ニョニョのひとりごと

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2012・2・15 コラム⑦ 「吹奏楽と詩の夕べ」に参加して

2012-12-21 10:02:44 | 詩・コラム
*1年のまとめ



コラム⑦  「吹奏楽と詩の夕べ~武庫の流れと共に~」に参加して  (2012・2・15)


 「第2回神戸朝鮮高級学校コンサート 吹奏楽と詩の夕べ~武庫の流れと共に~」が阪急宝塚のソリオホールで行われました。河津聖恵さんと私も,応援朗読に駆けつけました。

 会場一杯に大勢の日本の方、同胞の方がいらしていました。

 昨年、12月22日にコンサートを開催する予定でしたがあまりにも突然な悲しい国喪があり、急遽延期になったのです。

 6時半きっかりに「朝鮮学校を支える宝塚市民の会」代表の田中ひろみさんの司会でコンサートが始まりました。まず最初に実行委員会を代表して佐々木基文(高野山真言宗 西光院の御住職)さんがご挨拶をされ、その後すぐ、詩の朗読が始まりました。

 河津聖恵さんは「ハッキョへの坂」、続いて私は「ふるさと」を朗読しました。私たちへの紹介が先にあり、生まれた場所が青森である事が伝えられましたが朗読の前に「実は初級学校は兵庫の園田でした」と伝えると一瞬、「へぇー」とかの声が聞こえたような気がしました。(余談です)

 二人の朗読の後、いよいよ学生たちの出演です。黒いカッターシャツにエンジ色のネクタイをかっこよく締めた吹奏楽部の演奏は、最初から華やかで、観客の手拍子が自然に鳴り響き、雰囲気を盛り上げてくれました。

 司会の学生が、流暢な日本語でとても愛らしく、それでいて清楚な雰囲気で人々の心を捉えました。民族教育の素晴らしさを余すところ無く披露してくれました。声楽部の「ふるさとメドレー」もとても大きな拍手を頂きました。

 歌とおどり「世界にひとつだけの花」も良く演出され、学生らしさの中に楽しさも加わり見ごたえがありました。吹奏楽の演奏は殆どが顧問の千守日先生が自ら作曲された作品で、とても迫力があり素晴らしいものでした。最後の曲「鼓動~世紀を越えて」は何回も聞いた曲だったけれど、曲の素晴らしさをあらためて感じさせてくれました。河津さんは感動してCDを買いたいと云ってました。

 今日コンサートを見ながら一番感じたことは、何故、こんな素晴らしい高校生を日本政府は認めず、いまだ無償化から除外したままなのかという怒りでした。

 司会の女学生が「私たちは日本の学生たちとなんら変わりなく勉学に励み、クラブ活動に情熱を燃やし、将来社会に貢献できる人間になるため頑張っているのに、何故自分たちだけを差別し、無償化から除外したままなのか、私たちがいったい何の悪いことをしたのですか」と嗚咽したときは、何故こんな純粋な学生たちに涙を流させているのかと、あまりにも無力な自分自身が情けなくて、あまりにも学生たちに申し分けなくて涙が止まりませんでした。

 「民族を愛し生きようとしている者は、明るい未来を持ってはいけないのですか?」
この様な苦しい思いを何故私たちの子供達が持たねばならないのでしょうか!彼女の涙は川になり海になり、理不尽な暴言をはき続ける者達を必ずや太平洋の彼方に押し出すことでしょう。

 もうひとつ感じたことは日本の良心的な方々がどれほど真剣に私たちの子供のために尽力してくださっているかと言うことです。皆さん手弁当で、本当に頑張っておられました。東北への募金活動や、「大地は揺れても」の演劇上演活動など一度や2度でなく継続して行っておられます。3月末の卒業式の日には東北のウリハッキョを訪問され劇を上演することも決まったそうです。

 「アンコール」を求める歓声が止まないうちにコンサートは終わりましたがすべての方々の胸に民族教育の素晴らしさ、大切さは充分に伝わったと思いました。スタッフの皆さんとお別れするとき、私たちも文科省への要請を頑張ってくると約束して別れました。

                                      
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