二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

(短編)Fate/Zero hollow ataraxia~衛宮家のすごしかた(朝編)  おまけ

2012-06-27 22:39:37 | 習作SS

「おのれ、エミヤキリツグ。
 外来の魔術師の分際で・・・奥方に近づきすぎではありませんか!!」

居間より離れの一室。
水晶の魔術で居間の様子をうかがっていた一人のメイドが、
和気あいあい(?)と居間で朝食の時間を過ごす者とは逆に恨み骨頂、あるいは姑的感情を出していた。

なお、服装は相変わらず頭巾を被り、所詮萌えメイドのようなミニスカでなく足首まで届くロングスカート。
等と正統派メイドの威厳と厳格さを保っており、見ている人に威圧感を与えるような姿であった。

「セラ あさから うるさい。」

朝から騒ぐ相棒に辟易したのかリーゼリットがたしなめる。

「リーゼリット、貴方はメイドとしての自覚が足りません!!」

今日と言う今日はこののんびり屋に、
誇り高きアインツベルンに使える使用人としての心構えを説かねばならない。
そうと決まれば今すぐにでも説こう、とセラは決める。

「いいですか、まず我らアインツベルンの歴史は千年にわたり―――・・・・・・何をしているのですか貴女たちは!!?」

「・・・んぐんぐ なにって 朝食。
 マイヤが買って来てくれたから 食べているのだけど?」

口いっぱいにドーナツを頬張りながら状況を説明するリーゼリット。
そして、セラが知らぬ内に部屋に入っていた久弥舞夜に指を指す。
まぁいいや・・・ではなく、舞夜も黙々と買ってきたドーナツをもきゅもきゅと食べていた。

「なるほど、朝食ですか。ホムンクルスと言えども食事による補給は必要です。
 ゆえに一日の仕事をなすためには仕方がないととしましょう、で・す・が。何ですか!?メイド服はどうしたのですか!!!?」

「ほえ?」

セラに指をさされたリーゼリットの服装は使える主が魔法少女となって活躍する時空使用であり。
ようは、古風なメイド服などではなく一般的な服装をしていた。

「それについては、マダムがそうするように先ほど指示しましたが、何か?」

「そんな、私は聞いていません!!!」

口に物を入れたままで話せないリーゼリットの代わりに舞夜が答える。

「ああ、まったく。奥方様は貴族の淑女として、
 アインツベルンの誇りある魔術師としての慎みが足りません。
 最近あちこち遠坂の者と遊びに行くなど元気なのは大変よろしいのですが、なぜこうも―――」


ぐぅう


「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

腹の蟲、否。
腹の虫がセラのお腹から鳴り舞夜とりーゼリットが注目する。

「え、ええと、これは。その。そうです!セイバーです!
 何時もお腹をへらして食っては寝て食っては寝ているサーヴァントのです!!」

セイバー=食っちゃ寝の公式図は脇枠キャラ達にも知られている事実であった。
より正確に描くと、『セラ、何かありますか?』あるいは『マイヤ、お茶受けを用意してください』等と。
可愛らしい騎士王は衛宮士郎が居ない時間帯、事あるごとに食事を彼女らに注文していたからだ。

「セラ おなか すいたんだね」
「ご安心を、貴女の分も用意してあります」

顔を赤らめ、誤魔化そうとするセラを2人は優しい眼で見る。

「違います!!だから貴女たち誤解です!!!
 メイドたるものこのようなはしたない事などいたしません!!」

白い肌だけでなく耳まで真っ赤にしてなおもセラは抗弁する。


ぐきゅうぅぅぅ・・・


「セラ まいやが買ってきた ドーナツ おいしいよ?」
「コーヒもどうぞ、ドリップ式なのでインスタントよりはお口に会うと思います」

二度目の腹虫が鳴ると同時にリーゼリットがドーナツを出し、
舞夜が持ちこんだポットからドリップ式コーヒーパックにお湯を注ぎ、コーヒーの香りが部屋に満ちる。

「・・・・・・いただきます!!」

さすがのセラも空腹には勝てなかったようで、とうとう降参した。
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(短編)Fate/Zero hollow ataraxia~衛宮家のすごしかた(朝編)修正完結版

2012-06-23 13:48:36 | 習作SS
視点:衛宮士郎


衛宮家の朝は早い。
それはこの家の方針として三食をしっかり食べるため準備を行う必要があるからだ。
なお、衛宮家は朝に強い方でアカイアクマの一家のように朝に弱いという要素はない。

