音楽にこんがらがって

音楽制作を生業としている加茂啓太郎の日常

ドンカマチック

2008年08月30日 | Weblog
読売ランドのKORGの本社にPCで好きなアンプ、エフェクターのシュミレーション&好きな曲でギターカラオケが出来るというソフトの体験取材でDry as Dustのカトペとお邪魔する。
「これで、この値段!」というので驚く。ほとんどテレビ・ショッピング。

「レイラ」のギター・シュミレーションだけでもイントロ、バッキング、スライドと3種類あってパッと聴きそっくりで驚く。

ショールームでドンカマチック(リズムボックス)の第一号機(1963年)発見(写真)意味不明なデカさ。この鍵盤は何に使うのでしょうか?

「ドン」(ベードラ)「カッ」(スネア、リム多目)にオートマチックを足した造語だそうです。90年代の始め頃まではクリックとは言わず「カマ聴く?」という言い方の方が多かったと思います。

当時で120万したそうです(今なら800万くらいですかね)

テクノロジーの進歩というのはコスト・パフォーマンスの進化でしかないのという事を実感。



アナログで聴いてます

2008年08月27日 | Weblog
24日
東京事変のイベント「Society of the Citizens」を見に、水道橋JCBホール。
ここは初めて来たのですが、良い小屋だと思います。
時々、満員のライブで女子目線で見ようと思ってかがんで見たりするのですが、何にも見えないですよね。それになのに同じ入場料で申し訳ないな思いますが、ここは見たい人は2階、3階のバルコニー席を買えばいいですからね。

転換の間のスクービードゥーのアコースティック・ライブは良いアイディアだと思いました。

林檎ちゃんの声は、古今東西のロック史で考えても、こんな声のボーカリストは居ませんね。
向井君とちょっと相談があり話す。形にしたいものです。

25日
フリペの取材でBaseBallBearの現場マネージャー若干25歳の大久保君にインタビュー。ひょんな出会い(ひょんて何?)が人生変えていきますね。


松尾スズキ作、演出「女教師は2度抱かれた」を見に行く(2回目)
星野源君の「元気君」最高です。9月26日に渋谷B.Y.Gで僕のイベントに出てもらうので是非来て下さい。
発泡酒の全否定は同意見。あれは日本人の舌をダメにしています。
松尾スズキ演じる「何を言っているか40%しか分からない人」にTRDT嬢が激ウケでした。

26日
代官山ユニットで相対性理論、LEO今井、Group_Inouのライブ。
LEO今井の「PLUSE」という曲は僕の昇天ソング・ベスト3に入ります。(1位はフレイミング・リップスのレース・フォー・プライズ)
未聴の人は函館で生きたイカ刺しを食べないままで死ぬというくらいの損はしてると思います。

最近レコ屋に行くと180Gヴァージン・ヴァイナルのリリースが増えていると思うのですが、どうなんでしょうか。
最近MP3で嫌がおうにも音楽を聴かざるを得ないせいなのか、アナログの音が新鮮に聞こえます。
物にもよりますが、アナログの方が音楽として良く聴こえると感じることが多々あります。

U2の「WAR」もリマスターCDよりアナログの方が良かったです。
REZZILOSのアナログ再発は先週、札幌のレコ屋で見つけて狂喜。オリジナルなら2万くらいするんじゃないでしょうか。
名匠ボブ・クリアマウンテンの数少ないプロデューサー名義の名盤。
僕の人生3番目に感動したライブは、このバンド(厳密は少し違うのですが書くと長い割りにつまらないので省略)の94年の来日公演です。

ルイス・フューレーは、こんな官能的で退廃的な音楽は、溝を針がなでて音を奏でるというエロティークなプロセスが似合います。

ミーターズのニューオリンズ・ファンクは暑さで溶けかかったバターみたいです。

XTCの「The Mayer of the Simpleton」は「一発で元気になる曲ベスト3」に入るのですが初めてアナログで聴いて「効き」がアップしました。





























松尾スズキと若松孝二に

2008年08月24日 | Weblog
松尾スズキ作、演出の舞台「女教師は2度抱かれた」を見に行く。
何度も書きますが僕は大人計画は93年から追っかけです。

3時間半くらい。市川染五郎には歌舞伎を一切やらせず、阿部サダヲに歌舞伎役者をやらせるという皮肉な設定。ネタバレになるのでこれ以上は書きませんが。
大竹しのぶはヤバイです。市川実和子ちゃんも良かったです。

