二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS 俺ガイル 日常の何気ないエロス

2015-11-25 21:02:29 | おススメSS

俺ガイル 日常の何気ないエロス

R18作品です、元ねたは「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」です。
目つきが悪い主人公と各ヒロインとの連続短編集で、現在249話まで更新され現在も連載中。

よくある擬音やら安易な絶叫シーンはなく1つ1つの動作を丁寧に描写しており、
キャラの1人1人の特性、特徴を掴んでいるのが分かり作者の作品への愛がよく分かります。

エロSSとしてもですが、エ
ロ抜き回の主人公とヒロインがする何気ないやり取りもしっかり書いており、
純粋に読み物として良作なSS作品であると自分は思います。


「じゃ、次は私ね…」

すかぴーと阿呆みたいに幸せそうに寝ている由比ヶ浜に膝枕をしながら、
雪ノ下がゆっくりと制服の上着を脱いだ。その何気無い仕草一つで、心臓がどくんと高鳴る。
格好自体は何てことの無いワイシャツ姿だが、わずかに除く首筋や、
よりくっきり見えるようになった身体のラインに惚れ惚れとする。

「…よ、よろしく…ね…?」

いやちょっと待て。何でこのタイミングでそんな恥じらって頬を赤らめながら聞いてくんの?
その破壊力を舐めんなよ?陽乃さんや一色みたいに計算して無くて、
本当に素で恥じらってるんだからやだこの子タチ悪い!あと良い匂い!やばい!

「…おう」

由比ヶ浜のときと同様に、慎重に手を肩に置く。
その瞬間。

「ひんっ…!!」

明らかに、聞いたことが無い、甘くソプラノのような高い声がした。
一瞬がたっと動いたが、由比ヶ浜が「んあ…?」と寝ぼけ気味に起きそうになったので、慌てて元の姿勢に戻る。

…あ、思い出した。
以前陽乃さんが

「雪乃ちゃんねー?結構敏感なんだよー!
 流石にこれは私も皆の前で弄れないけどー。今度試してみてね♪」

と明るく言っていたっけ。
あなたなら時間・場所を問わず弄りそうなもんですけどね…。

「…大丈夫か?」

なるべく平静を装って聞いた。

「…大丈夫よ、続けて?」

上ずった声を抑えきれないまま、雪ノ下が答える。
いや、なんで肩揉みに乗ったんだお前…。
まああれか、俺が胸を見ちゃったからか。いやもう何かほんとごめんなさい。

…由比ヶ浜が目の前で寝ていて、
雪ノ下は起こすまいと声を上げるのを我慢してるこの状況。

ばい、正直言って、興奮する。
もう一度、今度はゆっくり沈み込むように手を肩に押し込む。

「はうっ…くっ…あっ…」

堪えてくぐもった声を漏らしながら、
由比ヶ浜を起こさないように手で彼女の頭を押さえている。
背筋を反らしては戻しながら、懸命に堪える姿。
徐々に、嗜虐心のスイッチが入ってきた。俺にこんなスイッチあったんだって言う新発見。

「…ふっ…ふぅっ…んんっ…!」

5分も経った頃、雪ノ下は一言で言うと「出来上がって」いた。
綺麗な首筋には汗を滲ませ、ワイシャツは少しばかり透けて来て、うっすらとブラが見えてきている。
漏らす声はどんどん甘くなり、その手は途中から左手を由比ヶ浜に添え、右手は自らの口を塞ぐのに使っていた。
…何これ、なんで肩もみだけでこんなエロくなんの?身体を悩ましげにぶるぶると震わすのは反則だと思うんです。
静まれ、マイ八幡!洒落にならんぞ!さっき11まで押されてたんだぞ!

考えをぐるぐると回しながらも、徐々に徐々に、目の前のこの少女をどうかしてしまいたくなって来ている自分がいた。



続く。












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続いたネタ16 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-11-24 21:42:43 | 習作SS

続いたネタ16 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

「なんなのだ、あれは―――」

帝国の第三皇女ピニャ・コ・ラーダは、
現実離れな光景にただただ口を開けて空を見るしかなかった。

元々ピニャがここイタリカにいたのは偶然であった。
異世界の軍勢の噂を求めて帝都から尋ねるように移動する道中、
イタリカが異世界の軍に攻められているとの噂を聞きつけ急いで参戦したが、

