二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

黒騎士物語 (ストライクウィッチーズ) Ⅰ-Ⅰ

2010-11-27 14:23:00 | 習作SS
1939年、東部戦線。

カールスラント国境の名もなき村はずれに居た第8中隊から、この物語は始まる。
20年間の沈黙を破り、突如侵攻してきた人類になすすべはなく、戦局は悪化する一方だった。

「おい、シャル。少しは体を休めておけ。」

エリーゼ・フォン・バウアー中尉が部下であるシャルロッテ・シュルツ准尉に話しかけた。

「バウアー中尉、スペアパーツのない整備中隊になんかに任せるられませんよ。
 戦闘中のエンジントラブルは悪夢ですし、自分の「靴」は自分で確かめるのが一番ですよ。」

機械油で汚れた顔をエリーゼに向ける。
やや黒っぽい髪に全体的にまとまった顔は庶民のちょっと可愛げな女の子といった感じで。
貴族の証しである「フォン」がついてピシッ、と決まった金髪碧眼のいかにも貴族のエリーゼとは大違いだ。
もっとも、エリーゼは貴族生まれにもかかわらずシャルロッテと同じく男のような口調で話すが。

なるほど、よい心がけだ。
よい兵士とは命を預けるものに常に整備を怠らないことだ。

そう思っていたときに後ろからノコノコと人が来た気配を感じ後ろを振り向く。

「あ、あの。第8中隊はこちらですか!」

足に陸戦ユニットを履いた12、3歳程度のあなどけない少女が立っていた。
肩についている階級章はウィッチの最低階級である軍曹。

エリーゼたちの薄汚れた軍服と違いピカピカな軍服を着用しており、
今日来ると聞いた新人だな、と彼女は思った。

「君か新任の補充兵は。
 第8中隊へようこそ、中隊といっても動けるのは君と合わせて5人ぐらいだが……私はエリーゼよろしく」                          」

緊張気味な赤い髪の少女と握手する。
オドオドとしたままで、エリーゼはいかにして娑婆っ気を抜かすのか考える。

「今整備しているのがシュルツ准尉、
 隣から順にマイヤー曹長、ハンス軍曹だ。ほら、挨拶しろ」

「はい!クリス・ウェーバーであります」

直立不動で4、5歳離れた少女たちに挨拶する。
初な所がエリーゼ以下、内心可愛さを覚えた。

「さっさと、荷物を片付けろ。クリス・ウェーバー。
 主砲の整備をハンスとやれ、雪が降る前に本物の機械化歩兵にしてやるぞ」

「はい!」
「開閉器に少しでも汚れが朝まで砲弾磨きと歩哨任務だぞ。」
「ハイ!シュルツ准尉殿。」

クリスは駆け足で背負っていた荷物を置きに走る。
視界から見えなくなった時にエリーゼはシャルロッテに話しかける。

「で、使い物になるかあのひよっ子は?」
「愚問ですぜ、中尉殿。使い物になれるか?ではなく『使い物にさせる』のです。」
「そうだったな、時間があまりないとはいえあまり無理はさせるなよ。」
「了解です、中尉殿。」

視界の脇から話題の人物がやってきたのでこの話は終わり、
『使い物にさせる』べく新人教育がこの後されるはず、だった。

低く腹に響くような鈍い音が担当戦区に響いた。
ローマ字で擬音表示するならばDOM!DOM!といった感じだ。

「お客さんだ!
 パーティーが始まるぞ。
 無線を受信に切り替え戦闘準備!」

「了解、新人!ぼさっとするな!」
「や、ヤ―!」

5人の少女たちは陸戦ストライカーユニットに足を入れ。
使い魔とリンクし、ケモノ耳を頭から出現させる。
ペットボトル大の砲弾を腰のパックに入れ、肩にはウィッチ用の37ミリ砲を担ぎ魔道エンジンを吹かす。