いつも大人計画のファンより染五郎ファンなのかコンサバな30代女性が8割という客層だったんですが、かなりエロなシーンも多く、その度にお茶の間のテレビでエロなシーンが流れるとお父さんが急に新聞読んだり、お母さんが洗い物しだしたりするようなオーラが流れて面白かったです。
でも最高だ、もう一回行きたいと思います。


「トーベン祭り」で下北沢440.出演は湯川トーベンさんに、潮音ちゃん、佐野史郎さん、おおはた雄一さん、イノトモさん、今野英明君、栗コーダーカルテットの栗原さん
一人づつ交代ではなく、後からセッションで入ってきたメンバーが残ってバトンタッチしていくスタイル。転換の間がだれなくていいです(その代わりトイレに行きにくいですが)
打ち上げで佐野史郎さんと初期ウルトラボックス!(ボーカルがジョン・フォックス時代)のファンと聞いていたので、
僕もかなりのファン(高校の時に感動のあまりイギリスのアイランド・レコードにファンレター送ったらセカンド・アルバムとバッチとポスターを送ってくれました)なので、話かけてみる。
「彼らの話が出来る人は初めて会った」と言われました。
「彼らのサードを聞いて細野晴臣さんはYMOの出来上がっていたベースパートを差し替えたんですよ」というエピソードには喜んでいただけました。
来月のボーカルのジョン・フォックスの来日公演、行く事にしました。


複数の知り合いから「これは大傑作だから見たほうが良い」と言われ、若松孝二監督、映画「実録 連合赤軍」を見に行く。
浅間山荘事件は当時、小学校のテレビも授業そっちのけでつけっぱなしでした。
家では父親に「赤軍派にはなるなよ」と言われて意味分かんなかったです。
3時間10分。これはすごい映画です。
正義のためにと思っている人が狂って道を外れていく様が客観的に、でも凄まじく描かれています。

女子に自分の顔が変わるほど自分で自分を殴って「総括」しろって、もう狂気です。

でも犯人のほとんどが20代前半なんですよね。
今なら、夏フェスとかでフツウに盛り上がってる若者と同じくらいですよ。想像も出来ないです。浅間山荘には16歳!の活動家もいたのは初めて知りました。その彼が最後にきれて叫ぶシーンは胸に詰まります。

ジム・オルークのOSTも日本人以上に当時の日本の「感じ」を捕まえてます。

でも、そんな極限状態の中ににも男女関係が起きちゃうのも性ですね。

パンフレットに若松監督のサインいただきました。家宝にします。






















少し自慢です

2008年08月23日 | Weblog
ポップ・カルチャー&エディターの第一人者、川勝正幸さんの著作「21世紀のポップ中毒者」が発売になります。
ここに僕が川勝さんと下井草さんが主催している「POP寄席」に僕がお邪魔し、対談した物が掲載されています。
僕なんかでいいんでしょうか。また売名行為であの世で罰を受けるかもしれません。
僕のようにオリンピックに何の感慨も受けず、昨日、うちの会社のあるエレベーターから井口昇監督(片腕マシンガール、最高!!)が何故か出てきて、興奮してどう声をかけていいか分からず、キョドっているうちに通り過ぎて残念、なんていう気持ちに共感してくれる人は是非お買い求め下さい。

ライジング・サン!