それは元連合軍の敗残兵が盗賊化した者達に過ぎず、
手持ちの戦力である騎士団は引き連れておらず部下のグレイ、ハミルトン、
ノーマの3人、そしてすり減ったイタリカの正規兵に俄仕立ての民兵を指揮したが限界であった。

だからこそ、イタミとオノダと名乗る異世界の軍は好都合であった。
例え帝国の敵であっても彼らは炎龍を撃破した「緑の人と茶色の人」であり、
味方として取り込むことで士気が最悪な兵士を何とか立て直すことには成功した。

何せ噂に聞く「炎龍に飲み込まれて生存した茶色の人」もおり民兵の士気は高揚した。
どういう理由か知らないが、亜神こと死神ロウリィが異世界の軍と行動を共にしているのもなお良かった。
お陰で次こそ城壁を突破されることを覚悟していたが、騎士団が来るまでの時間は稼ぐことができる見込みができた。

とはいえ、異世界の軍はあくまで敵だ。
だからピニャは異世界の軍を城壁に配置し囮として使い潰すつもりであった。
全滅した後ゆっくりその奇妙な装備や服装などを検分し調べるつもりだったが誤算が応じた。

まず第1に盗賊は腐っても正規兵であり、
攻撃する城門の場所を変えて夜明け前に奇襲を仕掛けてきたことだ。

臨時に指揮していたノーマは戦死。
そして城壁は突破され、城門は開いてしまった。

第2に主力が俄か仕立ての民兵であった点だ。
正規兵なら敵がどんな挑発を仕掛けてきても優秀な指揮官、
熟練の下士官や兵の命令を絶対に耳を傾け、簡単に挑発に応じない。

が、民兵はそうは行かず、ピニャが教科書通りに布陣し、
城門の内側から囲むように設けた防御柵から越えてはならぬと厳命したがあっさりそれは破られた。

民兵が挑発に耐え切れず突撃を開始し、乱戦が勃発。
真正面からの白兵戦で正規兵に勝てるはずも無く徐々に押され、
ピニャは篭城失敗に目の前が真っ暗になったが、変化は突然であった。

「富田!クリボーとロウリィ、船坂の背後に回る敵を撃て!」
「了解!」

イタミ、トミタと名乗る緑の人が持つ鉄の杖から
タン!あるいはタタタン!と火が吹く度に盗賊が次々に倒れ伏せる。
矢や魔法が通り過ぎる軌道は見られず、どうして敵が倒れるのがピニャには理解不能であった。

「軍曹を援護する!重機、あの密集した集団を薙ぎ払え!!」

さらにオノダと名乗った茶色の男が部下を指揮し、
鉄の箱に乗るより大きな鉄の杖の火を吹かせると亀甲体系を組んだ敵の盾は砕け、
腕や足がもぎ飛び、周囲に贓物がブチまかれ、たちまち士気が崩壊し隊形が崩れる。

「船坂さん!」
「……っ!!」

それに彼らは白兵戦も得意らしく、
小柄の女性兵士と茶色の「炎龍から生存した男」が鉄の杖の先に装着した短剣を振るう度、
元連合軍の正規兵は彼らの刃であの世へと強制転属を余儀なくされる。

2人は互いの背中や側面を守るように常に動き、
息が合っておりまるで夫婦みたいだと場違いな感想をピニャは抱く。

『ヒャッハー!汚物は消毒だー!!』

「Ho-jo to-ho! Ho-jo to-ho! Ho-jo to-ho!」

そして止めとなる第3の誤算、
それは異世界の軍が駆けつけて来たことだ。

少女が描かれた空を飛ぶ鉄の蜻蛉に、
戦女神の嘲笑を奏でつつ斑模様の鉄の箱舟が繰り出す攻撃はピニャの想像を超越していた。

鉄の箱舟から発射されたペンの様な物体が地面に突き刺さると同時に爆発し兵士が空に舞い上がる。
鉄の蜻蛉の頭が火を噴出すればたちまち人間がただの血肉の塊へと変化する。

