温泉クンの旅日記

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京都・九条、東寺(1)

2024-01-28 | 京都点描
  <京都・九条、東寺(1)>

 京都のランドマークといえば、すぐ思い浮かぶのは<京都タワー>ともうひとつ、東寺の<五重塔>だろう。
 大阪以西への出張のとき、京都駅を新幹線が出るとすぐ左側に見えてくる塔が東寺の五重の塔だ。それを往復で、何度も何度もみた。
 その、京都らしいひとつの風景を瞬間に胸に刻みつけ、いつか訪れてみたいなと思うほんの滴(しずく)ほどの“念望”をその都度持ったのはわたしだけだろうか。

(駅からも近いし、この際行ってみるか・・・渉成園も訪れたことだし、な)
 東寺は京都駅八条口を出れば、歩いても15ほどしかかからない。歩くのが大の苦手だったり、灼熱の猛暑日やひどい雨模様の日なら、近鉄の京都線でひと駅先の 「東寺駅」で降りれば距離を半分節約できる。

 平安建都の際に、都の南玄関「羅城門」の東に作られた「東寺」は、正式名称が「金光明四天王教王護国寺秘密伝法院」、略して「教王護国寺」と呼ばれる。
「いったいナンなんだ、このびっしり埋め尽くしている露天は!」

 

 東寺の正門である“南大門(みなみだいもん)”を入って、正面に建つ、東寺本堂である「金堂」前の広場に群れなすテントをみて呟く。九条通りの寺周りの堀端沿いの路にも、歩きづらいほどの露天が連なっていた。
 あとで知ったが、空海(弘法大師)の月命日である21日に開催される「弘法市」であった。飲食の露天の他に骨董などの古物、雑貨、衣料、植木、履物、玩具など約1300店もの店が並ぶそうだ。ついでだが、毎月第1日曜日には骨董市も開かれている。
 境内一帯に“閑静”は欠片もなく、“騒然”といった感じ。まったく、風情もなにもありゃしない。月に一度、にブチ当たったとは運がいいのか悪いのか。

 

(おっといけない、いけない。目的は五重塔だった。あっちの方だな!」
 混雑のなかを、右手の五重塔方面に進むと、拝観料を徴収する仮設のようなテントを見つけた。

 

 東寺の五重塔は高さ約55メートルを誇る、日本一の高さの国宝指定の木造建築物だ。落雷など様々な原因で4度焼失したが、その度に修復され、現在の五重塔は徳川家光の寄進による江戸時代前期の塔である。
 五重塔は仏塔で、仏塔とは、釈迦の遺体や遺骨を安置した仏教建築のことをいう。弘法大師空海が唐から持ち帰った釈迦の遺骨が収められている。塔の内部は通常非公開だが、正月、春、秋に初層が特別公開される。

 

 五重塔とは層塔と呼ばれる楼閣形式の仏塔のうち、五重の屋根を持つものを指し、下から地(基礎)、水(塔身)、火(笠)、風(請花)、空(宝珠)からなるもので、それぞれが5つの世界(五大思想)を示し、仏教的な宇宙観を表す。
 近すぎて見えないが、塔の一番上にある金属製の部分は相輪(そうりん)と呼ばれ、下から露盤・伏鉢・請花・九輪・水煙・竜舎・宝珠で構成されているそうである。

 

「瓢箪池」の水面に映る五重塔と桜とか紅葉も情緒があり、写真スポットとしても大人気だそうである。

 

 東寺の境内には、染井吉野や枝垂れ桜や遅咲きの八重桜など約200本の桜があり、五重塔を背景に咲く八重枝垂れ桜は「不二桜」と呼ばれ、弘法大師の「不二のおしえ」にちなんで名付けられたという。


  ― 続く ―


   →「東本願寺別邸、渉成園(1)」の記事はこちら
   →「東本願寺別邸、渉成園(2)」の記事はこちら
   →「東本願寺別邸、渉成園(3)」の記事はこちら


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