パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

文学賞公開審査会

2024年03月03日 | おでかけ
3月3日(日)晴れ


町田康氏見たさに、地元新聞社主催の文学賞公開審査会へ行く。
と言って、町田康氏の本は一冊も読んだ事ないのだが・・・
ミーハーとは言え、ちゃんと事前に候補作小説3編、詩3部は読む。
ワタクシなりの感想やら批評やらを少々携えて挑む(・・・)
審査委員諸氏が登壇され、町田康氏が思ったよりおじいさんだった事に衝撃を受ける。
ワタクシのイメージは、ロッカーで、破天荒で、長髪。
しかし、頭髪は薄く、サングラスはかけておられるが、ファンキーでもロックでもない好々爺に近いイメージの登場で、ワタクシ少々拍子抜け。
いや、お前は俺の本一冊も読んでないくせに俺の何を知っとるんだと町田氏から蹴られても文句は言いません。
慌てて手元の資料を見ると、おんとし62歳。ワタクシに二つ上なのね。
62歳はもうおじいさんだし、60歳はもうおばあさんなのよねと遠い目になりかけるも・・・

まず、審査員の青来有一氏、町田康氏、三角みず紀氏が作品の批評をしていく。
3作品の批評が終わったら、お一人ずつ◎○△を付ける。
評価が割れると、さらに推すポイントを語っていただくという流れ。
これが最高に面白かった。
自分の感想と同じ事を言われると嬉しくなるし、気づかなかった点を言われると「ほほぉ、そう読むのか」と感激する。
評価が分かれて町田氏だけ強く推す「母校をみんなで燃やすかい」の、青来氏と町田氏のバトルが最高。
青来氏が、燃やすと言えば三島の「金閣寺」だが、この作品は後半のみが金閣寺で前半は青春ユーモア小説。
このままの流れで行けばよかったのにと言うと町田氏が反論。
これは破綻した人間が書いているのだと。
西村賢太氏の文体の話も、以前何かを読んだ時に一人称が「ボク」だったことに衝撃を受けた事を思い出して、うんうんうなづいた。
「バカボンのママが一番狂っている」と言うたとえも、ワタクシはもう楽しくてゲラゲラ笑う。
隣のお姉さんが戸惑ったかもしれぬ。
ちなみに客層はおじいさんとおばあさんとおばさん率が高く、若者(40代以下←田舎的分類法)は数えるほどだった。
失礼ながら、芥川賞作家青来氏の本も一個も読んだ事ないワタクシ・・・
まぢ勉強不足です。
が、青来氏が言うまともなご意見や感想にワタクシは近く、ゆえに町田氏の叫びのような意見がものすごく新鮮で、無い物ねだり的にこういう人を好きになるのよあたしゃ、と惚れ惚れしながらうっとりしながら町田氏を見つめるのであった。
揉めに揉めて、町田氏が渋々折れる形で大賞が決まる。
またここで面白いのが、大賞「わたしをこわさないで」は、審査員みな、作者を男性だと思っていた。
男性が、女子高生の「わたし」を書いていると思っていた。
ワタクシもそう思っていた。お名前の感じからして。
批評の中に「セーラー服を着たおっさん」が見える時があるとか、すね毛が見えるとか、紀貫之の文体よろしく「かな」を増やしたりすればよかったとか・・・
最後の最後に、進行役の方が「作者は女性だそうです」
また、この後、青来氏VS町田氏のジェンダー論争があったりして、いちいち面白かった。
町田氏が、小さん師匠と談志の話を持ち出したりしたのだが、いかんせん知識の浅いワタクシ、そのエピソードを知らず、いま検索かけてみるが引っかからず。
無念である。
でもとにかく楽しかったからよしとする。
と、大満足の審査会であった。
ちょっとしたハプニングがあったので、この事はまた後日書くとして...

大興奮のまま、迎えに来てくれた夫に車の中で熱く語るも暖簾に腕押し感。
つまらん。
帰宅してから娘にラインして町田康氏のオススメ本を聞くと「いいなあ、なんか町田康と鹿児島って合う」
そして、「告白」とか「パンク侍、斬られて候」「屈辱ポンチ」などを勧めてくれた。
早速図書館に予約しようと思って検索かけたら「入門山頭火」というのもあったので予約してみた。
山頭火も町田康も、まだ何にも知らんけど、今、ここで繋がった気がしてなんか嬉しい。

今日の一枚は・・・
我が家のお雛様。
小さいながら三人官女も五人囃子も御坐す。
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