散々苦戦した盗賊は襤褸切れのように吹き飛び、消し飛ぶ。
盗賊たちの手から届かぬ距離から一方的に一切の慈悲もなくあの世へと送られる。

抗いようも無い暴力の嵐、そこに栄誉も名誉もない戦い。
絶対的な存在、人間の創造を超えた未知との遭遇にピニャはただただ呆然と空を見上げるしかなかった。

「告死天使……」

鉄の蜻蛉に描かれた少女の姿を見て自然と言葉が漏れる。
相手の圧倒的な存在に己の矮小さを思い知り、ピニャはただ絶望の感情に浸る。

「殿下、城壁の外に騎兵が見えます!
 もしや騎士団が駆けつけて来たかもしれません!」

「なんだって、ハミルトン!」

だがハミルトンの一声で現実に回帰する。
視界の先に小さくだが確かに騎兵の集団が盗賊の背後を遮断する位置に見えていた。

「い、いかん!ジエイタイにニホン軍は味方だ、
 それに巻き込まれかねないぞ、何とかするんだ!!」

「な、何とかしろって、
 無茶言わないで下さい!
 どうやって伝令するのですか!?」

「ぐ……」

ハミルトンの反論にピニャが呻く。
狼煙も旗の通信も爆煙が派手に出ているせいでうまく伝わるはずが無い。
そもそも異世界の軍勢が味方だと伝えても信じられるかどうか怪しい。
逆に異世界の軍勢がイタリカを激しく攻めている受けとめる方が容易い。

しかし、

「んーでも帝国軍にしては地味な軍装ね――あ、あの茶色、あれはニホン軍ね」
「こちらも視認した、あれは後続していた日本軍の騎兵部隊、間違いない」

突然の第三者の声にピニャとハミルトンが振り向く。
何時の間にか異世界の軍と同行していたエルフと魔道師が直ぐ脇に立っていた。

平時ならば皇族たる者の傍に、貴族以外の人間が無遠慮に立つことは許されないが、
彼女らが口にした言葉にピニャは逃さなかった。

「あれも異世界の軍勢なのか?」

「肯定、私達の後から出発した」

レレイが簡潔に返答する。

彼女らは知らない事情だが、
これも燃料が取れない異世界事情を考慮した夢幻会の策の1つである。
軍の機械化で縮小する一方であったが残っていた騎兵部隊、それも旅団規模のを態々持ってきた。

そして夢幻会の転生者でもある旅団長はここが騎兵最後の戦場と知っているだけに派遣当初から非常に張り切っており、
念のため直ぐに派遣できる護衛、という面目で伊丹たちの後から出発し、イタリカの戦いに備えていた。

「突撃ーー!!」

既に早足であった騎兵が突撃喇叭と同時に一気に駆ける。
1000騎に及ぶ騎兵突撃、それは日本陸軍騎兵の生み親すら出来なかった情景は感動的であるが、
何とか健軍率いる自衛隊のヘリ部隊と痛い子中隊が繰り出す地獄の業火から逃れた盗賊集団からすれば悪夢であった。

たちまち馬蹄で踏み潰され、振り下ろされる騎兵刀で切りふさせられ一瞬で蹂躙された。
そしてこれがイタリカを襲撃していた盗賊が全滅した瞬間であり、戦いが終わった。

「終わった、のか?」

戦場音楽が消えてしばくしてイタリカの名も無き市民が問う。
しかし、自らは生存し残った盗賊は戦意を喪失している事実を確認した瞬間、
爆発的な歓声がイタリカの街に木霊し、自分達を助けてくれた存在にありったけの感謝の言葉を口にした。

そこに帝国の皇女を称える声は無く、完全に忘れ去られていた。
否、当然だ、何故ならこの戦いにおける勝利の貢献者は間違いなく自衛隊と日本軍なのだから。

「ま、まさか彼我の差がこれほどまでとは……この後の交渉に何を要求されるのやら。
 殿下の身分は知れているから誤魔化しも効かないし、騎士団が来てもこれではとても――って、殿下!?」

「―――――――」

ピニャはその事実に激昂せず、呆然と受け入れた。

「で、殿下。お気を確かに!
 この後の交渉に殿下は参加なされるのですから!」

ただし受けた衝撃は大きくただぼんやりとするだけでハミルトンの声は届かなかった。
ハミルトンが盛んに揺さぶるがピニャはされるがままである。

「……好きにしろ、そなたのように。
 安心せよ責任は妾は取る、妾は黙って座って椅子を暖めておくゆえ」

「ちょーーー!!で、殿下ーーー!!?」

まさかの全権委任発言のハミルトンが驚愕の声を叫ぶ。

「殿下、撤回してください!お願いですから撤回して下さい!!」

「―――――――」

ハミルトンが撤回を要求するがピニャは反応すらしない。

「殿下が使えないとなるとここのミュイ様は…駄目だまだお年が、
 それ以外に適役となる人間は…いない、いても身分的に釣り合いません。
 となると殿下の代理として私があのジエイタイとニホン軍と交渉をするしかないですか…」

