二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

Fate/Zero hollow ataraxia~アーネンエルベの1日-1

2012-05-28 15:55:27 | 習作SS

夏もまじかのあくる日、ウェイバー・ベルベットはライダーを連れず冬木の街を散策していた。
誰かと一緒でないのが彼にとって珍しい事だと思う・・・いや。

「それが当たり前になったのか・・・」

思えばイギリスに居た時は自分はずっと一人だった。
無論、学生同士の付き合いという物はあったが、ライダーのように何時も一緒にいる関係はなかった。

「冬木大橋・・・」

気がつけば随分と遠くまで歩いたようだ。
そしてすぐそばにある図書館、ここは自分とアイツにとって関係深い場所だ。
図書館から地図帳を盗み出した挙句、地図を見て馬鹿みたいに嬉しそうに世界の大きさに喜んでいた。
しかし、それが僕にとって運命の夜の始まりであった。

「さてと、感傷はいいけどそろそろ休むか。ここら辺に喫茶店でも―――む、あれは」

視界の脇に見かけた喫茶店に視線を向ける。
それは洋風の落ち着いた外観で「アーネンエルベ」という名の店だった。
どこかで聞いたことがことがあるような店の名前だったのでウェイバーはふと首を傾げたが、特に気にせずその店に入った。



「悪くない、ここで半日ぐらい時間をつぶそう」

内装は外観の予想通り落ち着いた雰囲気を保っていた。
あまり強くない照明に、経済性を優先せずあえてテーブルを詰め込んでいない配置。
客がゆっくりと時間を過ごせるように設定された構造は彼にとって好意的に感じた。

「いらっしゃませ。
 すみません、少し遅れていますが間もなく準備ができます」

「む、エミヤシロウか。お前はここでも店員をしているのか?」

カウンターから現れた知人にやや驚きながらも衛宮士郎に聞く。
話では新都の方の居酒屋でアルバイトをしていたと聞いていたが、とウェイバーは思い出す。
・・・しかし、なんというかこの少年はエプロンが妙に似合う。

「ええ、まあ。家は大飯ぐらいがたくさんいますから」

苦笑まじりの答案に呆れ納得する。
いや、大飯ぐらいなのはあの騎士王だけであろう、と。

考えてみればあの時代の人間、特に高位の者は大食いするのが一種のステータスと見られおり。
セイバーの暴食ぶりは衛宮士郎のおいしいご飯のせいもあるが、むしろそれがデフォルトであった。
余談ながら、暴食と言ってもセイバーが生存したと思われる中世初期の食事内容といえば嘔吐ミール(オートミール)や串に刺して焼いただけの肉等といった貧相極まりない食事内容だったが。

「まあ、今日は半日ばかりのんびり過ごそうと思ってね。テーブルの貸し切り料金はたしか××☓円だったか?」

「わかりました、では貸し切りとしておきます。
 注文の方はもうすぐオーダーができるようになると思いますので少し待たせてもよろしいでしょうか?」

「かまわない、ゆっくり準備してくれ」

「かしこまりました、ではどうぞごゆっくりとお過ごしください」

居酒屋のバイトをしていたおかげか接客も様になっており。
一礼をした後で衛宮士郎は当たり前のように、奥の厨房へと足を運んだ。



「とりあえず一通りメニューは準備できたな、
 後であの人に何かいるか確認しておこう・・・なあ、カレン。
 おまえは知らないと思うけどこういうのは資格が必要だったりするんだぞ」

厨房ではサンドウィッチ用の野菜は刻み終え、カレーも店にあったレシピ通り完成していた。
食欲をそそる香りが充満し、文句の付けようもない状態であったが。
彼、衛宮士郎は大きな、それも巨悪な問題に対面していた。

「あら、人殺しの分際でよく吼えるわね駄犬。
 それとも何かしら?私が警察に突き出すよりも自首してハラキリする覚悟ができたと?」

背後からパイプオルガンのBGMでも流れてきそうな知人の銀髪シスターが淡々と彼を犯罪者として処分しようとしていた。

「なんでさ!!!というか自首してなぜに自殺しなきゃいけないのさ!?
 というか、言ったよな。厨房に入ったら巻き込まれただけで俺は無実だと!!」

冷や汗をかきながら必死に弁解する。
どうして俺はいつもこんなのばっかりなんだと内心で嘆きつつ手は調理器具の片づけをしている所を見ると。
やはりこの少年の末は正義の味方ではなくブラウニーに相応しいかもしれない。

