ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2013J1リーグ第13節鹿島アントラーズvsFC東京@カシマ20130525

2013-05-26 13:01:44 | サッカー

今日は武蔵小金井で、山王稲穂神社の御祭礼です。

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今年2回目のカシマスタジアムです。ナビスコカップでは、忠成の移籍後初ゴールやたまの活躍で、ひさしぶりにアウェイで勝利しました。余韻が残っていますし、この試合で中断期間に入りますから、是非とも勝ちたいところです。

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前半で2点リードする素晴らしい展開が一転。後半一気に逆転されました。よく2点差リードは怖いといいますけど、東京がやられてしまった試合は初めて目撃したような気がします。どうでしょう?

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東京はアーリアが依然不在です。前節と同じく千真と忠成の2トップです。この2トップが機能するかどうかが、今日の試合だけでなく後半戦にも影響するような気がしますので、最注目です。慶悟は左サイド。

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鹿島は大伍をサスペンションで欠いています。青木が左SBに入ります。岩政とコンビを組むのは、今日は昌子です。前線は不動のメンバー。

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今日の東京は、試合の入り方がなかなか好調でした。東京はゾーンの相手には強いです。スペースメイクがうまくゾーンの隙間をつけますから。鹿島は基本的にあまり前からきません。序盤の東京は、前線4人のフリーランニングとパスの出し手の意外性あるアイディアが噛み合いました。鹿島の守備陣を後手に回らせることに成功します。良い流れのうち、さっそく先制します。

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前半7分。左サイドでボールを持った慶悟から、中央に流れてきてフリーになっているルーカスにパス。ルーカスは満男と対峙します。満男の寄せを華麗なトラップでかわしたルーカスの目の前がぽっかりあきます。ルーカスはドリブルイン。脇に寄せた忠成とのタベーラをイメージします。忠成のリターンは岩政にカットされますけど、それが忠成の目の前にきます。ちょうど忠成のトラップが岩政と青木の間を抜け、忠成が走り込みます。あとは流し込むだけ。鹿島0-1東京。

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昨年から言えることですけど、リードした東京は、試合のイニシアチブを握ることができます。できるだけ早い時間で先制できることが理想です。今年はスロースターターで、先制するにしても時間がかかるのですけど、今日は違いました。これで、東京が大きなアドヴァンテージを持ったように感じました。

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ところが、相手は鹿島です。やはり鹿島でした。鹿島は先制されても落ち着いています。岳、大迫、遠藤など、若返りが少しづつ進んでいますけど、要所はベテランがしっかり抑えています。その経験知が、鹿島に落ち着きをもたらしているんだと思います。鹿島のサッカーは、基本的にずっと変わっていません。サイドを基調とします。攻撃のパターンは3つ。自陣深くで攻撃権を持った場合は、前線にロングボールを送ります。相手陣に侵入できた場合は、サイドアタックです。サイドアタックは、左右で異なります。右サイドは深く切り込んでからのクロスです。左サイドはアーリークロスが基調です。これは、左右のSBの役割が異なるからだと思います。青木はアタックを重視しています。それに対し浩二はバランサーです。攻撃参加するにしても、それほど深くまで侵出しません。相手左サイドのエリアは、アタッカーのために開けています。

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両ボランチの運動量はそれほど目立たないです。全体がコンパクトになっていますから、動いているにしても稼動範囲は大きくないです。岳が前線に顔を出している時も、飛び出しているというより押し上げられている感じです。攻撃時のボランチの役割は、アタックルートを左右どちらかに決めることと、1stアタックが無理だった場合のルートチェンジ。それとフィニッシュに絡むことです。ここまでが鹿島のアタックの大枠です。そこに味付けするのが、アタッカーの動きです。ダビィを除く3人は、ポジションを交互に入替えます。大迫のポスト位置はときにすごく低く、ボランチの位置でCBからのポストを受けます。この時野沢が変わりにトップに入り、遠藤がセカンドアタッカーのポジションに入ります。これは一例で、状況に応じてフレキシブルにポジションを変えます。この動きが、鹿島のアタックを一見複雑に見せ、相手守備陣を混乱させているのです。

