出て基点をつぶせるようになります。今日の東京は、トランジションするとヨネに預けます。アンカーヨネはコンサバティブでした。ヨネはダイナミックに動くイメージがありますけど、別人のように中盤の底に張り付きます。攻撃でも、パスが入ると無理をせず後ろに戻します。最近の秀人はダイナミックかつ積極的ですけど、やはりヨネに同じことをやれというのは酷でしょう。結果的にミニマムなスコアになったこととヨネの使い方は因果があるような気がします。

アンカーヨネを堅実足らしめたのは、やはり羽生です。羽生は常にヨネとの距離感を意識していたようで、ヨネが動くと羽生がヨネのエリアをバックアップしていました。この羽生の役割は秀人が入った時も同じです。それを粛々とスムーズにこなせる羽生がいてくれることは、3CHの確立に大きな影響を与えていると思います。

なので、中盤の躍動感を生み出す役割は、今日は拳人が担います。通常はヨネが担うエネルギッシュな犬追いと攻撃参加が、攻守の連動性が高いことがメリットの3CHを闘えるレベルに押し上げています。拳人が試合に馴染んできたことでそれを維持できるようになりました。何より拳人には、ヨネにはないペナルティエリア内でのシュートという魅力がありますから、試合に出続けると一気に成長する予感がします。

反町さんに取っては先制されることも考慮の内だと思いますけど、正直痛かったでしょう。なにしろ先制した東京は無類の安定感と強さを見せますから。前半はリードのまま終了。

ひと度安定期に入った東京を前に、反町さんには流れを大きく変えるアジャストプランは無かったと思います。もちろん細かい作戦は打っていたと思いますけど、素人目には後半も流れはまったく変わらないように映りました。

これは〆時と見たのでしょう。ミステルが動きます。河野に代えて慶悟を投入します。同時にシフトを4-4-2に変更します。ボランチはヨネと拳人。羽生が右メイヤに周り、左に慶悟が入ります。東京お得意の逃げ切りモードのシフトです。

マリノス戦と違って中盤でトランジションできますから、守ることが目的なのは変わらないにしろ、攻めることで守ることができていました。東京は慶悟にボールを集めます。慶悟は左ライン際、アタッキングサードにかかる定位置に構えます。ダブルボランチになって通常モードに戻ったヨネや宏介から慶悟にパスが出ます。慶悟を基点にしてサンダサ、あるいはオーバーラップする宏介にボールが渡り、山雅の重心を下げさせます。このことで山雅の攻撃スイッチである中盤でのトランジションを機能不全にさせることに成功しました。まさにミステルの勝利の方程式。

直後に反町さんも動きます。安藤に代えて石原を同じく左WBに投入します。クロッサーからドリブラーに代えてリズムを変えようという意図だと思います。

さらにミステルが重ねます。サンダサに代えてバーンズをそのままトップに投入します。慶悟を基点にしたカウンターモードが成立しましたので、慶悟と絡んで最終ラインに向かって縦に仕掛けることを意図したのだと思います。もちろん追加点が取れることが最良ですけど、強引にでも仕掛けられるバーンズを置くことで、山雅に後方の脅威を感じさせ続けることを狙ったのだと思います。案の定、バーンズに対して山雅は、ダブルチーム、トリプルチームでの守備を強いられます。

反町さんが動きます。ボギョンに代えて浩平を右シャドウに投入します。左に岩上が周ります。浩平は加入以来スターターをはっていたようですけど、さすがに連戦は難しいのでしょう。今日はボギョンをフィットさせる狙いもあってか、ここからの試合参加になりました。

ボギョンはまだフィットしきれていないですね。セレッソにいたころの存在感は感じられませんでした。山雅のシャドウに欠けるスキルフルなプレーと運動量、なかでもシュートを期待されているのだと思いますけど、フィジカルのフィットを含め、もう少し時間がかかるかもしれませんね。

最終盤、反町さんが最後のカードを切ります。たぶんタイミングを計っていたと思います。なにしろ長い時間は使えないハイリスクなプランですから。直輝に代えて池元をトップに投入します。同時に飯田を前線に上げます。この作戦の味噌は飯田です。山雅の常套でもあります。塩沢を含めたて3トップでパワープレーに出ます。前提としてボールを持ち続けること。放り込んだボールの跳ね返りを拾い続けてまた放り込みます。およそ華麗とは言い難い作戦ですけど、これこそがなりふり構わず勝ち点をもぎ取るんだという、山雅の想いを凝縮していると思います。

アディショナルタイムにアクシデントが起きます。走り続けていた拳人が左足をつって下がります。このあたりのフィジカル面が、まずは拳人の課題でしょう。ミステルは誰を選択するかなと思っていたら、カズでした。シフトが5-2-1-2に変わります。羽生がボランチに入ります。おそらくカズは、池元のマーカーとして入ったのだと思います。山雅が、池元を軸にダイアゴナルに飯田と塩沢をクロスオーバーさせていたので、モリゲとまるがゾーンで対処します。もしかしたらミステルは、山雅のパワープレーを見越して、当初からカズ投入を考えていたのかもしれませんね。これで山雅の前線に、嵐を呼ぶ基点ができなくなります。パワープレーが威力を失います。

一見山雅が猛攻していたように見えましたけど、こうして東京が完全にオーガナイズしました。山雅の攻撃を受け続けることで、守備陣にもリズムと集中が生まれていたのでしょう。不安感なくこのまま逃げ切りました。東京1-0山雅。

遼一のシュワッチ

序盤の守備、ロングカウンター、先制ゴール、試合の安定化、シフト変更、ショートカウンター、パワープレーへの対処と、試合の始まりから終わりまで、ほぼ完璧にプラン通りに進められたと思います。これぞまさにミステル東京の真骨頂を観た想いがします。1-0というスコアだけが象徴的に取り上げられますけど、少なくともゼロという結果は、いろんな作戦を積み上げるプロセスを踏まえています。今日は序盤のロングカウンターでのサンダサ、シフトを変えてからのバーンズとゴールチャンスはありました。2-0、3-0であってもおかしくはなかったと思います。

秀人不在のスクランブルでしたけど、1勝1分で凌ぎました。あと5戦。年間勝ち点で直接のライバルとなるガンバが気になりますね。今日も勝ったのでぴったり追走されています。経験のあるガンバに対するビハインドはありますけど、ガンバも過密日程を控えています。粘り強く勝ち点を拾い続けて欲しいと思います。