二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS バルタン星人の奇妙な野望

2016-10-27 23:48:36 | おススメSS

バルタン星人の奇妙な野望

ウルトラマンのバルタン星人とGATEのクロスネタSSです。
種族が滅亡する原因となった事故のせいでウルトラマンがいない宇宙。
すなわち銀座に門が開き、バルタン星人が特撮の悪役として描かれている世界に漂流。

人類が生まれる前から地球に暮らし、
そして生まれてからは人間社会へ溶け込んで密かに暮らしていたが・・・。


『ああ、もう一ついいかな?』

ぎょっとした。
いつの間にか、議場の端に何かがいたのである。
空いていた席に座っていたのは、異形だった。

バルタン星人。

日夜議論されていた問題の一つが、
何にも気づかれず、誰にも気づかれずに足を組んで座っていたのである。

議員たちは騒然となった。
彼らは自分が腰かけていた席から動けないでいた。
バルタン星人のせいではない、彼らの身体自体が固まってしまっているのだ。
喉がからからに乾いていく。
口がうまく動かすことができない。
嫌な汗がふつふつと沸き上がっていく。
 
『緊張しているな、……まあ、無理もない』

そう言ってフォッフォッフォッフォと笑う。
勇気のある控えていた警備員たちが議員を後ろにやり、自分を楯とする。
警棒を構え、対峙する。

バルタンに動きはない。
椅子に座り足を組んだまま、人々の姿を眺めている。
 
『……皆さん随分とお疲れのようだ。
 今日わたしがここに来たのは、そんな君たちの懸念を一つ払拭してあげようと思ってね』

ゆっくりと、バルタン星人が立ち上がる。
警備員たちが身構える。 
 
『国会への召集の日、私も参加させてもらおう。
 そこで私と、君たち地球人との間柄について決着をつけようではないか。政治的に、完全に』

一同は呆然と立ち尽くしている。
不気味な、バルタン星人の笑い声だけが議会の中でこだましている。
バルタン星人の姿が、光を伴って白くなっていく。
そして、彼の姿がそこから消えたのだった。
 
『ああ、言い忘れていたが、サプライズゲストを呼んである。楽しみにしていてくれたまえ』

そう不吉な言い分を残して。





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GATE~続いたネタ38 夢幻会、彼の地にて戦いけり

2016-10-25 23:34:37 | 連載中SS

日本で政治的に左派と呼ばれる人種は絶滅危惧種であった。
60、70年代に活動した人間も高齢化と共に自然消滅しつつあり、
後継者は少なく、掲げるテーマもカビと埃を被り時代と共に忘れ去られるのは必衰と見られた。

一応野党の大半は左派と言われているが、
政治的思想を抜いても立場に見合った知識と責任を放棄した挙句、
身内同士でかつての学生運動時代のごとく内ゲバを繰り広げることに夢中になっていた。

それでもなお保守派を圧迫させる程度の勢力を保てているのは、
メディアの「同志」により「お化粧」を施されたお陰に他ならない。

だが「お化粧」の腕は確かで、
専門家に対し無条件に等しい信頼を抱く日本人の特性も相まって保守派は徐々にその支持を失いつつあった。

だからこそ今が好機だ。

密談を交わす男女の間に声が上がる。
あの軍国主義者が「不幸な事故」で倒れれば、
それをネタに同志たちは保守派を攻めることができる。
無知蒙昧な市民はより思想的に正しい方向へ目覚めるだろう。

しかし、と別の人間が口にする。
仕掛けたのが我々側の人間と知られるのは不味いのでは?
暴力革命の路線は既に放棄して久しく、今更方針を展開するのか?

反動主義者のネットウヨクがここにいるわ!

慎重論を口にした男性を中年女性がヒステリックな声で高らかに非難する。
周囲の人間も男性に対し粘着性を帯びた視線を向ける。

同志諸君。
今は争う時ではない。

反動主義者を総括すべく、
周囲の人間が慎重論を唱えた男性を取り囲んだ時、
中心人物が待ったの声をかける。

慎重論、大変結構。
しかし今は果敢な行動こそが求められている。

そもそも、これは義挙である。
軍国の亡霊は亡霊らしく退治せねばならない。
ゆえに我々は断固たる態度を持ってこの義挙を成功させねばならない。

この演説に周囲から割れんばかりの拍手が沸き上がる。

しかし手段はあるのか?
そんな質問が出るが男は余裕を以て答える。

何、私には頼れる同志がいる。
必要な物は揃えることを約束しよう。
無論、国家の犬どもに露見しない伝手がある。

おお、とどよめきの声が上がる。

具体的な物は後日渡そう。
それまでの間、同志諸君はくれぐれも口を滑らせないように。
そう、例えばあの大学生たちのように軽すぎる口は全てが台無しになってしまう。

ああ、あの。
と嘲笑の声が周囲から発生する。
あの団体は同志でなく文字通りの盾に過ぎないとの認識ゆえの反応であった。

同志諸君。
諸君らの希望は間もなく叶う。
だからこそ、今は耐えるのだ。


異議なし


「馬鹿者ばかりであったな。
 日本の・・・いや、帝国のためにせいぜい派手に散ると良い」

一連の会話を聞いたとある男がそう感想を口にした。










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おススメSS 日本郵便防衛庁~貴方の手紙、絶対届けます!~