2008年08月22日 | Weblog
北海道にライジング・サン・ロック・フェスを見に行く。

第1回と2回はナンバーガールで、後、氣志團と向井君で来たので10回中、4回は来ました。

凛として時雨、VOLA&THE ORIENTAL MACHINE,椎名林檎、ZAZEN BOYS、ゆらゆら帝国、そして再結成サニーデイ・サービスが、この日のメニュー。
その間、飲んで食って話して、寝て。
椎名林檎は弦のカルテットと本人のピアノ。これは芸術でした。
サニーデイは10年前と今がつながってフラッシュバック。
曲は変わらなくても時代が変わり自分が変わると、音楽の聞こえ方が変わります。

僕のかなわぬ夢は、死ぬまで27歳で、年収300万で下北沢に住んでいる事なんですが、そんな事をサニーデイを聴いている時にはかなうのかなと思う。

飛行機が取れずに2泊札幌。

映画1日3本
「ぽにょ」は、子供にいきなり水道水に入れられて即死する海水魚と、子供に名前で親を呼ばせる親が増えますね。

「スカイ・クロラ」は軍用機フェチだった10代前半に戻りました。
主人公の乗るのは日本海軍の震電だしティーチャーの乗るのはフォッケウルフFW152、双発のはハインケルHW177。
巨大無尾翼爆撃機はベル社製(型番忘れました)をカスタムしてますね。
爆撃機が墜落するシーンは軍用機マニアはたまらないと思います。

「アクロス・ザ・ユニバース」はファンタジー・ラブ・ストリーみたいな宣伝されてますが、団塊の世代向けてのノスタルジー・ムービーだと思います。
「フォレスト・ガンプ」にビートルズの曲のミュージカル・シーンを足したみたいな感じです。
70年の設定でベードラは前の皮がちゃんと張ってあるのは良いですが
64年のキャバーン・クラブで黒のプレッション・ベースは、ちょっと違いますよね。
どうせなら徹底してくれないと気が散ります。













デモ・レコーディング

2008年08月22日 | Weblog
長野の高校3年生、倉品翔君のデモのレコーディングでサウンド・クルー・スタジオ。
プロデュースは彼を3年前に紹介してくれた湯川トーベンさん。バックはART-SCHOOLの櫻井君、戸高君、宇野君。

ベーアンは最初、アンペグの小さい奴だったんですが、ロウが無いというのでマーシャルのベーアンに変更。

ヘッドはアンペグかギャリアン、ボトムはアンペグの10インチ・スピーカー8発。プリはアバロンというのが最近定番のセッテイングですが、トーベンさん曰く
マーシャルのベーアンが良いとの事。

トーベンさんが初めてのレコーディングで「風街の細野さんみたいな音にしてくれ」とエンジニアに聞いたところ「じゃあベーアンはマーシャルだね、細野さんと同じ」と言われたそうです。真異のほどはどうなんでしょうか。

でも良い音でした。

良い感じで1曲。

倉品君はこれから受験に専念です。
入学したらまた色々やりましょう。



セーラー服とマシンガール

2008年08月15日 | Weblog
12日
ZAZAN BOYSのライブを見に渋谷AX.
前半のストイックなビートに絡む、80’sなシンセに、マニュアルの打ち込み、シュールな歌詞の新曲でトランス。
そして後半「Riff Man」のカッコ良すぎて失神しそうになる。

柔道2段松下敦はダイエットに成功したからかどうかは分からないですが、リズムの切れ、破壊力、カタルシスは倍増でした。

ニューアルバムは9月17日発売です。これはレジ直行で。

打ち上げで宮藤さんと話す。
新作映画はレコード会社の新人発掘部門が舞台です。
某名曲のカバーのエンディング・テーマも著作権者のOK出たそうです。
生きてく楽しみが増えました。

13日
仙台にスピッツのイベントで呼んでもらった湯川潮音のライブを見に行く。
こういうアウェイでやるのに彼女のMCは最高でした。
「キンチョール」の一言で持って行きました。
スピッツも、その昔、契約のアプローチをしたんですよね(こんな売れるとは思わなかったですが)

14日
某アーティストとスタッフでこりもせず裁判の傍聴に行く。
でもお盆の時期は裁判官、検事、弁護士みんな夏休みなんですかね。
公判も少ないし、さらに夏休みの小学生の団体とかも傍聴にいて、定員オーバー入れなかったりしてダメですね。
「時給750円と言ったのに550円しかくれないから殺した」という殺人容疑者。そんな200円の差で殺されたくないです。


