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もんく [とある港街の住人]

糸口は見つかりそうにない

のっぺらぼうな自分には何も言う場所がない。

特に誰からも期待されているでもないので、何も言う必要は無いのである。だが、時には言うべきかと思うこともあるのである。ただ、言ったからと言って相手が素直に聞くか、と言う問題もあるわけで、そう思えばいっそう、言っても言わなくても、実はどちらでもかまわないかもしれないのである。

夫婦間でもそうである。ほとんどの場合、キャサリンさんは何も聞かない。彼女が何か主張する時にはだいたい99.9%怒っている。その内容には一定の真実はある。全面的にではないにしても、それは認める。だから口出ししたり反論するポイントが無いわけではない。

こちらとしてはキャサリンさんを言い負かそうとか、言葉でねじ伏せようなどと言う意図は全くない。一部分、受け入れられない所について、最低限言いたいと思う。人と人が話をするのだから、いつでもどちらかの意見が100%にはならず、お互いに少しだけでも譲歩し自分を曲げる事があっても不自然ではないのだ。

それに、異なる意見を受け入れる方が全体として、そして自分自身としても進歩であるのだから。


今は、何も言う場所がない。一言言ってやるチャンスもない。だいたい電話してくるときには怒っていてかさむ電話代も気にならない時なのである。そうした場合、面と向かっていてもその状態から救い出してやれるものではないのだから、メールでも別のどこかに書いても無駄なのである。

もしこのまま時間が過ぎてしまえば、そう思うと不安ではある。しばらく糸口は見つかりそうにない。
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