「衛宮士郎、残念です。
 私が目撃したのは自称正義の味方が哀れな一般市民をその手で殺人を犯す現場だけです。
 ああ、哀れな店長さんどうしましょう。店員として、この落とし前・・・どうしてくれましょうか?」

「待て待て待て!?!?
 なんか割烹着を改造した女の子から攻撃を受けたから防衛して。
 たまたま、はじいた流れ弾が当たっただけで俺は何もしてないぞ、カレン!!!!」

カレンがポケットから携帯電話を取り出したことで動揺が深まる。
身振り手振りであれこれ言い訳を述べようとしている姿は隙だらけで、腹黒シスターにとってそれは待ちにまった機会であった。

「いまです、マジカルアンバー」

「はぁい、呼ばれてきちゃいましたー」

「げぇ!!割烹着の悪魔!!!」

ジャーン、ジャーンと銅鑼の音声と共に、突然あらわれた元凶に驚きを隠さない衛宮士郎。

「イェイ、時代は今まさに魔法少女。
 リリカル☆マジカル、奇跡も魔法(物理)もあるんだよ。
 さすがウロブチッチー、まさに外道の必ず殺すと書いて必殺!!母の日スティンガー!!!」

マジカルアンバーは誰もついてゆけないノリで、
何処からか取り出したスティンガーを(そもそも収納する場所はどこだか?)
哀れな標的に定め一切の躊躇もなく発射した。

「な、なんでさ――――!!!!」

お約束の言葉の後に厨房に響く轟音と煙。
普通ならば外の人間に気付かれて当たり前な程の影響を及ぼすであろうが。
ここは何が起こっても不思議でないアーネンエルベ、ゆえに外の人間には気づかれないほど防音設備が行き届いている厨房などあって不思議でない。
さらに言えば衝撃で用意してあった料理の数々が汚れたり散乱することもない、というご都合主義もまかり通っていた。

「いててて、おいおい。
 いくらこのオレを起こすためとはいえ、少しやりすなんじゃないか?」

煙が晴れた先から現れたのは被害者衛宮士郎ではなく、全身に刺青を入れた少年であった。
より正確に記すと彼の殻をかぶった悪魔、アヴェンジャーが表に現れた。
そしてくそ、という前置きが着くほど真面目な衛宮士郎と違い、悪魔は砕けた口調でわざわざ自分を起こした理由を問うた。

「駄犬、この私の、
 いえ、私たちのエンターテイメントのために
 この程度の労力など惜しむわけにはいかないわ。」

「エンターテイメントのためだけにオレを起こしたのかよ!!相変わらずアンタは無茶苦茶だな!!?」

愉悦に満ちた笑顔で即答したシスターの言に突っ込みを入れるアヴェンジャー。
せめてもっともっともらしい理由で呼んでほしかったと悪魔は内心で落ち込んだ。

「というわけで、貴方にはアーネンエルベの店員をしてもらいます」

「おい、待て。待て待て待て。
 話の展開が見えないしそれならこの正義厨に任せておけばいいだろうが」

そもそもそれなら衛宮士郎に任せておくべきだろうとアヴェンジャーは疑問を投げかけるが。

「言ったでしょ、エンターテイメントのためだと。
 貴方を皮切りにFateキャラは今日1日カオスと混乱、ご都合主義に色モノの安売りセールを始める予定ですから。
 そして彼らの弱みを握ることで私の冬木支配もまった一歩前進するでしょうし、私の趣味もまた・・・ふふふ、楽しみです」

「・・・・・・・・・・・・・・うわぁ」

おっかしいなぁ。
ホロウではこれおど饒舌じゃなかったし、もっと聖者のイメージが前面に打ち出されていたはずなのに。
などと、アヴェンジャーはすでに遥かかなとの思い出となってしまった在りし日のカレンとのギャップに感傷に浸る。