2016-10-23 10:24:46 | おススメSS

日本郵便防衛庁~貴方の手紙、絶対届けます!~

警察予備隊の設立がかなわず、
GHQは警察より先に拳銃で武装したという前例を持つ郵便屋に注目。
(ヒグマや強盗対策として明治に制定された)
結果、昨日までせいぜい拳銃だったのが今日からM1カービンや三八式歩兵銃を持つ郵便局員が誕生。

そのまま正式に「軍」を設立せず「Japan Postal Force」
日本郵便軍とも呼ばれている組織は年々その規模を拡大させ続け、
ヒグマ対策として対物ライフルを採用したり、郵便物を守るためとして、
被弾上等の排水量1万6千トンのイージス重巡洋艦を建造するなど斜め上の行動に出る・・・。

その発想はなかった。
思わずそんな言葉が漏れてしまう異色のSSです。

ぜひ見てください。



昭和26年1月、
朝鮮半島での戦争では北朝鮮軍がまたも韓国首都のソウルを陥落させて情勢が逼迫するとGHQ最高司令官のマッカーサー元帥は―――

「武装がライフルとカービンだけ?そんな豆鉄砲でどうやって共産軍の戦車から郵便ポストを守ると言うのだ?
 アメリカは日本郵便保護課に戦車と対戦車バズーカを貸与する準備がある。
 そして日本郵便保護課には日本各地にある郵便ポストを防衛する義務があるのだ!」

―――と発言。

流石に郵便保護課からは、
郵便物の保護にそんな装備は必要無いとして拒否したかったのだが、

なんと身内の郵政省から、

「ついでだから郵便集配車両の拡充にアメリカから供与される車両を充てよう」という意見が上がってしまった。

これらの内外からの圧力により、郵便保護課の重装備、
重武装化は進んで行き、昭和28年7月の朝鮮戦争停戦の時にはM24軽戦車が84両を始めとして、
多数の装甲車両が“特殊郵便輸送車両”の名目で郵便保護課に配備され、
郵政省は目論み通り多数のトラックを取得するに至ったのであった。

そして翌年の昭和29年7月。
郵便保護課はそれまで郵政省内にある集配課や輸送課など非武装部門と同列であった立ち位置から“郵便防衛庁”に昇格。
郵政省の直接の下部組織として、郵便物と郵便インフラの防衛を任務とする本格的な武装組織となったのだ。










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おススメSS 艦これ 神崎島

2016-10-19 22:46:51 | おススメSS

艦これ 神崎島

自分もGATEネタで投稿している提督たちの憂鬱で掲載されている艦これネタSSです。
憂鬱の主人公である神崎博之が嶋田繫太郎としての人生を終えた後に今度は艦これの提督として人生を始めます。

艦娘たちとは全員ケッコンカッコカリで深海棲艦との停戦まで成し遂げたが、
根拠地である島、神崎島ごと「史実の1937年の太平洋」に出現。

226事件の影響で軍国化が始まりつつある史実日本と接触。
日本への帰属とこれから起こりうるであろう未来を帝国上層部へ密かに教える。

これにより日本は国土開発に邁進し日中戦争は回避。
日本の歴史、そして世界の歴史が動き出す・・・。

艦これSSにも拘わらず内政と政治に重点を置いた硬派な内容です。
ですが基本帝国の龍神様のノリなので楽しんで読めます。



自分もこのネタで投稿しています。
ぜひ見てください。



甲板に出ている人影は…

「女…?!」

慌てて艦橋に双眼鏡を向ける。
艦橋の中には、複数名の男女と思しき集団がいたが、
その中央にいるのは、田舎の女学校に通うような少女であったのだ。

艦橋はもとより、「時雨」全体に動揺が走り始めた。
それでもきちんと接舷準備をはじめるのはこの頃「訓練に限界なし」として猛訓練を課した成果であろう。
やがて、接舷用の舷梯が渡されると、「彼女」は現れた。

