転生者・十六夜咲夜は静かに暮らしたい。
東方の十六夜咲夜に転生憑依する話しです。
典型的な勘違い系のSSでありオレTueee!の要素がないのが好感が持てます。
キャラとのやり取りもほのぼの系であるのもまた。良し。
現在も連載中で50話を超えており、今後にも期待。
1話1話は短めでも、電車の中など移動中に読むのに最適なボリュームだと思います。
ぜひ、見てください。
色とりどりな弾幕がホールを埋め尽くし、それらは私のもとに高速で迫ってくる。
私はそれらを時間を止めることで回避し、お返しにナイフを投擲する。
腋を出すという特徴的な巫女服を着た少女――「博麗霊夢」はナイフ群をグレイズしつつ回避する。
端から見れば互角の戦いを繰り広げているように見えるだろうが、そんなことはない。
(死ぬ死ぬ死んじゃう!掠った!掠ったよ今!もうやだ!お家帰るううう!)
スペルカードルール上、当たり所が悪くない限り死ぬことはないのだが、
そう分かっていても弾幕が自分に押し寄せてくる光景というのはかなり恐怖心を感じるのだ。
パニックになりつつも霊夢の弾幕を避け続ける。
内心が取り乱しているというのに動きが鈍くならないのは相変わらず私の心境を考慮しないマイボディのおかげである。
きっと外面は冷静な表情、もしかしたら余裕の微笑すら浮かべているかもしれない。
実際はそんな余裕ないから!心の中では涙目になってるから!
なんとか弾幕を避けきると、霊夢が若干イラついたような表情で話しかけてきた。
「余裕ね。笑みなんか浮かべちゃって。そんなに私の弾幕は避けやすいかしら?」
「そうね。まるで時間が止まっているのかと思うほど遅い弾幕だったわ」
なに言ってんだマイマウスううううううう!!!!????
実際に時間を止めて避けてるやつの台詞じゃねえだろおおおお!
というかやっぱり笑ってました!?違うの!そんな余裕ないの!
だからその懐から取り出したスぺカをしまってえええええ!!