温泉クンの旅日記

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日田・豆田町界隈

2012-02-12 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <豆田町界隈>

 日田は江戸時代には幕府直轄の天領地であった。
 日田には温泉もあるが歴史は浅い。三隈川沿いに温泉街があり十軒ほどの旅館が軒を並べている。夏場には川で屋形船に乗っての鵜飼観光が売りとなっている。



 日田駅前の駐車場に車を止めて、駅の並びにある観光案内所で「豆田町(まめだまち)」が載っているパンフレットを手に入れた。
 ついでにそこまでの簡単な道案内を乞い、すぐさま車に戻る。

 地方都市の駅前駐車場では車を止めてから一定時間、たとえば三十分とかが無料であったりする。この日田駅もそうだ。首都圏ではおよそ考えられないが、送迎やちょっとした買い物などにたいへん便利である。記憶によれば山口県の岩国駅もたしか同じだ。

 豆田町に入ると、パンフレットであらかじめ覚えこんだ無料駐車場がすぐに見つかった。
 この豆田町だが、いまも古い町並みが残っていて九州の小京都ともいわれている。
 花月川沿いにある伝統的な商家が集まった地区で南北に「御幸通り」、「上町通り」の二筋の通りがあり、国の「重要伝統的建造物群保存地区」として選定された町である。盆地だから気候も京都によく似ていて夏は暑く、冬は凍てつく寒さだ。

 慶長六年、小川光氏が丸山城を築城する際、城下町として建設された。江戸時代初期から天領となり、九州における商業、金融の一中心地として栄えた。
 重要文化財の「草野本家」があるところで、道がクランク状になっている。





 敵が侵入してきた時のために、町の出入り口の道を直角に曲げて造った。鹿児島の知覧武家屋敷や、山口・萩の「鍵曲がり」など旧城下町によく見られる作りで、これを「枡型」と呼び、わざと見通しを悪くして距離感を狂わせ、敵を待ち伏せしたりするためといわれている。

 御幸通りでは電柱を撤去し地下に埋設し、それにより国土交通省より「美しいまちなみ大賞」を受賞している。



 二つの通りをいくつもの路地が結ぶ。
 その路地にも店が軒を並べていてぶらぶら歩きを飽きさせない。

 天領日田資料館には、天領時代の書画骨董や古文書などを展示している。



 この家屋だが、とても薬局には見えない。



 界隈を歩いていると、それぞれの通りの一角に鰻を焼く香ばしい匂いが立ちこめている。



 どちらの通りにも由緒ありそうな鰻屋があるが、たぶん柳川のと同じく関東ものには甘すぎる鰻のせいろ蒸しだろう。

 薫長酒蔵資料館である。





 カフェ・ギャラリー、蔵元の店があり、車でなければ江戸時代から連綿と続く蔵元の酒や焼酎をちょこっと試飲を楽しめるのだが、残念至極である。


  →「続・二日市温泉」の記事はこちら
  →「知覧武家屋敷(1)」の記事はこちら
  →「鍵曲がり」の記事はこちら

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