「言っておきますが、拒否権はありませんよ」

守りたくなるような笑顔でカレンは命令を発する。
だが、実態は命令な上にもはや脅迫の域に達する最低の言葉を最高の笑顔で述べていた。

「・・・それでもあえて一応聞くけど、もし拒絶したら?」

「その時は、まずこの謎の白い液体で流行の男の娘になった上で魔法小・・・」

「貴方にしたがいます。イェッサー!」

瓶に入った謎の白い液体を手に不穏極まりない単語をスラスラとのたまうカレンに、男としての尊厳を死守することを優先したアヴェンジャーは反抗を放棄した。
そう、誰にだって、色モノはあってもおかしくないが尊厳を捨てるレベルには彼といえども負けを認める他はなかった・・・。

「では、期待してますよ。アヴェンジャー」

計画通り、とばかりに満面の笑みを浮かべるカレン。
対して悪魔はこれから起こるであろう悲劇と喜劇に絶望に似た感情を抱いた。


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おススメ動画 【fate/mmd】バーサーカーでキルミーダンス

2012-05-20 22:39:52 | おススメ動画
【fate/mmd】バーサーカーでキルミーダンス


なんというバーサク状態www
本編でもこのくらい吹っ切れていたらセイバーと仲直りできたのに・・・
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(短編)Fate/Zero hollow ataraxia~ランサーズヘブンぱーと2 Part1

2012-05-11 22:57:26 | 習作SS
視点:士郎


空は快晴。
強い日差しは季節の感覚を麻痺させる。
海風は頬に心地よく、ウミネコの鳴き声が寂しさを緩和させる。

文句のつけどころのない絶好のロケーション。
散歩が趣味な葵さんや最近ライダー(間桐家)に誘われてサイクリングに励むバーサーカー(間桐家)の清涼剤になりそうな冬木の港。

しかし、そこは初めから異次元空間へと突入していたっ!!

「ふふ、6匹目フィッシュ!!
 アーチゃーのいう通りここは実によい釣り場です。
 む、ランサー貴方はまだつれないのですか、可笑しいですね私はこんなに釣れているのに?」

「せ、セイバァーーー!!?」

幸薄槍兵の背後に陣取る新たな乱入者、それは以外にもセイバーであった。

しかも今のセイバーの姿はポケットだらけの上着に、地味な野球帽。
下の方はいつもの青いスカートではなく、業務用の頑丈なズボンに釣り人専門の長靴まできっちり履いており。
冬木の波止場をより異次元空間化するのに一役買っていた。

「楽しそうだな・・・騎士王」

「ええ、無論です。おっと・・・7匹目フィッシュ!!!!」

やや疲れ気味にランサー(4次)が嫌味を言うが、
王は人の気持ちは分からないとばかりにセイバーはより釣りに没頭する。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

翻ってランサーはというと、脇に鎮座する濡れた長靴の山を見ると。
「ハズレとして長靴を釣ってしまう」という今どきの漫画でも目にかからないシチュエーションに陥っているようだ。
・・・流石、幸運Eは伊達でないと言ったところか。

「おっとどうやら今日は先客がいたようだ。
 ・・・おいおい、セイバーまであの黒い嫌な奴に染まっちまったのか?」

さらなる第三者の乱入。
振り向いた先に居たのは。

「く、ククククク・・・ク―フーリン殿ぉぉおお!!?」

「いよう、後輩。坊主、久しぶりだな」

我らが兄貴なランサー(第5次)であった。
相変わらず、というべきか軽くどこか清々しい態度は好感が持てる。
その点について真面目すぎるランサー(第4次)は見習うべきだと思って来る。

・・・特に今になってもマスターと昼ドラ関係を保っている事を考慮するとなおさらに。

「む、そっちのランサーですか?
 ふふん、どうです。ここは元々貴方の根城と聞きましたが、
 この通り私の幸運Aは伊達じゃありません。所詮ランサーのクラスは幸運E・・・例え貴方のような騎士でもこうはいかないでしょう」

大漁のおかげか今日のセイバーはかなり好戦的だ。
もしかして、今日の晩御飯が確保されて気分がいいからなのか?