逃れられない運命にハミルトンがうな垂れる。

「それに、ここで私が何とかしないと帝国が……」

イタリカは帝都を支える穀倉地帯と同時に、
ここを突破されれば帝都とは直ぐ眼の前であり防ぐものはない。
ゆえに、帝国の運命はこの交渉に掛かっていると表現するのは決して過大ではない。

「ああ、もうやってやります!ええ、やって見せますとも!
 騎士団ではドンくさい私でしたけど、帝国貴族の一員として奮闘して見せますとも!!」

ハミルトンはやけくそ気味に叫び交渉の代理人となることを決断した。
後に、日本軍の交渉役兼ピニャの秘書として扱き使われることが決定した瞬間であった。














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続いたネタ15 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-11-19 22:13:16 | 習作SS
続いたネタ15 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


時間は少し戻り、伊丹がイタリカに向かうより少し前、
まだ避難民の当面の生活について面倒を見ていた時、大日本帝国では環太平洋諸国会議が行われた。

当初銀座に異世界の軍勢が攻め込んで来たため会議の予定が延びることが懸念されたが、
嶋田を初めとする転生者の帰宅時間とストレスによって散る髪の毛を犠牲によって何とか予定通り開催できた。

会議に参加する国は長年独立を維持して来たタイ、
日本の傀儡国家と見られているかつてのアメリカことカリフォルニア共和国。
そして未だ正式に独立はしていないが、準備しているアジアの国々など数多の国々の代表が帝都東京に集結した。
しかもこの会議における主役は大日本帝国であり、太平洋において日本が国力において圧倒的優位に立っていた。

「ようやく、ここまでたどり着いた」

幕末を知るとある転生者がそう語ったように、
かつて明治の偉人達が夢見た一等国、あるいは坂の上の雲に手が届いたことを改めて日本人は感じ熱狂した。
そして21世紀の日本も特別にオブザーバーとして会談に参加していた。

「太平洋の覇者となった大日本帝国による秩序…なんだか違和感を感じるわね」

特地及び大日本帝国に関する特命副大臣として派遣されている白百合玲子がそう嘆息する。
事前に知識として知っていたが集った国々の面子に困惑が隠せなかった。

「軍艦旗の某新聞社が見たらどんな新聞記事を書くのか楽しみですね」

そんな大臣に外交官僚の菅原浩治が小声で冗談を口に零す。

「1人で喚くだけならともかく、支持者がいるのが問題ね。
 進歩的ならぬ進化を止めた退歩的知識人、いいえ痴識人が大勢支援しているし」

「…っ大臣!」

失言を狙っているマスメディアの餌食になることを警戒する菅原が小声で注意を促す。
もっとも、この場に失言大好きな平成のメディアはおらず杞憂に過ぎなかったが。

「あら、ごめんなさいね。
 最近マスメディアが煩いものだからつい毒を吐いてしまったわ」

らしくないわね、と白百合が愚痴を零す。

「…メディアが盛んに言っている軍国主義云々との話ですか?」

「ええ、そうよ。
 総理も頭を痛めているわ」

菅原の問いに白百合が肯定した。

ソ連の核は綺麗な核、米帝の核は汚い核。
と単純な頭脳のまま1970年から今まで進歩を止めた左翼にとって、
1945年の大日本帝国の存在は悪の軍国国家であり、死ぬほど気に入らない存在である。

そしてマスメディアの大半はそうした単純かつ、
偏見に満ちた見方を持つ人間が幅を利かせており、政権への批判を日々強めていた。
それこそホッケやカップラーメンの値段から始まりあらゆることに非難を浴びせていた。

「政権への批判は日々高まっているし、
 与党では総理大臣の後ろ弾を撃つ恥ずかしい人もいるし…こまったものね」

そう白百合がため息を吐く。

「…我々の日本に設置した大日本帝国大使館の前では連日抗議活動が盛んですしね」

民主主義の理想を語りつつ、
その実やっていることは暴力と偏見で相手をねじ伏せる「自発的」に誕生した某団体。

さらには差別と偏見に立ち向かうといっているが、
何故か構成員は暴力団のような刺青を入れた超圧力と称して暴力を振るっている某団体。
その他、労働組合や基地を許さない会やら多数の赤い団体を菅原は思い出し眉間にしわを寄せる。

