桃から生まれたpink太郎

日々感じていることを、少しずつ書いていきたいです。

私をプロデュース♪④

2007年06月04日 | omoi
2年前私は、ALL Americanのballetのvariation コンクールに出場しました。
競争することが嫌い、人と比較することもされることも嫌いな私の挑戦でした。

ご存知のようにballetには型があります。balletのお話の中には、何年も前から脈々と受け継がれている振り付けというものがあります。(この部分で日本の狂言と似ているところがあるかもしれませんね。ただ、balletにはせりふはありませんが)
振り付けに多少のちがいはあるものの、踊りそのものは誰が踊ってもそうかわらないことになります。しかし、踊り手がそこに魂を吹き込み、自分の解釈をくわえることで、踊り手によってその役は全く違う輝きをもつことになります。

コンクールに出場するまでの私は、オーロラ姫をはじめとする、お姫様系(笑)が得意なバレリーナでした。村娘だったにしても、清楚なジゼルのような女の子。
しかし、コンクールで私が挑戦したのはキトリhttp://www2s.biglobe.ne.jp/~dunyan/Bdonkikhot98.htmlでした。

キトリは情熱的ではつらつとした、ちょっぴり気の強い村娘。一途に恋人バジルを思います。今までとは全く違う役どころ。どうしても気の強さが表現できません。確かにキトリのvariationは難しいのですが、技術的な問題ではなく練習すればできるようになるというものではありませんでした。

練習が進むにつれて、バレエ団の友人からは選択ミスだとも言われました。そんなことは、百も承知。私のキトリをどう表現しようか悩みました。
あるとき、先生が「Pink!性格悪そうに踊って!」とおっしゃったのです。そういう言い方が一番分かりやすいと思われたのでしょう。そのとき私は思ったのです。
「キトリって性格悪いの?」
まっすぐで、気が強く、垢抜けしない女の子かもしれない。でもそれは性格が悪いのとは違う。自分に正直なだけ。
なら、この子は私に似てるじゃないか・・まっすぐで、鼻っ柱がつよいところなんてそっくり。・・・・・・ようし、きまった!
一生懸命でまっすぐで、土のにおいはしないけど、どこかかわいらしい・・
左手を腰に当て(そうちょうど日本人が牛乳を飲むときのポーズで手を腰に当てるようにww)腰をちょっとふるように歩く振りのところがあるのですが、腰に手をがっつりあてるのではなく、お腹側にあてる指4本のうち小指だけを少し離してみました。
他3本にくっつけるより、こっちのほうが少し気取った感じの女の子が表現できると思ったからです。・・・・・これが私のキトリ。そしてこのキトリは私でした。
役柄に自分をあわせたのか、自分に役柄を引っ張ってきたのかよくわからないけれど、私は私のキトリをプロデュースできたこと、すごく満足していました。

いくつもの審査のあと、最終審査に残った者しかvariationを踊れません。

なんとか最終に残ることができました。

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2 Comments

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Unknown (dessin)
2007-06-05 11:34:54
おめでとう。最終まで残るなんて素晴らしい。
言葉のないバレエは、その人その人柄を表現するのは容易なことではないのだと。つくづく思いました。
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Unknown (Pink)
2007-06-05 23:32:44
ありがとうございます。それよりお元気でしたか?セリフがないから指先まできをつかって表現しますね。でも楽しい!!
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