二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

弓塚さつきの奮闘記外伝 第6話「午前11:25」Ⅰ

2014-06-17 22:38:58 | 連載中SS

扉か吹き飛び、轟音が響く。
店内の客達は何事かとどよめき、店の入り口に注目する。
そして、発煙筒が店の中に投げ込まれ、店内は一瞬で煙にまみれる。

クラッシックな雰囲気を保っていた喫茶アーネンエルベが一瞬で台無しになった。
それだけでない、折角この雰囲気と共に味わっていた、某主夫自らが調理した数々の美食も台無しになる。

とはいえ、襲撃者にとって幸い。
というべきはこの場に腹ペコ騎士王がいなかったことだ。
もし彼女がこの場にいれば、即座に自身のアホ毛を掴みオルタ化した後に襲撃者を殲滅しただろう。

しかし、それでも休日を台無しにされて店内の客のフラストレーションは上昇。
一体全体こんなことをした馬鹿はどんな奴だ!と殺意と敵意を込めて店の入り口に視線を注ぐ。
淫乱ピンクなキャスターこと、キャス狐もまたご主人様とのイチャラブを妨害され怒りが頂点に達していた。

「ふ、ふふふ。ご主人様とのデートを妨害するなんて……よっぽど死にたいようですね~」

キャス狐の被害は発煙筒の煙だけではない。
投げ込まれた発煙筒の一発がテーブルに直撃してしまう。

一部では都市伝説と言われているが、
全国の童貞があこがれる恋人の食べ差し合いっこする「あーん」の最中にだ。
結果、至近距離から煙を直撃したため全身煙塗れになるだけでなく、美食もスウィート空間もぶち壊れた。

自らの尾っぽが引き起こした騒動の後処理に追われ、
権力や富に関心はなくセラフの片隅の四畳半アパートで死線を潜り抜けたマスター、
いや、自身の夫となる人物と共に静かな日々を過ごしていたが世界的権力側からしかけてくるちょっかいを払い。
さらには、同じく死線を潜り抜けた仲間が持込んだ厄介ごとの処理等などを片付けてようやく一息ついた矢先にまたやって来た厄介事。

結果、キャス狐は全身から魔力を滾らせ、周囲に殺意を撒き散らし怒りを狂っていた。
しかし口は型月世界におって最もスウィートで媚媚なキャラ立ちをしているが、
某割烹着と同様に腹は黒く頭脳は驚くほど理性的かつ計算的であった。

(さてさて、呪い殺すか肉体的に不能にするか迷いますが
 ……英霊に吸血鬼、人造人間に神殺しの類が屯っているここに襲撃を仕掛けるとかどこの馬鹿ですか!?)

キャス狐が内心で突っ込んだように、ここは異能者のバーゲンセール状態。
かつて戦った英霊の存在だけでなく無心にカレーを食らう吸血鬼、店員だが何か訳ありの銀髪シスター。

他にも色々いるが、ここで一つ一つ取り上げていくとキリがない程実に多様性に富んでいる。
そして、どいつもこいつも戦闘力は無駄に高く、こんな場所に喧嘩を売る輩は正直言って馬鹿であるとしか表現しようがない。
だからだろうか、店内の人間は皆喧嘩を売ってきた者が何者か強い関心を抱いた。

ある者は警戒し入り口を睨む。
ある者は好奇心を膨らませる。
またある者はまたカオスな連中がやってきたと達観する。

やがて煙が晴れる。
徐々に写るその姿は人ではなく――――。

「にゃはっはっはー!アーネンエルベは我々が占領したのだにゃー!」


……何だが良く分からないナマモノがそこにいた!






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