フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

漢詩を書き写す LE POEME CHINOIS FAIT EN 744

2006-03-11 17:15:13 | 俳句、詩

月下独酌  李白 (744年)

窮愁千万端  窮愁 千万端
美酒三百杯  美酒 三百杯
愁多酒雖少  愁い多くして酒少なしと雖も
酒傾愁不来  酒傾ければ愁い来たらず
所以知酒聖  酒の聖なるを知る所以なり
酒酣心自開  酒酣(たけなわ)にして心自ずから開く
辞粟臥首陽  粟(ぞく)を辞して首陽に臥し
屡空飢顔回  屡しば空しくして顔回飢(う)う
当代不楽飲  当代 飲を楽しまずして
虚名安用哉  虚名 安(いずく)んぞ用いんや
蟹螯即金液  蟹螯(かいごう)は即ち金液
糟丘是蓬莱  糟丘(そうきゅう)は是れ蓬莱
且須飲美酒  且(しばら)く須(すべか)らく美酒を飲み
乗月酔高台  月に乗じて高台に酔うべし

李白が朝廷から追放された後に歌ったと言われる詩。
大体の意味は次にようになる。最初の六句は、どんな悲愁困難があろうとも美酒を(三百杯!)飲むと心を晴らしてくれる。次の四句では、この世の名声などお酒を楽しまずして何の役に立つのだろうか。そして最後の四句では、美味しい肴で月の下、高台で飲もう、というもの。抑え抑えて呑んでいる自らの姿を重ねてみると、何と大らかな呑みっぷりだろうか。彼の苦しみも理解できるが、羨ましい限りである。

初めて漢詩なるものを書き写してみて、何かフランス語を始めた時に感じた、読み方と言いその意味と言い、分かりたいのだが分かるようで分からない、頭の中の配線をつなげたいのだがばらばらでつながらない、というあのもどかしさが蘇ってきた。

コメント
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