「グロテスク」 桐野夏生著 文藝春秋社 (08/05/06読了)
気持ちの良い5月の連休に、どよ~んと暗い気分に陥ってしまいました。平凡な姉と生まれながらに美しく人目を引く妹の心理的な確執と、全く異なる軌跡をたどる二人の人生をトレースしながら物語は展開。妹は殺されるは、ガリ勉同級生も東電OL殺人事件を下敷きにしていると思しき事件に巻き込まれてやはり殺され、別のクラスメートは医者になったものの、オウム真理教的怪しいカルト教団の幹部となり逮捕され…と悲惨な出来事の連続。いくらなんでも、狭い世界で、これほどの耳目を集める事件は建て続かないでしょう-と言いたくなります。
そして、物語を最後まで読んで、なんの救いも無いことにため息が出ました。というか、最後に、さらに、もう一段突き落とされて「じゃね、終わり!」と立ち去られたような気分です。桐野夏生は、初めて読みました。ドラマ化などもされていて人気作家だし…ちょっと興味はあったのですが、読者は、こんな救いの無い物語を求めているのでしょうか?それとも、他の作品は、もうちょっと救いがあるのでしょうか。今の時点では、五月晴れに相応しくない作家-としか言い様がありません。
気持ちの良い5月の連休に、どよ~んと暗い気分に陥ってしまいました。平凡な姉と生まれながらに美しく人目を引く妹の心理的な確執と、全く異なる軌跡をたどる二人の人生をトレースしながら物語は展開。妹は殺されるは、ガリ勉同級生も東電OL殺人事件を下敷きにしていると思しき事件に巻き込まれてやはり殺され、別のクラスメートは医者になったものの、オウム真理教的怪しいカルト教団の幹部となり逮捕され…と悲惨な出来事の連続。いくらなんでも、狭い世界で、これほどの耳目を集める事件は建て続かないでしょう-と言いたくなります。
そして、物語を最後まで読んで、なんの救いも無いことにため息が出ました。というか、最後に、さらに、もう一段突き落とされて「じゃね、終わり!」と立ち去られたような気分です。桐野夏生は、初めて読みました。ドラマ化などもされていて人気作家だし…ちょっと興味はあったのですが、読者は、こんな救いの無い物語を求めているのでしょうか?それとも、他の作品は、もうちょっと救いがあるのでしょうか。今の時点では、五月晴れに相応しくない作家-としか言い様がありません。