冬木市には優しい聖杯戦争
第四次聖杯戦争のサーヴァント入れ替えのSS。
このSSのテーマは対軍宝具や建物が爆破、民間人の犠牲皆無。
と、毎回死者多数の聖杯戦争とうって変わってタイトルのとおり冬木市に優しい聖杯戦争です。
セイバー:騎士王
ランサー:ディルムット
アーチャー:ロビンフッド
キャスター:玉藻
ライダー:アスフォルト
アサシン:ハサン
バーサーカー:切り裂きジャック
金ぴかも居なければ征服王もいない聖杯戦争。
猟奇殺人鬼のマスターはおらず変わりにフランシスコ・ザビエルがマスターに選ばれる。
セイバーを除けば町を巻き込むような派手な宝具を持つ英霊はなく、
一見セイバー陣営の勝利に揺るぎがないように見えるが協力すぎるがゆえに全ての陣営から眼をつけられ……。
メタいネタにギャグが少々ありますが、予想外の展開とキャラの動きが大変面白いです。
2月15日で完結済みなので安心して読めます。
「…あの場にいたほか2人のサーヴァント、どう動くつもりなんだか」
こんな言い方はおかしいが、自分、つまりロビンフッドは圧制への反逆者であり犯罪者だ。
だがその時代の圧制もあって、いまや『自分達』は英雄として語られている。
反面、ハサン達は時代の流れもあって、教団のトップでありながら善良だとは思われていない。
だが、どちらも闇討ちを専門とする襲撃者だ。セイバーやランサーのような正面からの強さはない。
そして、どうにもあの場に集っていた観戦者たちは、自分達と同類のように思えたのだ。
その姿を見たわけではなく、単に雰囲気のようなものを感じただけだが。
似ているようで、異なっている、後ろ暗さを感じずにいられない。
おそらく、ハサンも同様の感想を抱いているだろう。
正面から戦えないのであれば、側面ないし背後をつくのは当然であるが、
ランサーが脱落し、残る六騎中四騎が闇討ちを得意とするのであれば。
「ご愁傷様としか言えないぜ」
まず間違いなく四騎全員がセイバーを狙い、脱落させるであろう。
だが、その後にどのような戦場になるのか。ロビンフッドは自分と同じ性質の敵を見極める覚悟を固めていた。
言い方は悪いが、闇討ちをして歴史に名を残す奴が、まともであるわけが無いのだから。