「それと外圧もよ、同盟国のアメリカだけじゃなくEUにロシアまで大日本帝国との接触を希望しているわ」

ファンタジーな異世界だけでも開発で得られるものは多いが、
1945年の世界は場合によってはファンタジー世界よりもさらに希少価値があるものである。

何せファンタジーな異世界、
日本が便宜上特地と名づけた世界では石油にしろ石炭にしろ一から調べる必要があるが、
1945年の世界はかつて開発した土地をもう一度開発すれば良く、見返りが直ぐに得られる。

「既に我が国に大使館を設置し、
 大日本帝国とアメリカ合衆国との首脳会談の話もあるので、
 この日本との交流を我が国だけが独占することは許されなくなるでしょう」

アメリカが新たな市場として大日本帝国に熱い視線を向けているを知る菅原がそう未来を予想した。

「だからこそ、私達は先に交流したアドバンテージを生かす。
 この会議ではオブザーバーとして参加しているけど、この機会に各国との伝手を作る、そうでしょ?」

「はい、無論であります」

21世紀の日本政府はこの宝の山を独占することは適わない事を承知していた、
ゆえに各国が1945年の世界と直接接触する前にこの会議で各国との伝手を作ることを目論んでいた。

何せ環太平洋諸国会議は政治的に大日本帝国とその他の国々たち位置を明白することが目的でもあるが、
大日本帝国を中心とする経済体勢の構築についても話し合われる予定で、21世紀の日本として伝手を作って損はない。

「期待しているわ」

「はい、ご期待に答えられるように努力します」

自らの出世も考えている菅原が恭しく返答した。
もっともこの後しばらくしてロリな嫁を貰うことから始まり、
色々波乱万丈な外交官となることをこの時は考えもしなかった。















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おススメSS 緋弾のアリア――暗殺者の信条

2015-11-17 21:25:25 | おススメSS

おススメSS 緋弾のアリア――暗殺者の信条

SS執筆が多忙のため今日はSSの紹介をします、お題はアサシンクリードです。
アサシンクリードは十字軍時代から始まって暗殺をテーマとするゲームで、
その設定の細かさに爽快なアクション、ストーリーの面白さと合わさってPS3時代からシリーズがあります。

今回のSSは「緋弾のアリア」の主人公遠山キンジがそのアサシンとして活動する話であります。
原作より真面目でややシリアスな描写が多く、なおかつ戦闘シーンもしっかり描写しています。

アサシンブレードとかイーグルダイブが好きな人におススメします。

ーーアサシン教団、というモノがある。

それに俺、遠山キンジが入信していて、そしてその理念に命を賭けている。
勿論、ただの新興宗教……なんて事は決してない。
三つの掟と一つの信条によって立つーー人の自由意思によって選択された未来、
そしてその世界における安全と平和を尊び、それに仇なす者を殺す、暗殺者集団なのである。
俺達は世の中に伝わっている金を貰って人を殺す殺し屋ヒットマンではない。
ーー民衆の声と緻密な調査の中で、殺すに値する者しか殺さない暗殺者アサシンなのだ。

……独善的、だと人は言うだろう。
たとえどんな高尚な事だろうと人を殺す事は許されない、と皆は言うだろう。
しかし、それでも他人が虐げられているのを黙って見ていられるほど、厚顔無恥でもクズでもない。

ーー千人の善人を救う為、一人の悪人を殺すのだ。

たったそれだけで終わるなら、これほど簡単な事はないだろ?とても単純で明快だ。
大いなる善の為に、ささやかな悪を遂行するだけで世界が回る。
――神は今日も降りてこない。悪を裁く者がいないのだから俺達が果たすまでだ。
……少し前の俺であるーー武偵として遠山キンジなら、それでも千人の善人と一人の悪人も救うと言うだろう。
だけど、そんなのは修羅場に立ったことすらない少年の空想だ。
そんな事は本物の超人かテレビの中のスーパーヒーローにしか出来ない。

ーーただの正義の味方じゃあ何も救えない。


……アサシン教団の掟において簡潔に、そして重要に纏めるなら三つ。

1ーー『汝の刃は鞘の中の刃。よりて、罪無き者に近づけることなかれ』
2ーー『ありふれた風景に溶け込み、汝、民衆とともにあれ』
3ーー『教団の名誉を汚す事は赦されぬ、なれど兄弟を傷つける事は決してなかれ』

