ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2013J1リーグ第10節FC東京vsジュビロ磐田@味スタ20130506

2013-05-07 23:44:34 | サッカー

ゴールデンウィーク最終日でございます。バラの季節になりましたねー。

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母の日のプレゼントを武蔵小金井のメリクリさんでもとめました。

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磐田戦はよく入る印象があるのですけど、たいていイベントが絡んでいるんですよね。花火大会とか。磐田サポさん、ついてますね。今日の横丁は大盛況でございました。

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磐田は森下さんが退任し、急遽長澤さんが臨時で監督することになりました。長澤さんの活躍は嬉しいのですけど、よりによってというか、いやむしろ初采配に立ち会えた喜びもあって、なんだか複雑です。でも、やっぱり嬉しいかな。

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ディフェンシブな磐田に先制され手をやく難解な試合になりましたけど、アディショナルタイムの劇的ゴールでなんとか追いつくことができました。

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東京は不動のレギュラーメンバーです。モリゲの怪我が心配されましたけど、元気に出場です。モリゲは試合を重ねるごとにリーダーとしてのキャプテンシーが高くなっています。いろんな意味で不可欠な存在なので、体調には注意してほしいです。

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磐田はオーソドックスな4バックにしてきました。前田と金園をトップにおき、大記と康裕がハーフ。ボランチは裕紀と田中。最終ラインはチョ・ビョングクと伊野波を真ん中にして、駒野と藤田がサイドを固めます。森下さんはモダンな3バックにチャレンジしていました。今シーズンの磐田をまったく見ていないので確たることは言えないのですけど、リリーフ監督の役割としてまずは負けない戦い方を選択したのかもしれません。アウェイでもありますし、チームを再構築するためには、リセットの意味で余計な色を排除したほうが新監督を迎えやすくなりますから。

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この試合を難解にしたのは、自分が今年の磐田をよくわかってなくて予備知識がないからですけど、磐田のそういうアプローチにも因があります。磐田は守備の発想から試合をプランニングします。まずはコンパクトな3ラインを作ります。アプローチはサイドに追い出すこと。トップがCBとボランチを追うことで、はやめにSBにボールを渡させます。SBにボールが入ったら、アタッキングハーフがタッチライン際に追い込みます。中央はバイタルエリアを閉じます。これらをアグレッシブにするのではなく、固定網にかけるイメージです。全体がボールサイドに寄りますから、ルーカスとアーリアの美味しいゾーンをボランチがケアできます。徳永と宏介がバックパスをしても深追いすることなく、また守備網をセットします。東京のチャレンジがあったとしても、守備陣の位置は高くないですから、ゴールエリアにはやく堅牢なゾーンを作ることができます。

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このため、東京のアタックは手詰まりになっていきます。これは、東京にも因があるような気がします。ひとつには、SBのプレー精度です。とくにアタッキングゾーンでの徳永のプレーが不安定でした。肝心な局面でのトラップやパスミスが多かったような気がします。東京は右で仕掛けるチームですから、徳永のところでノッキングを起こすと、チームの攻撃リズムに及ぼす影響は小さくありません。

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もうひとつは、サイドアタックを封じられた時のBプラン、セカンドチョイスの発想が不足してました。セカンドチョイスは大まかに三つあります。ロングフィード、サイドアタッカーへの縦パス、それからサイドチェンジです。磐田守備陣の位置がそれほど高くなかったので、裏に抜けるスペースがそれほどなかったですし、出し手のCBにプレスがかかっていたこともあり、ロングフィードは封じられました。ルーカスとアーリアがバイタルエリアで基点となるシーンも今日は少なかったです。先にも述べましたけど、磐田がボールサイドに寄せ、ルーカスとアーリアがパスを受けるスペースを消します。残る発想はサイドチェンジです。磐田がボールサイドに寄せますから、逆サイドはスペースが出来ます。当然そこを狙うという選択はできたと思うのですけど、できない理由は外だけではないような気がします。磐田の守備はもちろん素晴らしかったのですけど、東京のとくにルーカスのコンディションがもうちょっとだったような気がします。さすがに連戦でしたし、その間スターターがずっと固定でしたので、疲労は避けられないと思います。