元大人計画、井口昇監督の映画「片腕マシンガール」を見に行く。
彼が作演出した舞台「紅い給食」というのはタイムマシーンがあればもう一回見たいものベスト10(1位はU2、84年渋谷公会堂ライブ)に入ります。

どんなに良く出来たCGで大宮殿が一瞬で崩壊しても、この血まみれのロウテクのカタルシスにはかないません。インディー・ジョーンズの新作の10倍は脳が刺激で。

「なにもここまで」とフライヤーのコピーにありますが、その通りです。

ただエンディング・テーマはミドリでやったら最高だと思います。続編があるなら是非。


























さようなら

2008年08月13日 | Weblog
僕がやっているポッドキャスト「出来れば部室で暮らしたい」が更新されました。
番組の収録時には最終回というのが分かっていなかったので、ヨコノリと沼田君が最後みたいになってますが、自分も最終回でした。
58回もやったんですね。
自分の人生で最初で最後のレギュラー番組なんで感慨深いです。
ヨコノリのダイエット成功しなかったら番組降板とか、後半はほぼバラエティーみたいになってました。
最後なので未聴の方は、これも何かの縁だと思って聞いてやってください。

自分露出情報

2008年08月12日 | Weblog
雑誌マーキーに、僕のインタビュー(なんとカラーページ、写真有り)が出ています。
テーマは日本の新感覚派のロックについてとか、そんな感じです。
いつもは、そんなに深く考えているわけではなく「面白いから面白い」みたいな感じだけなんですけどね。
BBB関根史織のプログレ・ページも今回は比較的分かりやすいのであわせてお読みいただければと思います。

アツハナツイ

2008年08月11日 | Weblog
ミュージシャンになろうなんてハイリスク・ロウリターンな人生を選ぶ若者は、奈良時代なら遣唐使になるみたいなもんだと、高学歴な20才のバンドを見て思うけど、そういう無謀な若者が世の中を切り開くわけですね。

プロツールズ以降のミックスは、やっておいてもらって、まとめチェックなんて事が出来るようになったんですが、それ以前はミックスが出来るまで4~6時間スタジオのロビーで待ってたわけです。20~30代のディレクター時代の、その時間を返して欲しいです。
でもかなり良いです。
いい感じになった音源を家で聞きながらビール飲むのは、この仕事してて良かったと思う時ですね(まさに今)

お台場に10代アーティスト限定のオーディション「閃光ライオット」を見に行く。
個人的には高校1年の長野NAMPA-BOYSというのが良かったです。完成度より可能性で新人は見ないと。

抜けて「インディー・ジョーンズ」の新作をシネコンで見る。

お約束は
1、主人公は偶然、事件に巻き込まれる
2、捕まるが、知恵を働かせ逃げる
3、どんなに打たれて1発の玉も当たらない
4、自分からは敵を殺さない(自滅に追い込む)
5、味方or身内が死ぬ(コレはない場合もあり)
6、欲に目がくらんだ奴が死ぬ
7、建物が壊れ始めぎりぎりで逃げ出せたとたんに建物が崩壊する。

これを壊せる脚本家は革命起こせますよ。

戻ってBaseBallBearのライブ。不覚にも「17才」のイントロで鳥肌が立ちました。
時空がねじれて彼が10代でここに出たら、どうなったんですかね。
意味不明な妄想、暑さのせいか?

こういう音楽資料本(写真)は、つい買っちゃます。
当時の洋楽の適当さは高田純次ばりですよ、74年から84年の間なら洋楽ディレクターやりたいです。
僕のかっての上司は洋楽時代にブライアン・フェリーのアルバムの邦題「ミスター・ダンディー」とつけて本人が激怒りしたそうです。

ジュリアン・コープ(亀ジャケ・アルバム最高)の日本のロック研究本は詳しすぎ。
新しい視点で裸のラリーズのライブ(ギター、山口富士夫)が聞けます。
彼にはナイロン100%の本を英訳して読んで欲しいです。
















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