「戦闘準備完了!」

3分後、
鋼鉄の脚を履いた戦乙女が即応待機状態で現れた。

『鉄拳より黒騎士へ、
 コード7発生。B6へ急行されたし』

『黒騎士受信せり、出動する』

連隊本部より無線で連絡を受ける。
そして一斉にエンジンがうなり、B6に向け全身を開始した。

「黒騎士3、4兵の右側へ。
 間距離50で前進、攻撃しろ。
 黒騎士2、5と左へ回る成功を祈る。」

ユニットの足の部分から猛烈に泥をはねのけつつ5人の魔女は進む。
やがて前方に指定した丘が眼前に現れ、砲声もこれまでもないほど大きく響く。

エリーゼは思う。

丘の両側にある森林地帯に湿地帯に敵はいないか?
丘まですでに突破されていないか?
いや、それよりも問題は新人か。

横にいる新人ことクリス・ウェーバーを盗み見する。
顔は青く、緊張で風が吹けば今にも倒れそうだ。

戦力的に置いてゆくわけにもいかないから、こればかりはやむえない。
いざとなれば……まあ、なんとかなるだろう。
そう、気軽に考えた。



戦場が見えてきた。




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おススメSS //ネタ//ちょっと辛いストライクウィッチーズ(HEAD MODE)

2010-11-24 21:53:58 | おススメSS
>//ネタ//ちょっと辛いストライクウィッチーズ(HEAD MODE)

淫獣、おっぱい星人、炊事班などと呼ばれる主人公、宮藤芳佳に憑依するSS。
タイトルからわかるように原作より状況が悪化している、よくあるオリ主物の御都合主義でない。

まず、扶桑皇国はすでに滅び、オリ主は憑依した影響で空を飛べない。
そしてルッキーニが『フランカ』と呼ばれ、人見知りが激しく怯えている。

と、こんな感じに当初からハッピーエンドに終わりそうになさそうな雰囲気である。
原作とは正反対な作風は読む者に意外性と新しさを覚えるだろう。

個人的にルッキーニの呼び方の変化以外、気になったのは
2話でミーナが拳銃を渡すシーンで有無を言わさず主人公に『拳銃を持つようお願い』した所。

一体『何』を想定しているのか、
それが気になるがまだ始まったばかり。

今後に期待しよう。


評価 B

ABCD評価

まだ話数が少なく更新できるか微妙なのでB
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おススメSS ストライクウィッチーズ・モダナイズド・ウォー

2010-11-23 00:04:17 | おススメSS
ストライクウィッチーズ・モダナイズド・ウォー

ストパンSSで舞台は21世紀。
再び現れたネウロイと戦うウィッチたちの物語。

本作品の特徴として作者の現代兵器に対する深い知識とそれを支える文章力。
まったくのオリジナルにも関わらず作者が構成する世界観の奥深さ。

数あるストパンSSでも最高の作品かと思います。


評価A
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おススメSS 濁流のフェルナン

2010-11-18 16:32:39 | おススメSS
濁流のフェルナ

数多くのアンチ系ゼロ魔SSの中でも特に際立っているのがこの作品。
人間不信なオリ主が洗脳上等、肉奴隷上等な性格で、人としての良心?なにそれ食べれるの?そんな外道SS
だが、構想に展開がしっかり作りこまれており読み物として読む価値あり。

主人公以外のオリ主がいるせいで召喚まえから既にぐちゃぐちゃなハルケギニア。
ただでさえ無能王(笑)な王様がオリ主を仲間に加えたせいでとんでもないことに・・・。
つーか、よくある『ぼくのかんがえたオリ主(笑)』な能力乱発でこれはひどいカオスで外道な状況に(もっとやれ)