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一方磐田のアタックはというと、守備的なアプローチですから攻撃が犠牲になるのは致し方ないところ。ようするに駒野とセットプレー頼みで、最後は能力の高さは折り紙付きの2トップにフィニッシュを委ねるという作戦です。ターンオーバーしてもカウンターを急ぎません。いい形で駒野に渡すことを念頭におき、そのためのシンプルな攻撃ルートを全員で意識している印象があります。

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2トップは、どちらかというと金園が軸のような気がしました。ビルドアップには、金園のほうがよく絡んでいました。金園で作って前田でフィニッシュするイメージなのかもしれませんけど、エースを活かすアプローチを、これからもう一度整理する必要があるかもしれません。

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というわけで、東京がボールを持てるもなかなか磐田ゴール前にボールを運べないという攻防が続きます。守備過重な磐田もチャンスらしいチャンスを作れないまま時間が経過します。均衡をやぶったのは、セットプレーでした。

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前半29分。駒野のCKを伊野波がどんぴしゃ併せます。徳永がついていのたですけど、伊野波の前にモリゲがいたのでクリアすると思ったのかもしれません。東京0-1磐田。

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概ね磐田のプラン通りに進んでいた展開でしたけど、磐田が先制していっそうその様相が強くなってきます。ボールを持つのに攻められない東京と守備に集中する磐田。長澤さんは新任の臨時監督として、大いにその役を果たせたのではないかと思います。

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勝利の女神は、前半は磐田に微笑みかけます。磐田に追加点が入ります。前半40分。康裕のスローインを受けた駒野がアーリークロス。加賀が頭でクリアしようとしますけど素通りし、ゴール前に。中盤から上がってきた裕紀の足元にすっぽり納まります。裕紀は秀人とモリゲの間で受けワントラップして抜け出します。東京0-2磐田。

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攻めあぐねるなか、セットプレーとカウンターで効率良く試合を進められるという、ちょっと予想外の展開で前半終了。

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後半の入りは、磐田が素晴らしかったです。前半と変わらない集中力で、サイドへの追い出しと守備網全体のムービング、中央の閉鎖というタスクを繰り返します。しっかりとしたディシプリンに基づく戦い方にチーム全体が専心している印象を受けました。森下さんの退任に対する責任感と、初采配の臨時監督をサポートしようという想いを選手が持っていたのかもしれません。

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ピッチ上で打開策を見い出せずいっそう難解になってきたところで、ポポさんが動きます。ポポさんにしてははやめの判断だったかもしれません。ルーカスと加賀をナオと忠成にいっぺんに代えます。同時にシフトを2トップに変更します。このシフト変更そのものよりも、ナオのタスクとプレーが状況を打開しはじめます。ナオは右サイドに入りますけど、普段のサイドアタッカーではなく、ゲームメイカー役を果たします。サイドだけでなく、バイタルエリア中央や中盤、ゴール前など、縦横に移動してビルドアップの基点になります。スタートのシフトでルーカスとアーリアが果たしきれなかった役回りを、ナオ一人で担っていました。ナオ自身のコンディションもあると思いますけど、この頃から磐田の守備網にギャップができるようになってきました。藤田が捉えるには、ナオの行動範囲は広すぎたような気がします。もとより90分間ディシプリンを維持することはとても難しいことです。ちょうど一番しんどい時間帯に、ナオが投入されたのかもしれません。長澤さんも、康裕をぺク・ソンドンに代え、右サイドを活性化しようとします。この時のキーマンはナオだったので、むしろ左サイドを厚くすべきだったかもしれません。