「おうおう、言って見ろ言ってみろ。
 いいぜ、売られた喧嘩は何時も買うつもりだ。その勝負受けて立ってやろうじゃないか」

そして誰よりも喧嘩上等な・・・あ、いや遠坂もそうか。
・・・オホン、とにかく喧嘩屋的バトルジャンキーなランサーはセイバーの挑発に真正面から受け止めた。

「良く言ったランサー!
 このような形で貴方と雌雄を決するが来ようとは!
 どちらが漁港最強か、ここでハッキリさせてもらおう!!」

「てめぇの心臓をもらい受けることはできないが、
 幸運Eをあんまり舐めるんじゃねえぞ。ほら、後輩てめぇも参加しろ。」

「な、く、ク―フーリン殿。わ、わわ私のような未熟者が参加してもいいのですか?」

当然話を振られて驚愕し、うろたえるランサー(第4次)

「何言ってんだ遠慮すんなって。
 同じランサーのよしみとして、この王様に一泡吹かせようぜ」

「ク―フーリン殿・・・」

彼にとってランサー(第5次)は憧れゆえかその言葉に感激している。
頬は赤く染まり、琥珀の瞳は恋する乙女のごとく潤み、唯でさえ女性を魅惑する面構えが余計に魅惑を発揮していた。
アイリさんとか葵さんがこの光景を見たら別の意味で騒ぐだろうなぁ・・・こう、ホモォ・・・と。

「よし、帰るか・・・」

ここから起こるであろう勝負の世界にはもはや入り込む余地はない。
それに、もうすぐ晩御飯の仕込みをしなければならないので、3人の邪魔をしないよう、こっそりその場を後にした。


 
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お久しぶりです

2012-05-05 23:37:43 | 日常
数日前から何も言わずに更新を再開した第三帝国です。
いや、もう。就職活動とか留年とかカウンセリングに単位とか色々理由がありましたが。

    ,. < ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ > 、
    /               ヽ   _
   〈彡                Y彡三ミ;, 待っていてくれた人、見てくれた人。みんな、もうしわけございません
   {\    \|_ \>ー 、  ト三三ニ:}
   人{ >、,___.>、/三 ヾ\ |わ三彡;!
  /./ トミ;,_       Y/  \>ノー~=- "
  V / /!   ̄ ̄ ゝ  |   /  _
  し/'┴──----─''|  ン}\-ヾ彡
              ヾ、___ノー'''`


                  
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(短編)Fate/Zero holloww ataraxia~ミミックトッキー Part3

2012-05-02 14:20:18 | 習作SS
Part3

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

考えもなしに宝石魔術を放ったため、加害者被害者双方ともボロボロになった挙句。
外と連絡が取れる唯一つの携帯電話は見事に破壊されてしまった。
自称優雅な加害者の娘が頭に血が昇ったあげく、うっかりやらかすのは父親の遺伝であると見事に証明された。

「前向きに考えよう、夕方になれば凛に葵も帰ってくるだろう。
 それまでの辛抱だ。時間がねじれているからむしろ早く済むかもしれない」

気を取り直して優雅に服を正し、打って出るのではなく待ちの戦術を採用した。

「・・・・時臣氏、残念ながらしばらく妻子は帰って来ない」

「な、まて。たしか葵はアインツベルンのアイリスフィールと共に、
 同好のよしみでコミ何とかと言う物に参加する聞いていたがそれは次の週では?」

「時臣氏、それは一週間ずれて今週だ」

「・・・・・・」

優雅でカッコいいパパン。
そしてそれにメロメロな妻と娘であったが。
歳を重ねるごとに遠坂の業、すなわちうっかりが顕在化する時臣であった。

「そして凛はあの小僧の家に泊まり込みだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

さらに父親として娘が男の家に泊まり込んだことに落ち込む優雅な貴族であり。
その落ち込み具合はもし間桐雁夜が見たら大はしゃぎしていただろう。(そしてその後蟲ゲロを吐く)