ちなみに遠坂がどれ程朝に弱いかと言えば。
後ろにいる可愛い騎士王のような状態のことを指す。

「シロウ・・・・・・おはよう、ございます・・・・・・」

どんより濁った翡翠の目、
おぼつかない足元、髪は纏めておらずボサボサで。何時ものセイバーなら信じられない姿である。
騎士王としての威厳はなく、まるで寝起きの遠坂のように、無防備であった。

「おはよう、セイバー。もう少しで朝飯だぞ」

俺はホウレンソウを茹でながらしながら挨拶をする。
しかし返答のないまま、背後による気配を感じ取ると同時に俺の背中にもたれるセイバー。
昨晩味わったやわらかい感触が背中に当てられ気持ちいい・・・・・・じゃなくて!

「シロウ・・・朝食はまだですか・・・・・・?」

「せい、セイバー!?あの、今火を使っているのですけど!」

箸で掴んだホウレンソウを幾多束か落としてしまう。
再利用するわけにはいかないが、これくらい許容範囲内だ。
落ち着け衛宮士郎、昨晩セイバーとあんな事やこんな事をしたとはいえ、
心身滅却、無我の極致に至ればこの程度の攻撃など・・・

「シロウ・・・シロウからいいニオイがします・・・」

しかし、敵は強大であった。
セイバーはそのまま俺の腰に手を回し抱きしめた上で、顔を背中に埋めて大きく息をつく。
非常にこそばゆい上に昨晩の情事をいやでも思い起こさせてしまい、顔が赤くなるのが自分でも分る。

「あの、セイバーさん服は?」

セイバーの生足の感触を意識しつつ俺は追及する。
もしもこの家にセイバーと2人っきりならばびぃえる時空とも縁がない健全な青少年として喜ぶが、セイバー今は人がいるんですけどっ・・・!!?

「シロウのYシャツですが何か?」

こっちの願いなど一切無視して甘えた声で俺に答えるセイバー。
裸Yシャツという全国の男子諸君が夢見てやまない夢の内容に息子がブロークンファンタズムしそうになる。
近頃のセイバーは2人っきりになると、こうして無意識に誘惑してきてなかなか・・・・・・いや、だからセイバーさんマジまずいって。

「セイバー、朝食は直ぐにできるから着替えて来てくれ」

横と後ろから突き刺さる視線を意識しつつ鉄の心でこの場からセイバーを追い出す算段をする。

「イヤです、シロウの意地悪。ずっとここにいたいです」

背中で頬ずりしながら、えらく甘えた声でのたもうてくれました・・・・・・頭と息子に血が昇ってゆくのが分る。
ところで桜さん、台拭きをを絞るのもいいのですけど何故に千切れているのでしょうか?
ついでに、何故に影が動くのでしょうか・・・正直怖いのですが。

「ふふふ、今日はシロウと2人っきり・・・ふふふふ」

すまん、セイバー。
その予定は今日でなく明日だったのだ。
俺は覚悟を決めてキンキンに冷えた麦茶を黙ってセイバーに渡した。

「んくんくんく・・・・・・ふぅ、おはようございます、シロウ」

豪快に麦茶を飲み終えたセイバーは眼が覚めたようで朝の挨拶を述べる。
そこには先ほどまであった寝起きの遠坂の気配はなくなり、すっかり何時もの凛々しいセイバーに戻った。

「朝食はあと5分で出来るから着替えるといいぞ」

「え、あ、はい。そうですね。
 いくら2人だけとはいえこの姿はさすがにはしたないですね」

2人だけ、をわざわざ強調して少し落ち込むセイバー。
セイバーはどんな姿でも可愛いけど今日のセイバーは色っぽい姿と服相まって凄く可愛い・・・。
いや、なんか桜の方から凄く悪寒がするのですが何なんでしょう・・・選択肢を間違えてDEADENDの予感がヒシヒシと伝わってくる!!