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ポポさんが更に動きます。千真に代えて相太を投入します。ナオによって攻撃のリズムができてきたので、ボールを預ける軸を置いて、その周囲をアタッカー陣に狙わせようという意図でしょう。それがいきなり奏功します。

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後半28分。磐田陣での宏介のスローインを受けたヨネが、田中を背負いながらワンタッチで前方の相太へ。相太はゴール前でビョングクを背負いボールを受けます。体をうまくつかってビョングクを征し、左足でボールを押し出します。角度のないところからマイナスのクロス。この相太のプレーに磐田の選手4人がつられ、ゴール正面にぽっかりスペースができます。そこにいたナオに相太の出したクロスが納まりました。ナオはダイレクトで叩き込みます。東京1-2磐田。

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こうなるともう、スタジアム全体のムードは東京のものです。長澤さんは 大記に代えて脩斗を投入します。守備の強化というより、東京のリズムを絶ちたかったのでしょう。その意味では、カードがもう一枚あったのでギュンギュンか松浦を入れてアディショナルタイムを乗り切る策もあったような気がします。

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結局東京に渡ったリズムを変えることはできませんでした。そして劇的な同点ゴールが生まれます。

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後半アディショナルタイム。磐田陣深くの左サイドでナオが上げたクロスがゴール前で相太に合いますけど、ヘッドは大きなロブになりゴールライン際に落ちます。そこに宏介がいました。宏介は落ちたところをダイレクトでゴール正面に折り返します。そこに忠成がいました。東京2-2磐田。

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もう少し時間があったらすでに手負いの磐田を仕留められたような気がします。東京はあきらめることなくさらに猛攻をかけますけど、このままタイムアップ。東京2-2磐田。

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対極的な両チームの意図がぶつかり合う90分は、とても内容の濃い試合でした。サマライズすると、東京の攻撃力を磐田が耐えきるには90分はギリギリ長過ぎたということですね。まったくサッカーとはよくできたスポーツだと思います。

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最近のスターターの充実を見ると、オプションメンバーとの差の拡がりを懸念していました。だけど今日は、オプションメンバーが試合を変え、東京を救ってくれた、素晴らしいサポートを見せてくれました。この引き分けは、シーズンを考えるととても勝ちある結果だと思います。オリジナルの戦い方とはちょっと違うアプローチを仕掛けられるメンバーとその組合せがあるということは、チームに幅を持たせてくれます。

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きょうはひさしぶりにナオが輝いた日でした。ナオがゴールすると味スタの雰囲気が変わります。ナオのスタジアムになるんです。若い頃はサイドの縦勝負一辺倒でしたけど、ヒロミ体制でカットインシュートを覚え、いまゲームメイカーとして進化しようとしているのかもしれません。東京のリズムを代えてくれる選手として、ますます活躍してほしいです。

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シリアスな状況で、しかも十分な稼働時間のあるなかで相太起用はちょっとびっくりしましたし、嬉しかったです。さらに、現在アルチレイロである千真をあっさり下げる判断ですから、忠成を含め、いかに、アタッカー3人のレベルが接近した激しい競争をしているかがわかります。相太は期待通り、軸役として安定したプレーを見せてくれました。2点両方に関わりましたし。3人のなかでは局面のプレーアイディアという面で千真が一歩抜けていますので、当面は忠成とともにオプションだと思いますけど、変わらず準備してほしいです。

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長澤さんとの邂逅はほろ苦くはなく、また甘いものでもなく、いまにして思えばちょうどよかったかもしれません。磐田の監督後任人事がどうなるかわかりませんけど、長澤さんがマネージャとしてのキャリアのステップをひとつ上がったことをお祝いしたいと思います。

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ゴールデンウィークのサッカー祭りはこれにておしまいです。選手は疲れがたまっていると思いますので、しっかりリフレッシュして次節湘南に臨んでほしいと思います。

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