温泉クンの旅日記

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おごと温泉(3) 滋賀・大津

2021-07-25 | 温泉エッセイ
  <おごと温泉(3) 滋賀・大津>

 温泉好きの朝は滅法早い。
 どうせ朝風呂を堪能してから、戻ってグースカとちゃっかり至福の二度寝をするのだろう、との深読みはスルドイがちょいと惜しい。おごと温泉にはそれほど強烈なパワーも、炸裂するパンチ力もかなり弱いのである。
 
 浴場に向かう足取りも二日目なので下忍走りよりは多少の余裕がある。更衣室で、既に入浴を済ませ着替えて出て行こうとする先客に目礼したが、さすが同好の士、すこぶる朝が早い。  よしよし、今朝もどうやら独り占めとなりそうだ。

 

(おぉ~、ちょうど朝焼けの時間とは、なんとも果報者であるな・・・)
 想像もつかない古のころから繰り返してきて、途方もない数の人びとがため息を思わずついた絶景なのだろう。悠久の時の流れを一瞬であるが感じてしまう。

 

 その形が「琵琶」に似ていることから名づけられたという(由来は他にもあるがこれが一番いいな) “琵琶湖”は440万年前に生まれた世界有数の古代湖であり、滋賀県の面積の六分の一を占め、堂々の日本最大の湖である。
 琵琶湖は俗に「近畿の水瓶」などと呼ばれるが、滋賀としては単なる貯水ダムのような扱いの、その表現が面白くないようである。

 

 

 琵琶湖には約450本の流入河川があるが、流出河川は瀬田川の1本のみである。宇治川、淀川と名前を変えて大阪湾に至り大阪府や兵庫県へ、そして琵琶湖疏水に加えて京都府への水資源となっている。

 もっとも京都盆地の地下には約211億トンの水、琵琶湖の貯水量約275億トンに匹敵する莫大な量を貯水している。
 京都の老舗料亭などは、それぞれがこの湧き出る名水(井戸水)で出汁を引いているところが多く、その引いた出汁を使った料理でも琵琶湖産のビワマス、小鮎、ホンモロコ、イサザ、ゴリ、スジエビなど高級食材となっている。

 

 露天風呂での夕陽とかもジツに得難いものだが、朝陽よりはいろいろクリアしなければいけない条件が多く、べらぼうに温泉を訪ねていてさえそうそう体験できるわけでもないのだ。まずは到着時刻に縛られるし、宿の立地、晴れているという気象条件だったりね。

 

 車がいっぱい停まっていた入口前の駐車場が、朝はガラーンとしていたが宿泊客は少なかったのだろうか。いつ行っても大浴場はほとんど独り占めだったし。

 宿賃の話だが、Go-Tpキャンペーンの適用はないので、B&Bなのに13,200円である。もっともそれに“千二百ポイント”をつぎ込んだけど。わたしの基準では二食付き料金並みといえるので軽い業腹気分。
 部屋は西館の十二畳の和室と広めだった。独りは割高になるとはいえ、二食付きだと二万近いと覚悟しなければいけなそうだ。

 昨夜の夕食は、京都駅で駅弁ゲットを予定していたが適当なものがみつからず、山科駅の近くの志津屋でみつけた「カルネ」と「ビフカツサンド」だった。

 

 元祖ビフカツサンドはまあ思った通りの味。

 

 カルネは丸いフランスパンにマーガリンを塗ってハムと玉ネギ挟んだ超シンプルなシロモノなのに、思った以上に極上の、トンデモナイ旨さで「ああ、失敗。もう一個買っておけば良かった!」と歯がみしてしまった。
 フランスのソウルフードに「ジャンボン・ブール」といって、焼きたてのバゲットに上質な豚もも肉のハム(ジャンボン)とたっぷりのバター(ブール)のバゲットサンドがあるが、あれの京都版みたいなものかもしれない。

 

 足らなかったら持参のカップラーメンかフロント奥のローソンで調達と思ったが、遅い昼メシのせいもあって、つまみ代わりの名物パンだけで充分満足したのであった。

 朝食は七時から、食事会場で和定食だった。
 コロナ禍なので「鑑識班総動員みたいな、使い捨てエンボス手袋をつけてのバイキング」を覚悟していたが、銘々に供されたのがありがたかった。

 

 

 百点満点の朝食メニューとはいえないが七、八十点は間違いなく、ご飯を軽く二杯は食べられる皿数であった。

 

 

 あ、そうだ。おごと温泉とまるでセットのように登場する、堅田側の湖畔に浮かぶようにたたずむ「浮御堂(うきみどう)」へ行きたかったのに、温泉ばかりに目が眩みすっかり忘れていた。
 まあいいや。宿泊したホテルからは約4キロと徒歩でいくにはちょっと離れている。次に来たときにとっておこう。



   →「おごと温泉(1)」の記事はこちら
   →「おごと温泉(2)」の記事はこちら
   →「遥かなる知床、ウトロ温泉へ(3)」の記事はこちら


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