地球に夢中研究所

肺ガンIV期。自身のガンを治しつつ、世界の人々の健康への貢献を目指す、「地球に夢中研究所」代表 太田和廣の日記。

書評、石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」〓~〓

2009-09-23 13:03:30 | 文化
全くやられた!
ただのガキのドンパチさわぎ、なのになんて面白さ
一冊に話は4つ、春夏秋冬、主人公の高卒八百屋店番マコトの語りで話は進む
一冊目を買ってしまったが最後、文庫化されてる七冊一気に制覇してしまった
ドタバタ話だって舐めたらいけない、これは極上の「小説」だ
マコトの語りは鋭く無駄がなくそれでいて豊かな描写、小説ならではの切り出し方が極上のストーリーを見事にあやどる
勉強できないやつでありながらクラシック好き(これも物語のなかでそうなる)という相反しそうな設定が見事にハマった音楽小説でもある
私はクラシックはほぼ知らないが唯一思い入れがあるベートーベン「春」がテーマの時はマコトが(石田衣良が)この曲に対し私と同じ感じ方をしてることが妙に嬉しかった
自称クリエーターの私は勉強のため流行りの小説家に時々手を出す
大概は一冊でこりごりする
石田衣良の場合は微妙だった
スローグッバイ
ラスト
タイトル忘れた
と三冊進んだ
「スローグッバイ」は手応えがあった
ところが「ラスト」は身の毛もよだつ気持ち悪さ、当分は石田の名前を見るのもいやだった
でもそれって逆に才能やんなあ、なんて思って次の作品、名前忘れ、短編の一つ一つに作者の解説がついてて技巧的なネタばらしがなんか鼻について再び敬遠、今回の最強シリーズに行き着くまで長い道のりだった
知らなかったけど、十年前にクドカンがテレビドラマ化したんな
最終回だけユーチューブで見て感心した
小説ならではのこの世界を、テレビドラマならではの世界に見事に作り替えてる
(いや、クドカンならではの世界、ていうべきか、彼の場合普通のテレビじゃないから)
まだ文庫化されてない作品あるし、更に続編が近々出るらしい(雑誌で広告を見かけた)
楽しみである
各ストーリー、その時々の時事ネタを扱ってる
今なら何だろう
政権交代かな(笑)
早く文庫化されないかな

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