「では、これから着替えてきます」

完全に眼が覚めたらしく背筋を伸ばして居間に向かう。
でもな、セイバー、色んな意味でもう手遅れだからな・・・・・・。

「士郎、もう朝食はできたかな?
 いやあ、今日もみそ汁の香りが美味しそうだね」

「き、切嗣さんそうじゃなくてセイバーちゃん!!セイバーちゃんを見て!!」

爺さんのやや呆けた声。
それと、セイバーの姿を見て暴れ出す藤ねえ。

「セイバー。おはよう、朝から御馳走様」

「もう、セイバーったら私のシロウを誘惑しちゃって。おはよう、セイバー」

「今日は寝起きの姉さんみたいですね、セイバーさん」

そして、養母と義理の姉兼妹の楽しそうな言葉。
顔は『エンターテイメントをありがとう!』とニコニコと笑っている。
最後の桜も顔は笑っているが眼は全然笑っておらず背後の影が蠢いていた・・・!!

「はい、おはようございます、アイリスフィール、
 イリヤスフィール、サクラ、それにキリツグ、タイガ・・・・・・・・・へ?」

セイバーが石化した。
時間停止の魔法でもかかったように停止し、間を置いてセイバーの悲鳴が屋敷に響く。
この後セイバー共々弄られる予感をしつつ俺は、茶碗にご飯をよそい始めた。



   ※    ※    ※    ※



「さっきのセイバー、とても可愛かったわぁ」

食後の緑茶を一杯飲んで、先ほどの後光景に関して感想を述べる養母ことアイリさん。
まるで、恋愛ネタを聞き付けた女子高生のように興味津々といった感じであり、向日葵のような笑顔が今日は辛い。

「お母様、セイバーだけずるい。シロウは私の物なのに」

イリヤが駄々をこねるようにアイリさんに訴える。
時々令呪を宿している手をチラチラ見ていることからどうやらここは人形エンドであると悟ざるを得ないようだ。

「ええ、セイバーさんも寝ぼける時もあるんですね。ええ、寝ぼける時も」

微笑む後輩こと桜様。
表情こそ微笑んでいるが瞳には炎を映している。
ところで何故桜の影が俺に近づいているのですか?

「・・・・・・・・・・・・」

じいさんはどうかと言えば、
相変わらずセイバーはいない者として扱っているらしくそもそも視線すら合わせていなかった。

「セイバーちゃんとの交際については親公認とはいえ、
 教師として言いたいことがあるから後で道場に来てくれないかしら士郎。」

脇に置いてある竹刀を弄りつつ呟く藤ねえ、俺もうタイガー道場送りっすっか。

「タイガの言うとおりね、セイバーはサーヴァントのクセに気が緩みすぎよ」

頬を膨らませて怒るイリヤの姿は非常に愛らしいが、
あとひと押しすれば「やっちゃえ!バーサーカー!」である。

「いいじゃないかそのくらい。ほら、聖杯戦争もないしセイバーは暇な時よく寝ているし・・・」

耳まで真っ赤にして俯いているセイバーの代わりに弁護する。
もっても我ながら裸Yシャツの件を弁護するには無理があり過ぎる気がするが。

「ふぅん、シロウのシャツをわざわざ着るんだ」

「そしてセイバーちゃんは裸なんだ」

「恥ずかしくても大丈夫よシロウ、私もこの前キリツグのシャツを着ていたから」

イリヤ、藤ねえ、若干論点が違うアイリさんの順で痛い所を指摘されてしまった。
しかも、何故か爺さんまで死んだ魚のような視線が鋭くなっているし。
桜の方は髪がイリヤと同じ色になった上で黒に赤い線が入ったワンピースの姿に変身している。
いかん、このままではBADENDどころかDEADENDでタイガー道場送りになってしまう・・・どうすれば、いい?

「あ、ああああああああ!!!ええ、そうですよ!!!認めます!!?
 認めますとも、私はサーヴァントでありながらマスターろふしだらな行為に浸る食っちゃ寝サーヴァントだと!!!」

現実逃避を図っていた時についにセイバーの忍耐力が壊れた。
顔を羞恥心で真っ赤にし、緑色の瞳に涙をためて、獅子の咆哮のごとく叫んだ。

「たしかに、たしかに他の家人がいる中であのような姿をした件は謝罪します。
 ですが、シロウは私の鞘。つまり私とシロウは運命で結ばれた仲ゆえに私とシロウとの絆を侮辱しないでいただきたい!!」

セイバーらしく風紀の乱れについての謝罪。
しかし、その。なんだ。運命の仲はいいすぎじゃないでしょうか・・・!!?
遠坂と並んで小悪魔なイリヤに無自覚な悪魔(アイリ)を誘い出す以外の結果が見えない!!