「さて、どうするか」

真っ白になった優雅貴族をアーチャーは放置し次の脱出手段を模索する。
とはいえ、念話は時間の流れがずれているせいで外に通じないし、内からの魔術攻撃も何が起こるか不明。

「やはり、素直に待つべきか。しかし・・・」

しかし、何だろう。
先ほどの電話といいこの宝箱にはいい思い出がなかったはず。
他に何か、とても何か思い出したくない黒歴史があった気が――――。

「内側から解術するには機材がないと無理か・・・。む・・・何だこれは」

「時臣氏・・・?」

いつの間にか復活していた時臣は魔術師らしく調査をしていたが何かを見つけたようだ。

「杖・・・いや。しかしこの形状は・・・だがここにはめてある宝石は間違いなく本物だ。それも特上の物だ」

「・・・・・・・」

遠坂時臣が見つけたのは、小さな女の子から大きなお友達が好きそうな番組に出てくる魔法杖だった。
そしてアーチャーは思い出す、この杖に巻き込まれて発生した生前死後を含めた数々の黒歴史が。
あらゆる並行世界においてうっかり娘を色物キャラに仕立て上げるトラウマ製造機、または麻婆親子にとっては愉悦製造機。

そう、その名もーーー。

「むぅ、凛さんじゃないのが残念ですがいいでしょう。あは、お久しぶりですね時臣さん、それにアーチャーさん」

「ルビぃぃぃぃぃぃやはり貴様かぁぁああああぁぁぁぁ!!!」

ない胸妹を弄ることが趣味な割烹着を着込んだ使用人ボイスで、
嬉しそうに話しかけてきた魔術礼装にアーチャーは叫ばずにはいられなかった。

「さてさて、あのクソ爺が作った箱に閉じ込められたシュチュですね。
 しかも今回は甘酸っぱいボーイ・ミーツ・ガールじゃなくて、汗臭いオールドボーイ・ミーツ・オールドボーイなワイン×弓なんて。きゃあ、アーチャーさんのエッチ」

「やめろ、ルビー。貴様まで貴腐人のようなことを言うな」

マーボー×ワインで妄想する大和撫子な奥様はこれ以上いてほしくないし。
歪に日本の文化に染まった挙句マーボー×スナイパーで妄想する可愛すぎる奥様はこれ以上いらないんだ。などと、アーチャーは内心で絶叫した。
もっとも、昼ドラ組の婚約者が上記2人の影響で槍×先生で萌えるのもいいかも、などと思い始めているなどまったく知らなかった。

「ちっちっち、いけませんね。
 百合百合な濡れ場で興奮したアーチャーさんに文句を資格はありませんよ」

「ぐはぁ!貴様なぜ・・・というか、なんで知っているのさ!!」

ピュアな青年時代の初体験を掘り起こされ動揺するアーチャー。
思わず地が出てしまっている(詳しくはFateの夜の方ので見てね)。

「いいですか?男の子が百合に萌えるように『ホモが嫌いな女子はいません!』」

「やめろぉ!!!セイバーの声でそんなことを言うなぁぁぁぁぁ!!!」

今でも神聖視している思い出が汚され、アーチャーのライフポイントは限りなくZeroに近づく。
そのため周囲への注意が散漫になり、彼はこの後に続く喜劇を止めることは叶わなかった。

「よし、契約は成立と」

「は」

「なにを・・・?」

契約の意味を理解しているアーチャーが思考停止気味につぶやき。
先ほどから蚊帳の外であった時臣が意味が分からず疑問符を述べる。
ついてゆけない2人を残し魔力が愉快型礼装を中心に暴力的といってもいいほどの魔力が吹きあふれる。

「さあさあ、刮目せよ!!かつて時代を先取りした男の娘な魔法少年トッキーが今、再び登場するのを!!」

「あ・・・・ああああああっぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!???」

ルビーの高らかな宣言。そして思い出す、
いや、自ら魔術で記憶を消したはずの記憶が強制的に思い出されて発狂する時臣。
隣にいたアーチャーが今更ながらもルールブレイカーを投影して契約を解除すること試みたがやはり今更で。

「誕生!!魔法少年マジカル☆トッキー!!!」

光とともに、意識が飛んだ

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