おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

買っちゃった。 「勘十郎さんの絵」

2008年05月19日 | 文楽のこと。
 勘十郎さまの絵  08/05/16購入

 うふふふ…。にやけ笑いが止まりません。勘十郎さまの絵を買ってしまいました。先週金曜日(5月16日)、銀座のギャラリー悠玄で開催されていた人形遣い・桐竹勘十郎さまの個展に伺ったのです。20年間に渡って勘十郎さまが描いている国立文楽劇場のスタンプの原画がメインの展示。それに加えて、小学生時代に描いた絵(とても、子どものものとは思えない迫力ある作品!カタカナで書いたお名前のトヨミの“ヨ”が鏡文字になっているのが、わずかに子どもらしさを感じさせます)や、パリ公演の時にスケッチしたと思われるフランスの街角の風景画や、癒し系キツネキャラクターのイラストタッチの絵などもありました。

 何枚かの作品が販売されていたのですが…最終日前日の午後ということもあり、ほとんどのものが売却済み。わずかに残っていた3枚のうちの1枚を購入してしまいました。画題は太閤記、勘十郎襲名前の「簑太郎」のサイン入り。水彩絵の具で彩色されていて、力強く、そして、とても美しい。

 画廊に行ったのは、ただの見物。当初は購入するつもりなど微塵もなかったのですが…もう、絵を見た瞬間「どうしても欲しいっ」という気持ちが抑えられなくなってしまいました。流行モノにもブランドモノにも何の興味もなく、十年前の洋服も平気で着ているぐらい物欲フリーの平穏な精神状態の私の心が物欲で圧しつぶされそうになるなんて…。画廊のディレクターの方からも「こんなチャンスは二度とありませんよ。きっと、ものすごい価値になるから」と後押しされて、その場で決断しちゃいました。

 昨年秋に日経新聞に連載されていた吉田簑助さん(勘十郎さまの師匠)「私の履歴書」を全30回分を今日になって拝読したのですが…改めて、勘十郎さまにとって太閤記が節目節目の演目であることをがよくわかりました。貴重な絵を購入したというよりも、価値あるものを預からせていただいている-という気持です。一生の宝物にして、そして、いずれは、どなたかにしっかり引き継ぎたいものです。

 といっても、絵はまだ私の手元にはなく、画廊にお預け中。再会の日を思うだけで、やっぱり、うふふふと、にやけ笑いが止まりません。