「まあ、そうなの!!じゃあシロウと結婚しましょうセイバー!」

「え・・・・・・な、ななななな結婚!!?
 アイリスフィール!!戯言はほどほどにしていただきたい!!!!」

「え、ええええええええええ!!!!
 駄目!駄目ですアイリさん!!教師として見逃せません――――!!!」

向日葵の笑顔を更に輝かせたアイリさんが渡り船だとばかりに言う。
対してセイバーは狼狽し唯でさえ赤い顔を更に赤く染められ、虎は咆哮する。
うう、俺も自分で顔が赤くなるのが分ってしまう。

「でも、結婚としたら式は何処で挙げるの?もしかしてあの教会で?」

「言っておくけど、父さんは反対だよ」

更に火に油を注ぎニヤニヤと笑う白い小悪魔。
そして、教会という単語に俺と同じ人物を思い出したらしい爺さんが即座に反応する。

そうだな、たしかにあの言峰は表向きは遠坂曰く、真面目な神父らしいがやはりアイツに祝福されるのは抵抗がある。
セイバーのウェンディングドレスは前にキャスターが着せたリリィスタイルとかいうので見たし、ここは和服もいいかもしれない。

む、だとしたら仏教式で柳洞寺で挙式するのか?いや、待て。遠坂の伝手で遠坂神社で神道式というのもいいかもしれない。
でも、最近できた「冬木ハイアットホテルⅡ」のケーキバイキングは結構有名らしいし、そこでするのも・・・って!!?

「先輩、学園では学生結婚は認められていませんよ」

現実に引き返すきっかけとなったのは、濃厚な殺意と邪気のない声音。
毎度騒がしい朝食の時間は時間停止の魔法でもかかったように静かに静まる。

「クスクスクス」

そんな中でただ一人。
桜は矛盾する両者を俺に向けてクスクスごーごーと微笑んでいらっしゃった。
・・・・・・うわぁい、今年はヤンデレキャラが豊富だなぁ。


その後の事はよく覚えていない。
気がついたら俺は学校に登校しており、いつもと変わらぬ日常が始まった。



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(短編)Fate/Zero hollow ataraxia~衛宮家のすごしかた(朝編)-2

2012-06-23 01:57:11 | 習作SS
「さっきのセイバー、とても可愛かったわぁ」

食後の緑茶を一杯飲んで、先ほどの後光景に関して感想を述べる養母ことアイリさん。
まるで、恋愛ネタを聞き付けた女子高生のように興味津々といった感じであり、向日葵のような笑顔が今日は辛い。

「お母様、セイバーだけずるい。シロウは私の物なのに」

イリヤが駄々をこねるようにアイリさんに訴える。
時々令呪を宿している手をチラチラ見ていることからどうやらここは人形エンドであると悟ざるを得ないようだ。

「ええ、セイバーさんも寝ぼける時もあるんですね。ええ、寝ぼける時も」

微笑む後輩こと桜様。
表情こそ微笑んでいるが瞳には炎を映している。
ところで何故桜の影が俺に近づいているのですか?

「・・・・・・・・・・・・」

じいさんはどうかと言えば、
相変わらずセイバーはいない者として扱っているらしくそもそも視線すら合わせていなかった。

「もう、セイバーはサーヴァントのクセに気が緩みすぎよ」

頬を膨らませて怒るイリヤの姿は非常に愛らしいが、
あとひと押しすれば「やっちゃえ!バーサーカー!」である。

「いいじゃないかそのくらい。ほら、聖杯戦争もないしセイバーは暇な時よく寝ているし・・・」

耳まで真っ赤にして俯いているセイバーの代わりに弁護する。
もっても我ながら裸Yシャツの件を弁護するには無理があり過ぎる気がするが。

「ふぅん、シロウのシャツをわざわざ着るんだ」

・・・痛い所を指摘されてしまった。
しかも、何故か爺さんまで死んだ魚のような視線が鋭くなっているし。
桜の方は髪がイリヤと同じ色になった上で黒に赤い線が入ったワンピースの姿に変身している。
いかん、このままではBADENDどころかDEADENDでタイガー道場送りになってしまう・・・どうすれば、いい?