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先制以降の東京は、逆に鹿島にイニシアチブを握られます。東京は意図的にリトリートすることがあるのですけど、今日は先制した時間が早かったですし、鹿島にボールを持たせている意図はなかったと思います。鹿島の落ち着きと選手間のコンセンサスが、東京から主導権を奪ったのだと思います。

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ところが面白いことに、流れに反して追加点が入ります。前半44分。センターラインで宏介が大迫に競り勝ったボールが満男の前に溢れますけど、そこにヨネが寄せターンオーバー。隣にいた慶悟にパス。慶悟は、寄せてきた忠成とタブルタベーラ。忠成は前を向いてパスを受けます。鹿島のラインは揃っています。千真が面白い動きをします。一度忠成に寄せるふりをして、すぐに戻ります。これに昌子がつられました。忠成のパスをフリーで受けた千真は昌子が寄せる前にダイレクトショット。鹿島0-1東京。

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前半はこのまま終了。

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後半に向け、鹿島はとくにアジャストするところは無かったと思います。トニーニョ・セレーゾさんがやったのは闘魂注入だったのではないでしょうか?。満男がチームを鼓舞する表情が印象的でした。むしろ東京のほうがアジャストすべき課題があったと思います。鹿島はロングボールと後方でのボール回しを組合せることで、東京の鋭い出足を封じます。高い位置でターンオーバーできませんから、東京は攻撃の始点を失います。前半のうちから、徐々に防戦一方になっていきます。セレーゾさんがテクニカルな面で手をうったのは、せいぜいアタックをクイックにするくらいだと思います。それが、いきなり奏功します。

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後半2分。岩政が頭でクリアしたボールをセンターライン付近で遠藤が拾い、岳にバックパス。岳はダイレクトで前線へ。バイタルエリアに入ったダビィが受けます。この時大迫が宏介の裏を狙っていました。宏介は遠藤に寄せていましたけど、鹿島の縦アタックがクイックだったので、戻りきれません。大迫はそこを逃しません。ダビィもダイレクトではたいて大迫へ綺麗なスルー。抜け出した大迫は丁寧に流し込みました。鹿島1-2東京。

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このゴールが、後半の流れを決めました。鹿島には自信を与え、東京には守る意識を作らせました。もう一つ鹿島が小さくアジャストしたのは、チェンジオブペースです。後半の入り方が非常にアグレッシブでした。ダビィと大迫を軸に、ゴリゴリ攻めてきます。2トップのエネルギーを、この時間に集中させようとしたのかもしれません。ブースターのようなものですから、東京が凌ぎきったら終盤はグダグダになりかねません。ある意味ギャンブルですけど、前半から試合を支配していましたから、それほど難しい選択ではなかったと思います。そして、一気に鹿島が畳み掛けてきます。

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後半11分。バイタルエリアでボールを持つ遠藤が右サイドの大迫にパス。そこに秀人が寄せます。さらに右奥に野沢がいて、宏介が見てます。モリゲも大迫のコースを切りに行ってます。つまり遠藤の前がぽっかりあきます。遠藤は難なくゴール前に侵出。大迫がそれを見てスルーパスを送ります。ゴールライン深くで受けた遠藤に権田が寄せますけど、かわされます。中央のダビィにパスします。ダビィの前にいたヒョンスがクリアしようとしますけど、無情にもゴールに吸い込まれました。鹿島2-2東京。

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ポポさんが流れを切ろうとします。忠成に変えて草民を投入。正直ちょっと違うんじゃないかなと思っていましたけど、裏目に出てしまいました。後半20分。バイタルエリアでダビィのパスを受けた野沢が中央の大迫に出そうとしたパスが秀人にあたってコースがかわります。草民が拾ったところに大迫が寄せます。草民はトラップして振り切ろうとしますけど、大迫が鋭かったです。草民からボールを奪った大迫が抜け出し、丁寧に流し込みました。鹿島3-2東京。