要約すれば『罪の無い者は殺してはならない。
民衆を導くのではなく見守れ。
仲間を傷つける事は絶対にするな』だ。

そして信条は――

ーー『遠山。今から言う事をその足りない脳みそに詰め込め。これは世界の真理だ』

声が想起される。それは始めて会った棟光さんが俺に言った言葉だ。それは何よりも覚えている。
自らの運命を受け止め、若き大鷲として血に染まる空を飛び立つ前の時、棟光さんが俺に言ったんだ。

ーー『たとえ、世の人が真実を盲信しようともーー忘れるな』

真実はない。

ーー『たとえ、世の人が法や道徳に縛られようともーー忘れるな』

許されぬ事はなどない。

『Laa shay'a waqi'un mutlaq bale kouloun mumkin.ーー真実は無く、許されぬ事などない』

闇に生き、光に奉仕する。我らはーーアサシンなり。















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続いたネタ14 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-11-11 07:08:24 | 習作SS
続いたネタ14 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


伊丹はコダ村の避難民の処遇について現地協力者を育成する。
ということを考えた日本軍、自衛隊の思惑の下彼らと交流、生活を支援してきた。

伊丹としてはベトナム戦争で米軍に協力した少数民族の末路を知っているため、
純粋に人道的な意味で支援するならともかく利用するのにあまり乗り気でなかったが、
仕事は一応やる人間であるので、それなりに任務をこなし全力で遊びつつ日々をすごした。

成果は既に出ており、良好な信頼関係が結ばれたため
レレイと名乗る銀髪の少女とその師匠カトーが保有していたこの世界の書籍を借りることに成功した。

書籍には未知の技術である魔道、そしてこの世界の植生、地理など様々で、
これまで得られた情報を遥かに上回る精度の情報で日本軍と自衛隊側の専門家が翻訳作業に励んでいる。

そして今日は避難民から換金性が高い、
と言われたアルヌスの丘周囲に散乱する翼龍から採取した鱗をイタリカの商人に売る算段ができた。

「これだけあれば大金持ちになれますね」

伊丹とは別の偵察隊が拾ったローレンスと言う商人曰く。
鱗1枚で銀の硬貨30~70枚を得ることが可能で、銀貨1枚で5日間を慎ましく生きていける量だ。

そのため自衛隊と日本軍は避難民の自立、
さらに商売を通じてこの特地の情報収集を得ることが期待し、
伊丹はローレンスとレレイが希望したイタリカと呼ばれる都市までの護送任務に着いた。

(全部上の連中の思惑通り、か。
 やれやれSなんかならなきゃよかったよ…)

倉田が運転する車内で伊丹が内心で1人ため息を吐く。
人生食う寝る遊ぶ、たまに仕事を標語にする伊丹からすれば避難民の世話、
そして交流を通じた情報収集、連日提出する各種書類に報告会議で既にオーバーワーク気味であった。

(やっぱ俺は現場が一番だ、うん。
 柳田の奴みたいに書類やら根回しやらは合わないな)

後方参謀的な仕事をしている柳田の顔を思い浮かべる。
エリート的な高慢な態度がアレだが、優秀かつ自分とは真逆に書類仕事に根回しを楽々とこなしていた。
もっとも伊丹はそれを羨ましく感じたりせず、人には向き不向きがあると1人で感じた。

「しかし、まさか陸将とあの栗林中将に見送られるとは思わなかったな…」

「おやっさんもですか?
 俺もまさかあんな偉いさんが見送りに来るなんて思わなかったですよ!
 栗林中将なんて案外もしかすると違う世界の孫のクリボーを見送りに来たかもしれませんね」

「ちょっとお!最近みーんな苗字が同じ栗林だからって、
 中将閣下が私のおじいちゃんだとか噂しているけど偶々苗字が同じだけですからね!!」

伊丹が周囲に耳を傾ければ部下達が気楽に会話を交わしている。

「好み、クロカワ、是か非か?」
「否否、肯定、しかし、否定、違う、恋」

さらに同じ車内にいる特地組みの黒ゴスと金髪エルフ娘が特地の言葉で会話をしている。
黒ゴスの少女が金髪エルフをからかっているようで、エルフ娘が顔を赤くしていた。

(ファザコンで百合の金髪エルフってキャラ濃いな)