「あ、ああああああああ!!!ええ、そうですよ!!!認めます!!?
 認めますとも、私はサーヴァントでありながらマスターろふしだらな行為に浸る食っちゃ寝サーヴァントだと!!!」

現実逃避を図っていた時についにセイバーの忍耐力が壊れた。
顔を羞恥心で真っ赤にし、緑色の瞳に涙をためて、獅子の咆哮のごとく叫んだ。

「たしかに、たしかに他の家人がいる中であのような姿をした件は謝罪します。
 ですが、シロウは私の鞘。つまり私とシロウは運命で結ばれた仲ゆえに私とシロウとの絆を侮辱しないでいただきたい!!」

セイバーらしく風紀の乱れについての謝罪。
しかし、その。なんだ。運命の仲はいいすぎじゃないでしょうか・・・!!?
遠坂と並んで小悪魔なイリヤに無自覚な悪魔(アイリ)を誘い出す以外の結果が見えない!!

「まあ、そうなの!!じゃあシロウと結婚しましょうセイバー!」

「え・・・・・・な、ななななな結婚!!?
 アイリスフィール!!戯言はほどほどにしていただきたい!!!!」

向日葵の笑顔を更に輝かせたアイリさんが渡り船だとばかりに言う。
対してセイバーは狼狽し唯でさえ赤い顔を更に赤く染められる。
うう、俺も自分で顔が赤くなるのが分ってしまう。

「でも、結婚としたら式は何処で挙げるの?もしかしてあの教会で?」

「言っておくけど、父さんは反対だよ」

ニヤニヤと笑う赤い小悪魔。
そして、教会という単語に俺と同じ人物を思い出したらしい爺さんが即座に反応する。

そうだな、たしかにあの言峰は表向きは遠坂曰く、真面目な神父らしいがやはりアイツに祝福されるのは抵抗がある。
セイバーのウェンディングドレスは前にキャスターが着せたリリィスタイルとかいうので見たし、ここは和服もいいかもしれない。

む、だとしたら仏教式で竜洞寺で挙式するのか?いや、待て。遠坂の伝手で遠坂神社で神道式というのもいいかもしれない。
でも、最近できた「冬木ハイアットホテルⅡ」のケーキバイキングは結構有名らしいし、そこでするのも・・・って!!?

「先輩、学園では学生結婚は認められていませんよ」

現実に引き返すきっかけとなったのは、濃厚な殺意と邪気のない声音。
桜は矛盾する両者を俺に向けてクスクスごーごーと微笑んでいらっしゃった。
・・・・・・うわぁい、今年はヤンデレキャラが豊富だなぁ。


その後の事はよく覚えていない。
気がついたら俺は学校に登校しており、いつもと変わらぬ日常が始まった。



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(短編)Fate/Zero hollow ataraxia~衛宮家のすごしかた(朝編)

2012-06-16 21:47:29 | 習作SS
視点:衛宮士郎


衛宮家の朝は早い。
それはこの家の方針として三食をしっかり食べるため準備を行う必要があるからだ。
なお、衛宮家は朝に強い方でアカイアクマの一家のように朝に弱いという要素はない。

ちなみに遠坂がどれ程朝に弱いかと言えば。
後ろにいる可愛い騎士王のような状態のことを指す。

「シロウ・・・・・・おはよう、ございます・・・・・・」

どんより濁った翡翠の目、
おぼつかない足元、髪は纏めておらずボサボサで。何時ものセイバーなら信じられない姿である。
騎士王としての威厳はなく、まるで寝起きの遠坂のように、無防備であった。

「おはよう、セイバー。もう少しで朝飯だぞ」

俺はホウレンソウを茹でながらしながら挨拶をする。
しかし返答のないまま、背後による気配を感じ取ると同時に俺の背中にもたれるセイバー。
昨晩味わったやわらかい感触が背中に当てられ気持ちいい・・・・・・じゃなくて!

「シロウ・・・朝食はまだですか・・・・・・?」

「せい、セイバー!?あの、今火を使っているのですけど!」

箸で掴んだホウレンソウを幾多束か落としてしまう。
再利用するわけにはいかないが、これくらい許容範囲内だ。
落ち着け衛宮士郎、昨晩セイバーとあんな事やこんな事をしたとはいえ、
心身滅却、無我の極致に至ればこの程度の攻撃など・・・

「シロウ・・・シロウからいいニオイがします・・・」

しかし、敵は強大であった。
セイバーはそのまま俺の腰に手を回し抱きしめた上で、顔を背中に埋めて大きく息をつく。
非常にこそばゆい上に昨晩の情事をいやでも思い起こさせてしまい、顔が赤くなるのが自分でも分る。

「あの、セイバーさん服は?」

セイバーの生足の感触を意識しつつ俺は追及する。
もしもこの家にセイバーと2人っきりならばびぃえる時空とも縁がない健全な青少年として喜ぶが、セイバー今は人がいるんですけどっ・・・!!?