「はじめまして!神崎鎮守府所属駆逐艦 吹雪艦長…神崎吹雪であります!
 米内光政長官を艦隊旗艦にご案内する任務を仰せつかり参上しました!」

ぽかーんと口を開ける乗組員たちの中で、反射的に答礼できたのは士官クラス以上だけだった。

「案内御苦労。宜しく頼む。神崎艦長。」

一瞬表情がゆるみかけた相手方の艦長はすぐに「はっ!」と答礼し、細かな説明をはじめた。

手順自体は、海軍軍人にとってはありふれたものだった。
それに、吹雪と名乗ったどう見ても少女と思われる艦長はよくみれば外洋の波で揺れる駆逐艦の艦橋でなんでもないことのようにバランスをとっている。
どうやら、ただの悪戯という説は否定しなければならないようだった。

「さてさて、行く先は竜宮城かはたまた…」










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GATE~続いたネタ37 夢幻会、彼の地にて戦いけり

2016-10-18 06:57:39 | 連載中SS

「ここに国民連合政府が成立したことを宣言します!」

野党連合、北京の記者会見にて。


「保守派なる人種は脳科学的に見て脳が未発達」

某自称脳学者のコラム。


「帝国主義の亡霊から目を覚まし、
 日本は中華と共に人民にとって正しき道を歩むべきである」

某大陸国家政府の報道官からのコメント。




GATE~続いたネタ37 夢幻会、彼の地にて戦いけり




「随分な歓迎ですね」

門を超えると予想通りの喧騒に包まれていた。
陽性ではなく陰性のあらゆる罵倒が銀座のビルに木霊し、
警備に当たる警察が秩序を保とうと必死になっているがおさる様子はない。

「閣下、気分を害されるのは最もです。
 ですがあれは一部の人間が盛り上がっているだけです。
 現に今日も甲子園球場と東京ドームは人がで賑わっています
 日本国民の全てが閣下を歓迎していないというわけではございません」

平成日本政府から接遇役としている白百合大臣が弁明する。
歓迎の場として最悪な状況下で言えることはこれぢかなかった。

「ご安心を、白百合大臣。
 国民が様々な意見を言えることはむしろ健全なことです。
 私の方もこうした国民感情と政治との兼ね合いで随分悩みましたら」

「・・・そう言って頂けると助かります」

嶋田の「政治問題や取引として扱わない」
とも言える発言に白百合は深々と頭を下げる。

「しかし、我々の銀座もそうでしたが、
 建物こそ修復できても企業は戻ってきていないようで」
 
「はい、その通りです。
 あの【帝国】による侵攻で企業の従業員だけでなく、
 役員諸共が殺害される事態が相次いだせいで倒産する企業が未だ続いています」

やはりな、と嶋田が呟く。
かつて程活を取り戻したように見える銀座だが、その打撃は未だ残っている。
元々東京という土地は首都圏ということもあり企業だけでなくその本社が置かれているのが多い。

しかし、突然の戦争状態への突入。
加えて異世界の軍勢は民間人と軍人の区別をせずに「平等」に殺戮と略奪をした。

結果、機械を守ろうとして社長以下従業員が全滅した町工場。
ドアを破られまいと死守するが空しく突破され殺戮の場となった事務所。
男性は面白半分にビルから突き落とされ、女性は兵士たちの慰安役ととなった大企業の本社ビル。

と文字通りの地獄絵図が展開され、多くの企業が打撃を受けた。
何とか経済の停滞や不況を緩和すべく政府が積極財政を推し進めているが、完全な復興からは未だ遠い状況である。

「ですがアルヌスの丘を共に占領していることで、
 銀座の門をリスクではなく、新たなフロンティアの入り口。
 と捉えた市場のお陰で株価は順調に上がっていますので・・・」

「このまま維持して行きたい、か。
 その辺の事情は我々側の事情と変わりはないな。
 何せ好景気を維持できれば政権は安泰なのだから」

野党議員たちが若いころから嵌まっているマルクス主義と反戦主義よりも、
好景気こそ国民が求める物であるのを2人は理解していた。

「・・・閣下とは我々と利害の一致が見いだせるようで、喜ばしい限りです」
「それは、とても良い事です、白百合大臣」

話し合う中環境の場として最悪に属する場所で、
ようやくお互いの利益を見いだせたことに2人して笑顔を浮かべた。

(もっとも、お互いの価値観が違うゆえに、
 平成の日本とは最後の所で利害を共有できなくなるかもしれないかも、な)

嶋田は内心でそうつぶやく。
方や世界の盟主に躍り出て、ひたすら前に突き進む新興国。
もう片方は国家として成熟しているが、精神的に弱い所がある国。

等と同じ日本人とはいえ価値観を相違としており、
嶋田はその時は協調よりもこちらの我欲を主張するつもりであった。






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