短い時間であるが、
このエルフ娘の怪我で記憶を喪失した父親へのファザコンの程度を伊丹は知っていた。

今回伊丹は単語をまばらに聞き取れた程度でしかなかったが、
なんかキマシタワーが立てられそうな話をしていたことは大体理解できた。
そして、背が高いせいで男が気後れすると愚痴を零していた黒川に合掌を奉げた。

(まあ、平穏なのは良いことだ)

しかしそれは道中は極めて平穏であることを示してていた。
前みたいに炎龍のような生物の襲撃など不測の事態も今のところない。
後列にいる日本軍からも異常を伝える通信はなく、周囲は敵影もなく静かに麦畑が広がっている。

(で、挟間陸将とあの栗林中将に見送られるなんて俺も思わなかったけど、
 問題はその傍に立っていたあの若杉とか名乗っていた日本軍の若手の参謀だ、
 ただのエリート参謀じゃないのは柳田の反応からして明らかだし……まさかまさか)

部下達は雲の上の陸将、その上硫黄島の戦いで名を残したあの栗林中将に突然の訪問。
そしてイタリカへ向かう自分達への見送りに興奮した口調で話すが伊丹は別の点で違和感を覚えていた。

挟間陸将に栗林中将の他に付き添いに柳田、
そして若杉大尉と名乗った日本軍の参謀がいたが、
エリート意識が強い柳田が妙に緊張していたのを伊丹は逃さなかった。

(時代が時代だしな…たぶん皇族だろうな。
 年齢的にこっちでも現役の三笠宮親王殿下かもしれない。
 災難だな柳田の奴、だけど態々皇族をこの特地に赴任させた意図はなんだ?)

いやいやレンジャー資格を習得し、
無理やり特殊作戦郡に放り込まれた伊丹であったが、
オタクの考察好きと特殊部隊の隊員として無意識の内に刷り込まれた、
「その意図は何か?」を考える癖ができていた伊丹は皇族をこの場所に赴任させた意味を考える。

(箔を付けさせる、ありうる話だ。
 だけど、帝国の○神様で石原が言っていた、
 皇族を異世界に連れ出すことで島流しの異世界で人心を安定させる。
 という事を参考にすると日本軍は特地と本土が切り離されたさいのリスクを考慮している?)

異世界ネタのとあるウェブ小説が頭に浮かぶ伊丹。
現在置かれている状況が非常に似ていたので、最近何度も読み返していた作品だ。

そこでは異世界の土地が島流しの土地となり、
日本人の意識が薄まらないように満州事変の発端を作った石原が考えた策として、
皇族を連れ出すアイディアを主人公達に披露するシーンがあり、伊丹は状況が良く似ていることに気付いた。
何せ銀座に出現した門の原理は未だ不明でいつまで銀座と特地との連絡が通じるのか、いつ門が閉められるのか不明だ。

つまり誰も永久に特地と銀座との連絡が通じるとは保障していないのだ。
極論すればある日突然門が自壊して特地にいる自衛隊と日本軍が取り残されることだってある。

(その万が一の時のために皇族か……それもありそうだ)

準備の良さに伊丹が唸り、同時に嫌な予感を覚えた。

(いや待て自壊しなくても門を壊す、
 壊しに来る勢力がいる、だからこその準備か!?)

食えぬ飯には灰を被せてしまえ、という諺がある某国やら、
日本のすることが何もかも気に食わない某国が一番やらかしそうな事を知る伊丹が戦慄を覚える。

(じょ、冗談じゃないぞ!またコミケが行けなくなってしまう!!)

もっともそこで憤慨する所が愛国的なものではなく、
己の生きがいであるコミケに行けなくなる点が伊丹であった。

(こうなったら、日本軍が皇族を派遣している考察と合わせて銀座の警備強化を提案するか。
 書類仕事やら根回しやらがアレコレが面倒だが、コミケに行けなくなるよりはずっといい!)

全てはコミケのため、そう伊丹が決心した時、
地平線の向こうで煙が立ち上っているのをまもなく視認し「原作」が始まろうとしていた。



そして後に伊丹が提出した提案は銀座で連日騒いでいる示威何とか団体やら、
頻繁に動き回る諸外国の諜報機関のこともあって警備が強化されるきっかけとなる。

また、伊丹が若杉参謀の正体を見破ったことで、
「有能な怠け者」と認定した自衛隊上層部からさらに仕事を押し付けれることになる。















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