「シロウのYシャツですが何か?」

こっちの願いなど一切無視して甘えた声で俺に答えるセイバー。
裸Yシャツという全国の男子諸君が夢見てやまない夢の内容に息子がブロークンファンタズムしそうになる。
近頃のセイバーは2人っきりになると、こうして無意識に誘惑してきてなかなか・・・・・・いや、だからセイバーさんマジまずいって。

「セイバー、朝食は直ぐにできるから着替えて来てくれ」

横と後ろから突き刺さる視線を意識しつつ鉄の心でこの場からセイバーを追い出す算段をする。

「イヤです、シロウの意地悪。ずっとここにいたいです」

背中で頬ずりしながら、えらく甘えた声でのたもうてくれました・・・・・・頭と息子に血が昇ってゆくのが分る。
ところで桜さん、台拭きをを絞るのもいいのですけど何故に千切れているのでしょうか?
ついでに、何故に影が動くのでしょうか・・・正直怖いのですが。

「ふふふ、今日はシロウと2人っきり・・・ふふふふ」

すまん、セイバー。
その予定は今日でなく明日だったのだ。
俺は覚悟を決めてキンキンに冷えた麦茶を黙ってセイバーに渡した。

「んくんくんく・・・・・・ふぅ、おはようございます、シロウ」

豪快に麦茶を飲み終えたセイバーは眼が覚めたようで朝の挨拶を述べる。
そこには先ほどまであった寝起きの遠坂の気配はなくなり、すっかり何時もの凛々しいセイバーに戻った。

「朝食はあと5分で出来るから着替えるといいぞ」

「え、あ、はい。そうですね。
 いくら2人だけとはいえこの姿はさすがにはしたないですね」

2人だけ、をわざわざ強調して少し落ち込むセイバー。
セイバーはどんな姿でも可愛いけど今日のセイバーは色っぽい姿と服相まって凄く可愛い・・・。
いや、なんか桜の方から凄く悪寒がするのですが何なんでしょう・・・選択肢を間違えてDEADENDの予感がヒシヒシと伝わってくる!!

「では、これから着替えてきます」

完全に眼が覚めたらしく背筋を伸ばして居間に向かう。
でもな、セイバー、色んな意味でもう手遅れだからな・・・・・・。

「士郎、もうできたかな?」

切嗣のため息と呆れが混じった声。

「セイバー。おはよう、朝から御馳走様」

「もう、セイバーったら私のシロウを誘惑しちゃって。おはよう、セイバー」

「今日は寝起きの姉さんみたいですね、セイバーさん」

そして、養母と義理の姉兼妹の楽しそうな言葉。
顔は『エンターテイメントをありがとう!』とニコニコと笑っている。
最後の桜も顔は笑っているが眼は全然笑っておらず背後の影が蠢いていた・・・!!

「はい、おはようございます、アイリスフィール、イリヤスフィール、サクラ、それにキリツグ・・・・・・・・・へ?」

セイバーが石化した。
時間停止の魔法でもかかったように停止し、間を置いてセイバーの悲鳴が屋敷に響く。
この後セイバー共々弄られる予感をしつつ俺は、茶碗にご飯をよそい始めた。
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(短編)Fate/Zero hollow ataraxia~アーネンエルベの1日 Part2

2012-06-13 00:32:45 | 習作SS
時間は太陽の日差しが最も強力な時間帯に突入した。
地面のアスファルトは太陽の熱を反射し、潮風があるとはいえ耐えがたい熱気を放出していた。
そして、そんな時間に2人の女性が肩に紙袋を担ぎ、トランクを曳いていたが、喫茶店「アーネンエルベ」につくとそこで立ち止った。

「あら・・・わるくないわ。ここで休みましょう葵さん」

「そうねアイリさん・・・戦利品の確認もしたいし」

雪のように白い肌、長く白い髪をした幻想的な女性、
アイリスフィール・フォン・アインツベルンの提案に、活動的な服装をしているが品の良さは隠せない女性、遠坂葵が同意する。
2人は見た目の良さも加わって一見して、買い物帰りのご婦人方が喫茶店でこれから優雅にティータイムと洒落込むシーンとして第三者から映るだろうが。

