もて木みち子 オレンジニュースブログ版

今年のキーワードはゆっくりやさしく社会を変える

追加 図書館の自由に関する宣言 その2

2012-05-12 | マイ日記

図書館の自由に関する宣言についての補足を。

第3 図書館は利用者の秘密を守る

読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない。ただし、憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする。

図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない。

利用者の読書事実、利用事実は、図書館が業務上知り得た秘密であって、図書館活動に従事するすべての人びとは、この秘密を守らなければならない。

図書館の自由に関する宣言, 日本図書館協会

 

この宣言についての高木氏のコメント

これは法令ではなく協会の宣言にすぎないわけだが、業界の自主的ガイドラインとして機能し、それがこれまで非常に良く機能していたために、図書館法にあえて貸出履歴の秘密の保護を規定するまでもなかったということだろうか。

そうした、いわゆる「soft law」(法的拘束力を持つ「hard law」ではない)による規律というものが、果たして日本で機能するのかが問われるところ


図書館の自由に関する宣言

2012-05-12 | マイ日記
先進地の図書館見学などに行くとこの文言が図書館の入り口や目立つところに掲げられています。これは法律ではありません。図書館協会で作られたものです。三木で去年お呼びした塩見昇さんが理事長をしている全国的な図書館関係の組織です。でもそれは強制とか上下団体ではなく任意の団体です。これからどんな議論が展開されていくかわかりませんが、「くせ者」といわれるものがどんなものか一応お知らせします。赤のところが今回問題になっている部分です。
 そのしたが樋渡武雄市長のブログです。
  
 
図書館の自由に関する宣言(抄)[1]

 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。

第1 図書館は資料収集の自由を有する。
第2 図書館は資料提供の自由を有する。
第3 図書館は利用者の秘密を守る。
第4 図書館はすべての検閲に反対する。
  • 図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
 
 武雄市長物語

僕はね、一言も法令を無視するとも「図書館の自由に関する宣言」を無視するとも言っていないんですね。そもそも、この図書館の自由に関する宣言がまたくせ者。「図書館の自由に関する宣言」「図書館員の倫理綱領」に反する、という意見も見られましたが、中身そのものも僕は話にならないと考えている。まぁこれはいろんな人のいろんな考えがあるでしょう。問題はこの宣言の立ち位置。この宣言は日本図書館協会という図書館関係者の「部分社会」(法学用語)の宣言で、一般社会には法規性は何らないんですよね。図書館関係者で議論や宣言するときはいいのですが、今回のように市民を巻き込んだ話になると、法や武雄市条例に照らしてどうか、という点が重要で、個人情報の問題などはそれで十分議論・整理できると思います。その中で、今回の提携におけるいろんな情報の扱いに関しては、今までの市立図書館の情報の扱いを参考にしながら、別途、これは利用者にとって大切な点なので、武雄市議会での議論の一方で、武雄市立図書館が管理する個人に関する情報の問題である以上、武雄市個人情報保護条例第27条に基づく個人情報保護審議会で議論してもらいます。


女たちが動く ーみやぎの被災した女性たちの支援の記録

2012-05-12 | マイ日記

私といえば図書館といわれるくらい図書館のことはやっていますが、実はメインの活動は、別のところにあります。しかしこうしたブログなどネット上で公開できることではないので、「言いたいことはたくさんあるのに・・・」と思いながら、日々仕事しています。

しかし一方広報しなければならないことはいろいろあるわけで、そのはざまで選びながらお伝えしていきたいとおもいます。

今回紹介したいのはこの

「女たちが動く 東日本大震災と男女共同参画の支援」 みやぎの女性支援を記録する会[編著]21012年5月10日発行したばかりのホヤホヤの本

みやぎの被災した女性たちが同じ場で被災した女性たちの支援に取り組んだ記録

男女共同参画の視点で行政と市民協働で取り組んだ記録

従来災害時に着目されなかった、ワークライフバランス、セクシャルマイノリティ、こどもと大人の中間に位置する若者たちの視点(ガールズなどの活動で注目された)での記録

など、たくさん出ている震災関連の本の中で、表に出にくい視点をきちんと記録した本である。

ともすると非常時に、男女共同参画だの、ワークライフバランスだのと言っている場合か、そんなのは二の次という論議が出てきがちであるが、それらの視点が支援にはとても必要なのだという視点が貫かれている。

一年を経過した時点でこのような本が出版されることに敬意を表するとともに、たくさんの人に読まれてほしいと思う。特に三木女性では防災の会議に、女性が複数はいったと聞く。

女性が入ったのは評価したいが、女性の視点とは何なのかを、十分に学習検討していただくためにもこの本は役に立つと思う。

男が避難所のリーダーで、女は炊き出し係の固定化という発想だけではだめなのだ。