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ヴァルハラの乙女たち 1話  「はじまり」  

2010-11-14 04:09:21 | 習作SS
「う・・・・・?」

随分長く寝ていたようで意識がはっきりするまで時間がかかった。
しかし酷い頭痛が未だに頭に響いている。

「目が覚めたかね?」
「はい・・・・え・・・・。」

振り向いた先に白い服を着た男性は医者という職業の人間だと分かるが


それよりも、


「おじさん、どうして体中に『線』が書かれているの。」
「何を言っているのかな?線なんてどこにもないが大丈夫かね。」

脳に障害でもあるのか、とブツブツと医者は呟く。

でもボクにはそれが見える。
それが『死』を表すものであると脳髄が訴えている。

アタマが、いたい。

「それより君は自分の名前は分かるか。」
「名前・・・・・・・・。」

そうだ、名前。
自身のアイデンティティーたる名前は・・・・・。

「・・・ゲルトルート・バルクホルン。」
「ふむ、自我の認識には異常はないようだ。」

違う、ボクは××××だったはずでゲルトルート・バルクホルンなんかじゃないのに。
なのに、自分はゲルトルート・バルクホルンだと認識してしまっている。

「ところで、何か体に違和感を覚えないかな。」
「違和感?」

違和感なんて体の作りが幼女体系で頭痛はするし
しかもアソコがあって違和感だらけ・・・・アソコがある?

「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「その様子だと分かったようだね。」

股間にはなぜか前世で見慣れた代物が鎮座していた。







はっ、はっ、はっ

走る、走る
もう息が切れているがそれでも走る。

ひ、はぁ、はぁ

あんな所に、
ただでさえ『死』が多い場所にいたくない。

はぁ、はぁ、はぁ

自分は知っている。
この『眼』が何であるかを、だから余計に病院にいたくない。

はぁ・・・はぁ、はぁ


やっとたどり着いたカイザーランドが見渡せる病院の丘に倒れ込む。
そんなに距離がないはずなのに直ぐに疲労するこの肉体が忌々しくてしかたがない。

『眼』から見える世界がとても怖くてしかたがない。
不可不思議な能力を手に入れた喜びと好奇心よりもこの場合恐怖が勝っている。

ぜえ、ぜえ、ぜえ

臭いほど青く生い茂る草のなか
これから起こり得ること、この後についてボンヤリ考えていた時に、

「これ、こんな所で寝ていると蹴られるぞ。」

老人にカールスラント語で上から話かけられた。
今思えばその人に会わなかったら私はきっと自殺か廃人にでもなっていただろう。
あの人のおかげで今でも生を謳歌することができ、私がこの世界で生きることを決意できた。








『バルクホルン、バルクホルン大尉』
「ん、おう。ミーナか、すまん少しボーっとしていた。」

無線の応答にこたえる。
今飛んでいる透き通った空を見ていて、この世界に初めて来たときの出来事を思い出した。

いや、まさか世界を渡り歩く某型月キャラの人に出会うなんて思いもよらなかったよ。
そしておかげでこの厄介な眼、「直死の魔眼」をなんとか制御できるようになった。


直死の魔眼


型月系作品において最強クラスの異能。
物体の死を理解できてしまい、あらゆる存在そのものを殺せるというチート能力。
が、私はどこぞのツンギレと違い身体の出来は両性を覗きほぼ一般人。
後天的に得た事もあり、脳に対して負荷を受けるのは絶倫メガネと同じ。

このチート能力の使い方としては単純に死の「点」を撃ち抜くことなのだが、
小型ネウロイは狙いにくいのでまず使えず、狙いやすい大型ネウロイか動きの遅い陸上型しかあまり使えない。

加えて脳の負荷を考慮すると長時間継続して使用できない。
無理に使用してひどい頭痛に襲われ、気がそれた瞬間に逆に撃墜されたのは一度だけではない。

こんな感じに、メリットはあるがデメリットも結構大きい。
でも、それでもこの能力は大いに役に立っている。特に撃墜困難な大型に対してはかなりいい。

「上昇速度変わらず、高度1万突破。」
『スペックどおり、さすがタンク博士設計のユニットね。』

まあ、それは置いておき現在試験飛行をしている。
『男物の短ズボン』の下の足に装着しているストライカーユニット名はTa152H。
<原作>では登場しなかった機材を使っている。


Ta152H


史実では1万メートル以上の高高度で追撃にあたる高高度戦闘機として開発された。
カタログ性能の高さから「世界最強のレシプロ戦闘機」とも称されるが、敗戦末期の生産体制の弱体化。
熟練工不足でエンジンそのものの出来具合の悪さで高速度性能が生かしきれずにいた。