「うふふふ、今回も豊作だったわぁ。
 『僕は肋骨が少ない』と『受け止めて、僕のエクス♂カリ棒』の他に新規開拓したものもあるし、楽しみね」

「ええ、私の方も『受けるがいい!!オレの股間のゲイ♂ボルク』に『自慰せよ、槍兵』が手に入ったし楽しみね」

その正体は貴婦人ならぬ貴腐人であり、
真実は年々その規模を増すコミケ、またはコミティアと呼ばれる戦場で確保した戦利品を確認するという非常に残念なものであった。
そして、初恋と言う病を拗らせたあげく肺炎にかかった某幼馴染が聞けば卒倒しそうな単語を述べていた。





「ああ、もう。暑いわねお肌が荒れちゃうじゃないの。
 でも、この時期だからこそ宗一郎様に私の水着姿を披露するいい機会だし・・・今度わくわくざぶーんにこちらから誘おうかしら。」

Zeroの人妻枠の2人が入店した後に今度は運命の夜唯一の人妻キャラであり、
最近はカーニバル・ファンタニズムでも活躍したキャスターが現れた。
彼女もまた先ほどの2人と同じくトランクを牽引し、肩には紙袋を担いでいた。
なお、中身は貴腐人達とは違いセイバーフィギア用の材料、セイバーリリィドレス用の布地と微笑ましいものである。

「一緒にお昼ご飯をあーんして食べたり食べさせてもらったり。
 夜は一緒に散歩して夜の景色を楽しんで、予約した高級ホテルの最上階で宗一郎様と一つになるのよ・・・っ!!!」

健気さと可愛らしさでは運命の夜でトップクラスのヒロイン力を保有するキャスター。
同じ健気なキャラでもボスキャラにネタキャラ街道を驀進するどこぞの後輩キャラと違い妄想の内容もまた可愛いものであった。

「ふふふ、だとしたら今日は英気を養いましょうか。
 マスター、アイスティーをお願いね。後、何時ものAセットを・・・あれ?」

英気を養うべく喫茶店のドアを意気揚々と開けて入店したが店員が誰もいない事にキャスターは訝る。
「アーネンエルベ」は比較的客入りは少ない店とはいえ、今日はいつにもまして怠慢である。
そして奥に座っている見覚えのある2人組から声を掛けられた。





「さて、揃ったわね。では、これから第一回Fate人妻交友会を行いたいと思います!」

ギャグ空間、タイガ-道場的勢いでアイリスフィールが宣言する。
なお、眼鏡に袴、薙刀あるいはブルマは残念ながら装備していない。

「その、あの。人妻交友会の名称はその・・・なんというか、恥ずかしい気が」

「タイガーコロシアムのころからこの小娘は頭がアレね
 まぁ、いいわ。最近の作品とか出番とかを話せばいいんでしょ?」

ノリノリな銀髪人妻とは逆に大声で人妻の名称を叫ばれて恥ずかしがる遠坂葵、
人妻、というよりも女の人生において大先輩なキャスターが冷たい目線を差し向ける。
2人は公式が病気になったせいで確実にネタキャラ化しつつある銀髪の人妻のノリについてゆけないようだ。

「最近、と言っても私が映像化されたのは、
 Fate/Zeroからだからそれ以外の場面はないですね、
 キャスターさんはたしかカーニバル・ファンタニズムに出演しましたよね?」

キャスターの問いに、おずおずと遠坂葵が答える。

「そうねぇ、といってもほんの少しよ。
 ゼロのように派手にドンパチしたわけじゃないけど」

「そんなことないわよ、それはそれで楽しいじゃないの!」

「でも、アレはお馬鹿企画よ」

ギャグとネタを百年間ぐらい煮込んで合体事故のあげく、
オレ公式が病気、今後トモヨロシクみたいなアニメが誇らしいというのか。
と、キャスターはさらに内心で突っこむ。

「そういえば、Zeroはなんというか。
 ステイナイトに比べてどこか暗い感じがしますね」

遠坂葵が思い出したように呟く。

「それは、そうよ。
 だって元々設定が全滅エンドだったし。なによりも、Zeroの脚本家がねー。」

「ええ、そうね・・・」

アイリスフィール、キャスターが重苦しそうに言う。
ゼロがより悲劇的なのは脚本家の作風がバッドエンド製造機、
ウロブチの理、奇跡も魔法もあるけど救いはない。等と異名がつくような奴に任せたからであろう。