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この時間帯で東京に足りなかったのは、シュートなんです。後半15分過ぎから鹿島がブーストを使い切ったようで、通常に戻ってきていました。同点に追いついたから、一度落ち着こうとしたのかもしれません。鹿島には伝家の宝刀カウンターがありますから、残りの時間をオーガナイズできる自信もあったのでしょう。ですから、東京がまたボールを持てるようになります。イニシアチブは依然鹿島に握られているにしろ、ボールを持てば東京のプレーができます。リトリートする相手に対し、ゴール前の最終局面までボールを運べるのです。でも、そこからが無かった。パスとムービングの意外性の連鎖で崩す東京は、相手がリトリートするとそれに殊更固執しようとします。意外性の連鎖は、はまればビッグチャンスになります。でも、疲労とスペースの狭さ故、はまる確率はとても小さいです。もっとシンプルにシュートを撃つ意識を持ってもいいんじゃないかと思います。その意味で、この時間帯はビルドアップのルーターである草民より、シューターのたまか容平が欲しかったような気がします。結果、やはりチームとしてシュートを撃てなかったので、失点に繋がるミスよりもその方が残念でした。草民には海外留学第1号の話があるようです。シュートを撃てるアタッカーになってほしいです。

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一方セレーゾさんの選手交代は合理的でした。怪我で満男を拓也に代えるアクシデントはありましたけど、カウンターの精度を上げるのと試合を落ち着かせるために、本山と山村を投入します。

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ポポさんもようやく動き、草民とルーカスを下げ、シューターの相太と容平を投入します。草民が悪かったというより、ポポさんの判断ミスを自戒する交代だと思います。それにしても判断が遅かったと思います。

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東京が猛攻をしかけ容平の惜しいシュートがありましたけど、試合はこのまま終了。鹿島3-2東京。

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絵に書いたような逆転劇をくらいました。防ぎようはあったと思います。ボールホルダーへの寄せをもっと厳しくしてもよかったし、逆に守りきるという選択もあったと思います。ポポさんも選手も、あくまでも繋ぐサッカーに固執してしまったことが敗因でしょう。

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ただ、それにも増して鹿島が強かったです。鹿島の強さの秘訣を見たような気がしました。鹿島は難しいことをしていません。戦い方そのものはシンプルです。だから、ずっと同じサッカーを続けてこられたんだと思います。強さの秘訣は戦い方にも伝統にもありません。選手とくにアタッカーの質です。鹿島のアタッカーは、パス交換が正確なことに加え、シュートがとても上手いです。今日もそうですけど、難しいシュートを撃っているわけではありません。ゴラッソというにはほど遠く、流し込んでいるだけ。シュートの上手さは、テクニカルというより正確なんです。ちゃんと枠に飛ぶ。それと、シュートタイミングも上手い。コースがあったらチャレンジしてきます。つまり試合に使う基準は、パスとシュートの正確性なんだと思います。今シーズンは、岳、大迫、遠藤が成長した上にダビィが加わったことで、この質がここ数年になく高いのでしょう。それが鹿島の安定性と強さの秘訣だと思います。

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千真と忠成の関係が、ようやくできてきたような気がします。忠成がチャンスメークして千真がフィニッシュするほうが、逆の時より威力があると思います。忠成がシュートする場合は、独力プレーが良いと思います。この組合せを軸に、ルーカスと慶悟、両ボランチをうまく絡めてアタックできれば、アーリアが不在のときでも、違った趣向のアタックができるような気がします。

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残念なかたちで中断期間に入ることになりました。帰り際、阿久根さんが「合宿して立て直します」と仰っていました。個人的には、ポポさんが監督でいる限り、そしてそれをボクらが許容する限り、優勝は無いと思っています。ネガティブなことを言っているわけではありません。自分はそれでも良いと思っています。優勝は必ず目指しますけど、優勝だけが成果だとは思いませんから。

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課題はいろいろ具体的に見えていますから、悲観する必要はないと思います。しっかり立て直していきましょう。

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