しかし、ここでは生産設備がノイエ・カールスラントにのがれたこともあるが、
皮肉なことに史実ではその設備を爆撃したアメリカにあたるリベリオンが味方で、
史実のドイツ兵たちがうらやむほど豊富な物資の供給が受けられる。

高オクタン価燃料に精度の高い工作機械。
それらが供給されるおかげでカタログ値どおりの最高速度760キロまでだせる名機になった

『あー、うらやましいなあ。改造させてもらえないかな。』
「うっさい、誰が譲るか。」

隊内1位のおっぱいを持つシャーリーが無線で割り込む。
む、今日は滑走路で日向ぼっこするとか言ってた気がするが。ま、いいか。

『んじゃあ、後でおっぱい触らせてあげるからさあ。』
「却下。」
『おやおや、初めての時はあんなに初々しいかったのに最近冷たいなあ大尉殿は。』
「うぐ、」

ちくしょうめぇえぇぇぇ。
だって中途半端に男の子の機能があるせいだもん。
あんなおっぱい三次元で見たら誰だってそうなるもん。
眼前で16歳の(ここ重要)けしからんおっぱいぷる~んぷるんされたら股間がテポドーン!

『・・・・ジャンクにされたいのかしら。』
『すみませでした!』
「我々の業界ではむしろ御・・・いや冗談だ。」

割り込みされて怒り心頭なミーナは相変わらず怖かった。
銀ボイスにシャーリーは思わず速攻で謝罪したほどに。
私はさっきのノリでいらんこと口走ったけど。聞かれてない、よね?

『それと、バルクホルン大尉は御褒美にジャンクに――――えっ?』

戸惑いの声。
僅かに響く人工的な音。
これは――――サイレン。

『っ!ネウロイ!』

ああ、そうか。
今日がその日だったのか。
扶桑艦隊が来ると聞いていたが今日こそが<原作>が始まる日だった。
<原作知識>も記憶がだいぶ薄れていたせいですっかり忘れていた。

「中佐、私なら今すぐ行ける。武装もある、命令を。」
『・・・・まだ履いたばかりの試作機よ。』

もともと上昇テストの後に新型武装の射撃テストもする予定だったから武装してある。
しかし、ミーナが言わんとしていることは理解できる。慣れないユニットで出撃すればそれだけ生存率が下がることを。

「以前のように無茶はしない、約束する。」

『・・・わかりました、バルクホルン大尉。
 ただちに南南西150キロ先の扶桑艦隊の護衛にあたりなさい。なお、ネウロイに関する情報は追って連絡します。』

「ヤボール!(了解)」

許可は出た。
方向を南南西に向けて加速する。

「・・・・・。」

僅かないらだち。
この世界に来た当初からこの世界に関する知識に穴があったとはいえ。
なぜもっとこの事を思い出せなかったのか。


後悔 無念 


もし、それを覚えていたならば対策のしようがあったはずだ。
例えば送迎という名目で護衛のウィッチを派遣して、『たまたま来たネウロイのため』護衛任務になるよう仕向けるとか。

原作では描かれなかったが艦隊に多数の戦死、戦傷者が出たはずなのに。
私はそれを止める機会があったはずなのにみすみす見逃した。

「・・・くそったれ。」

ボクはいつだって後悔してばかりいる。
周りは「仕方がない」というが

「知っていたかもしれず、それを防げたかもしれない」

そんな私には後悔以外の感情が湧かない。
よりよい未来へと選択できたかもしれなかったのに、私はやらなかった。


だけど・・・・。


「私にできること、それをやるしかない。」

150キロの距離は時速760キロで移動する私にはあっという間の距離で、
眼下の大洋上に巨大な黒い物体が赤い光線を吐いているのが手に取るがごとく見えた。

爆発、それに水柱。
対空砲火の弾幕に低く轟く砲声。

「こちらゲルトルート・バルクホルン。坂本少佐、聞こえますか?」

『バルクホルンか!どこだか知らないがちょうどいい時に来た。
 ネウロイのコアは尻尾にある。わたしが囮になるからそこを狙え!』

りょーかい。
まかせろ、もっさん。

「了解、これより攻撃にはいる!」















続いたよ。
なんとか・・・。
コメント (3)
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