カタリナ が愛して已まなかった、フランス象徴主義の巨匠オディロン・ルドン(1840-1916)。
精神的な危機を経て故郷のボルドーに戻った彼は、その地の画家などからエッチングなどの個人的指導を受け乍ら、専らモノクロームで制作。
木炭デッサンやリトグラフのシリーズを生み出して、文学の前衛たちに賞賛を持って迎えられたという。
彼は、風景画の習作や実物を前に花を描き続け、パステルの肖像画も描いたにも関わらず印象派の画家たちを、“ 対象に寄生する者 ” と酷評、複雑な内面を覗かせている。
子供の頃に暮らしていた家が売られ、モノクロームの作品に付きまとっていた幼い頃の悲痛な思いから解放されてパリに戻った彼は、年下のゴーギャン(1848-1903/フランス/後期印象派・象徴主義)の影響を受けながら、次第に色彩に傾いていったとされる。
その彼の代表的作品のひとつ、「花の中のオフィーリア」。
本作は、彼の好んだ文学的主題、シェイクスピアのオフィーリア。
―― 素晴らしい花輪を戴き溺れ沈んでいく前に川に漂いながら、“ 自分の苦境に気付くことができず古い歌を切れ切れに ” 歌っているオフィーリア ――
を、夢想家の花の詩人として眺めることを思いついたというのだが。(この稿、続く)
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.855
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