地球に夢中研究所

肺ガンIV期。自身のガンを治しつつ、世界の人々の健康への貢献を目指す、「地球に夢中研究所」代表 太田和廣の日記。

書評、吉田修一「悪人」、重要な追記

2010-10-25 20:13:27 | 文化
流石は稀代のストーリーテラー吉田氏、エンディングで主人公初め各々がそれぞれの道を見つける展開は圧巻
上下二巻という大作、なるほど、一人の人間の死(殺人)にまつわる関係者の心をここまで深く描くにはこれだけの分量がいるわけだ
この本は、虐待や出会い系やといった時事問題を含みながら、基本「恋の力」話である
というわけで正直私にはちょっとキツい
恋のパワーをまだ信じることが出来るあなたにとっては、忘れられぬ一冊となるだろう
それとも、と、ふと思う
人は、「恋」を通じて「愛」を知る
親から愛を受けなかった人間にとっては、恋はこれほどまでに狂おしく愛しいものなのだろうか

---

読んだ直後、整理出来ぬまま恥ずかしい書評を書いた
これ、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」ばりの大傑作である
最後の一行、吉田氏は登場人物のセリフを通してある問いかけをする
私は、素直に(というのも変だけど)、反対の意味にとった
だがそんな単純な話じゃないことに気づいた
恋は落ちるもの、愛は意志、なんてクールに構えてるあなたにこそ、忘れられぬ宝玉の一冊となるだろう

最新の画像もっと見る

コメントを投稿