「髭麻呂 王朝捕物控え」 諸田礼子著 集英社文庫(08/05/23読了)
お江戸捕物の小説は掃いて捨てる(?)あれど、平安捕物帖というのはちょっと珍しい印象です。主人公・髭麻呂は検非違使庁(けびいしちょう)の看督長(かどのおさ)。今の日本に置き換えると警視庁捜査3課の係長ってところでしょうか。なかなかいい味出してます。髭をはやしていかめしげにしているものの、実は、超ヘタレ。血を見て腰を抜かすは、何かというと彼女の家にいってウダウダと愚痴をたれる。彼女の家は、母、祖母同居の女所帯で、結婚前からかしましい女家族の中で小さくなっている。その上、特命事項の盗賊逮捕はミスってばかり。
人情話も織り交ぜつつ、捕物帖としてのストーリー自体はよくできているのですが…出だしで「揚げ足取り」モードに入ってしまったので、心から楽しみそこねてしまいました。なんか、言葉がめちゃめちゃなのです。髭麻呂の従者の雀丸は吉本芸人顔負けのコッテコテの関西弁なのですが、他の人物はぜんぜん、普通の言葉使い。髭麻呂の彼女の梓女(あずさめ)に至っては、「~だわ」「~じゃない」みたいな、いまどきの若い女の子と変わらない。お手軽な読み物にするための口語文であるにしても…もうちょっと工夫の余地があるのではないかと。それに、いくら、髭麻呂がダメダメ警察官であっても、さすがに、4回も5回も犯人取り逃がして、お咎めなしっていうのも、いい加減すぎないかい-と思ったり。「お鳥見女房」の方が面白かったかなぁ。
お江戸捕物の小説は掃いて捨てる(?)あれど、平安捕物帖というのはちょっと珍しい印象です。主人公・髭麻呂は検非違使庁(けびいしちょう)の看督長(かどのおさ)。今の日本に置き換えると警視庁捜査3課の係長ってところでしょうか。なかなかいい味出してます。髭をはやしていかめしげにしているものの、実は、超ヘタレ。血を見て腰を抜かすは、何かというと彼女の家にいってウダウダと愚痴をたれる。彼女の家は、母、祖母同居の女所帯で、結婚前からかしましい女家族の中で小さくなっている。その上、特命事項の盗賊逮捕はミスってばかり。
人情話も織り交ぜつつ、捕物帖としてのストーリー自体はよくできているのですが…出だしで「揚げ足取り」モードに入ってしまったので、心から楽しみそこねてしまいました。なんか、言葉がめちゃめちゃなのです。髭麻呂の従者の雀丸は吉本芸人顔負けのコッテコテの関西弁なのですが、他の人物はぜんぜん、普通の言葉使い。髭麻呂の彼女の梓女(あずさめ)に至っては、「~だわ」「~じゃない」みたいな、いまどきの若い女の子と変わらない。お手軽な読み物にするための口語文であるにしても…もうちょっと工夫の余地があるのではないかと。それに、いくら、髭麻呂がダメダメ警察官であっても、さすがに、4回も5回も犯人取り逃がして、お咎めなしっていうのも、いい加減すぎないかい-と思ったり。「お鳥見女房」の方が面白かったかなぁ。