「逆に、貴女たちにZeroキャラに聞くけど。正直ステイナイトはどう思っているの?」

「・・・王道的冒険活劇、といった所でしょうか?
 少年少女の出会いに、恋愛展開・・・テンプレ的ですけど逆にそこがいいと思います」

「出会い頭の殺し会い、
 ヒロインがラスボス、殺し愛、憎しみ愛。型月世界の集大成と言った感じかしら?
 でもZeroと違って、マスター陣営の逞しい方の雄っぱい成分が不足しているのが少し残念ね」

「ふーん、そうな・・・ちょっと待ちなさい!!今貴女いったい何をいったの!!?」

残念そうにため息をつきながら不穏極まりない単語をのたもうた、
アイリス腐ィールに対してキャスターはステイナイトキャラを代表して尊厳と名誉を守るべく彼女に問い詰める。

「その点、Zeroはマスター陣営がみんな殿方だから、
 槍先、イスウェイ、雁狂、金神、と幅広いカップリングができるし・・・。
 ライダーのマスターなんてお姉さんを誘っているようにしか見えないし、ああ、もう夢が広がってたまらないわぁ」

「アイリさん、アイリさん。麻婆×ワイン、切言、それに水銀×先生も忘れていますよ」

「魔術礼装による触手プレイ!斬新でとっても素敵ね!!」

「・・・・・・・・・・・・ああ、もうついてゆけないわ」

キャスターの問いかけなど既にアウトオブ眼中だったらしく、
キャスターを残して貴腐人2人は腐った会話をヒートアップしてゆく。

やれ、うちの旦那は受けか攻めか?自分たちの旦那は基本受けだけど鬼畜なワインとか見てみたいよね、
神父に追い詰められて『来いよ、何処までもクレバーに抱いていやる』と開き直ったスナイパーとかないかなー。
魔術先生の4次槍鬼畜調教とかどう?最終的に槍が先生の足の指をなめて永遠の服従を誓ったりとか、いいと思わない?

やっぱりZero最大のカップリングはイスウェイね!!公式がどちらかが性別が違ったらFate2になっていたと明言するくらいだし。
だいたい、何なのあの可愛さは!?23話の馬上で手をもじもじさせる動作とか、涙を浮かべる表情とかあざとく過ぎてて萌え殺されそうだったわ。
さりげなくライダーのマントを握ったり、一緒にアラララライイッッッと叫ぶシーンだけでご飯3杯は行けたよね。

ウェイバー!ウェイバー!ウェイバー!ウェイバーぁぁうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ウェイバーウェイバーぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ウェイバー・ベルベットたんの黒い髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
漫画版のウェイバーたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ放送されて良かったねウェイバーたん!あぁあああああ!かわいい!ウェイバーたん!かわいい!あっああぁああ!

「ファアアアアアアアアアアアアアアクククぅぅぅぅ!!!!!!???
 馬鹿にしやがって馬鹿にしやがって馬鹿にしやがって、これだから日本はキライなんだ!!!!」

「きゃ!!え、何?」

2人だけの世界に旅立ったのをぼんやりと観察していたキャスターは背後からの奇襲に驚く。

「あら、いたのねライダーのマスター」

「ほんと、こんな所で知り合いに会うなんて」

対してアイリスフィール、遠坂葵は冷静そのもので。
街角で偶然知り合いと会ったような態度でウェイバー・ベルベットに応じた。

キャスターは彼女たちから見ると正面にマスターが居たのは承知済みであったと想いに至り。
そして悟る、後半妙に筋肉達磨なサーヴァントのマスターについて特に議論していたのはマスターの反応を見て楽しんでいたのだろうと。

「おいおい、あんまり騒がないでくれないか?
 客入りは悪いとはいえ、曲りなりとも商売をやっている身からすると堪らないからな」

「あ、すみませ・・・あれ?」

店員と思わしき声に遠坂葵が4人を代表して謝罪を述べるが、店員の姿に言葉を止める。
黒い肌、というよりも顔面全体に施された刺青という異様な姿な上に娘の知り合いに似ていたからだ。

「虎聖杯以来ねアンリマユ。まさか、また貴方に会えるなんて」

「おうおう、久方ぶりだな」

衛宮士郎の身を借りて現界した悪魔はニヤリと、オリジナルなら絶対浮かべない笑みを浮かべた。

コメント
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