「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



他人を叩いてはいけません。
暴力は、よくありません。
殴るなんて、とんでもないことです。

『快適で安全なスタジアム』
温くて嫌な言葉だなって感じていたけれど、
考え直す時期が来ているのかもね。


[追記]
今回の件とは関係ないけれど、
ペンの暴力で誰かを傷付けることも、
許されることではないよね。


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16時の新幹線に乗車。
清水駅からシャトルバス。
日本平着は18時。
山の上の専用スタジアム。
好きなスタジアムだけれど、相性は…。
「平日にココに来ること、多くない?」
「そういえば、電車で来て慌てて帰るって印象強いね」
「しかも結果も・・・で」

2-1で折り返したナビスコ杯準々決勝。
優位であるはずなのに、
余裕は、ない。
GK山岸
DF永田・阿部勇樹・坪井・暢久
MF細貝・啓太・原口・直輝
FW高原・エジミウソン
リザーブ都築・近藤・堀之内・西澤・ロビー・アレックス・セルヒオ
今度は峻希が離脱、ロビーもベンチスタート。
「近藤が入ったね」
「戦力になってくれるよ、これからきっと」
選手層ではなく、選手数が足りない今の浦和。
中断前まであと2試合。
何とか乗り切って欲しい。
勝つことで、調子を取り戻して欲しい。
そうじゃないと、また埼スタの雰囲気が悪くなるから。

厚い雲がホーム側2階席を覆う。
蒸し暑く、息苦しい。
開始1分。
薄くなったサイドを破られる。
「あっ…」
阿部勇樹の足にボールが当たる。
清水先制、1-0。
「オウンゴールかよ…」
機先を殺がれる手痛い失点。
今日もまた、ウチのリズムで戦えない。
「焦るなよ、追い付けばいいんだから」
水曜日、アウェイ、カップ戦。
空席の目立つビジター2階席。
戦う気持ちは、失わない。

「もっと上がっていいんだよ、チャラ」
「頑張れ、しっかり」
失点の影響か、思い切りの良さが消えている永田。
足元で貰おうとするのか、動きが重い選手たち。
霧に覆われる。
小雨に降られたかのように、肌を濡らしていく。
声が、水滴に消されていくような気さえする。
「キツいな、この天気」
動いて繋いで連動するウチのスタイルには厳しい気象条件。
それでも、戦わなきゃいけないんだ。

「落ち着いてやればいいんだ」
「相手だってそんなに強くないよ」
細貝、原口から前線にボールが渡る。
高原がキープ、エジがそれを受ける。
シュートは、決まらない。
「そうだ、その感じだよ」
永田が左からチャンスメイク。
「打て!」
GKに弾かれる。
「取れるよ、追い付けるよ」
引いて守りを固める清水。
「もう引いてくるのかよ」
ヨンセンのマークは阿部勇樹。
殆ど仕事をさせていない。
「取れるよ、今なら」
追い付けば、ウチらしさが戻る。
戻ればこの試合、いける。
そう信じていた。

前半ロスタイム2分。
「危ない!」
カウンターから左サイドを突かれる。
「オカザキかよ…」
清水、2-0。
「さっきと同じだよ、まったく…」
ここ数試合同様、両サイドの裏を取られて失点。
「1点取ってタイブレークか」
延長戦を、覚悟する。
前半終了、2-0。

HT、啓太・永田outロビー・アレックスin。
「攻めろ、ってことだよね」
「1点だ、1点取ろう」
時折小雨が混じる。
汗と湿気と雨で、タオマフもレプリカも重くなっている。
「1泊する用意、して来て良かったな」
着替えならある。
周りも皆、濡れている。
勝てばきっと、気持ちいい風が吹くさ。
信じなければ始まらない。
諦めたら、終わり。
共に、闘うぞ。

アレに往年のキレがない。
「スピードがね、ないんだよね」
綺麗な弾道を描くクロスも、高さで劣る浦和FWに合わない。
「いいんだ、しつこく狙っていこう」
ロビーのボールタッチ数が増える。
リズムが生まれる。
しかしフィニッシュに至らない。
「シュート打たなきゃ」
追い付くには1点、追い越すには2点必要なのに。
鬼気迫るものがピッチから伝わらない。
「うまくいってないのかな」
迷いがあるのか、やり方に拘り過ぎているのか。
62分、セットプレーから失点。
清水、3-0。
「やっちまったか…」
チャンスはウチの方が多いのに、
決定力は清水が上。
「何でだ、何でだよ…」
折れそうになるココロ。
(諦めたら、終わりなんだ)
このまま終わったら、日曜日の雰囲気も悪くなってしまう。
それだけは、避けたいんだ。

「まだ30分あるよ」
2点取れば追い付ける。
追い付けば、きっと追い越せる。
宿は決めてないけれど、最後まで戦う覚悟は決まった。
「さあ、やってやろうじゃないか」
GKとの1対1のピンチは山岸がセーブ。
「ギシくん、ナイス!」
跳ねる、声を張り上げる。
これしか出来ないけれど、
これを止めたらここにいる意味がない。
72分、暢久outヨシヤin。
「暢久、良くなかったからな」
「でも3枚目がヨシヤか」
「セルでもいいのに…」
得点が欲しい。
焦る気持ちは僕の中にも宿っていた。

高原がゴールに迫る。
原口が突っ掛ける。
阿部勇樹のミドルシュート。
直輝のシュートはポストに嫌われる。
「頑張れ!」
「頑張ろう!」
息が上がる。雫が視界を遮る。
ロスタイム3分。
CK、山岸が上がる。
高原のヘッドが外れる。

チクショウ。
悔しい。
悔しかった。


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