二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

黒騎士物語 (ストライクウィッチーズ) Ⅰ-Ⅱ

2010-12-19 16:07:30 | 習作SS
「前線の砲声が止んだぞ
 ・・・敵が突破したんだな、エンジン停止。
     霧で視界が悪いぞ、敵が出す音に注意!」

ミルクのように濃い霧が周囲を支配している。
砲声がないのは既に味方の前線を突破している証拠で、不気味に静かだ。
エリーゼたちは自分たちが出すエンジン音を切ることで霧に隠れることにした。

「・・・・・・。」

敵とどこから遭遇するか分らぬ緊張感。
誰もがそのストレスでおかしくなりそうだ。

「いた!黒騎士1より2、5へ。
 お客さんは11時の方向だ。」

エリーゼの耳には金属が軋む、かすかな音。
双眼鏡から見えるのは白い霧の中では目立つ黒いシェルエット。

―――ネウロイ。

「黒騎士2。了解、先頭を狙う。」
「く、黒騎士5。了解しました。」

大の大人でも到底持てない37ミリ砲を少女たちは構える。

「安全装置解除。新人、緊張するだろうが訓練通りすればいい。」
「りょ、りょうかい。」

おっかなびっくりに構えるクリスに年長者として助言する。

そして―――。

「撃て!」

発砲。
閃光が霧を切り裂く
有効打撃を与えられたもようで、いくつか爆発音が轟く。

「おい、お客さんが多すぎるぞ。」

だが、爆発で霧が吹き飛ばされ。
見えた先には自分たちよりはるかに多いネウロイ。
ネウロイは先に攻撃してきた返礼とばかりに砲撃のプレゼントを魔女たちに送りつける。

「きゃっ!」

舞い上がる泥に吹き付ける爆風。
いくつかは直撃しそうになったが全てシールで防御できた。

「くそ、黒騎士2、5へ。
 正面戦闘は不利だ、丘の陰まで全速後退する。
 黒騎士3、4。応答しろ。」

自分たちの倍以上はある敵から盛んに砲撃される。
命中精度はまだうっすら残っている霧のおかげか、極めて低い。
が、いつかは当たるもので。さらに至近弾がまき散らす破片が魔女たちを少なからず傷つける。

「黒騎士3、4は丘の陰で電波が届かないぞ。クソっ!
 黒騎士2、5へ。丘を敵に渡すわけにはいかん。
 側面へつっ込むぞ。」

「了解!」
「りょうかい。」

丘とは古来から軍が好む地勢だ。
なぜなら防御するのに適した地形でさらには砲兵観測所として攻撃にも適している。
そこをネウロイに渡せば、ただでさえ押され気味な戦線がまた後退する未来が予測できる。

「黒騎士2は左を。
 黒騎士5は私をともに右をやれ。パンツァーフォー!」

魔道エンジンが咆哮をあげる。
最大速度で側面を曝した敵に20世紀のヴァルキューレが食らいつく。

「2時方向。
 敵ネウロイ、距離300。撃て!」

再び主砲が発射されたペットボトル大の金属の塊をプレゼントする。
撤退したと思い込んでいたのか奇襲となり、送った数だけネウロイが受け取ってくれて次々に爆発してゆく。
そんな光景にクリスは思わず我を忘れ、歓声を上げる。

「うまいぞ!目標2時、距離50。」

突進、さらに突進。
相手が右往左往している間に通常なら無謀とされる距離まで詰める。

戦機を逃さずすかさず突撃。
なるほど、エリーゼ・フォン・バウアーの選択は『通常』なら正しい。


後ろにネウロイがいなければ。


「うぁ!」

コールナンバー黒騎士2が後ろから攻撃を受けた。
至近距離ゆえに防御魔法の負荷を超え、陸戦ユニットから煙が吐き出る。

「反転!
 黒騎士2がやられたぞ。脱出を援護しろ!」

エリーゼとクリスが急ぎ反転。
ユニットを失った黒騎士2の脱出を援護する。

「が!」
「中隊長がやられた!」

直後、エリーゼ被弾。
防御魔法が破られ転倒、その場で動かなくなる。

「中隊長!このっ・・・砲がイカれている・・・っ!!」

脱出した黒騎士2の絶望の叫び。

「私がやります!」

ここで新人が名乗りを上げ、周囲が制止するよりも早く敵に突撃した。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2010-12-01 01:01:14 | 習作SS
ずっと昔。
ボクは遥か彼方の世界からここに来た。

ボクは私になり、私はボクになった。

私は得た。
死を司る眼とすべき義務を。

好奇心、恐怖、不安

私はオリジナルの劣化。
ゲルトルート・バルクホルンの皮を被ったニセモノ。

けど努力すれば私はオリジナルなれる。
そう信じて月日は流れた。


でも―――


こんなはずじゃなかったのに。
こんな結果が出るなんて。


どうして?


私のせい。
私がニセモノにすぎないから。


私のせいだ――――。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする