ユダヤ教の信仰するヤハウェは民族の神でありながら、唯一の宇宙の根源神であります。
(この意味はどの登山口から登り始めても、辿り着く山頂は唯一つという意味です。)
ヤハウェは以下の3つの次元として感知されるといえます。
1、父性の神
ユダヤ民族はヤハウェに父性の神を見ます。
モーゼが伝えたヤハウェです。
「偶像崇拝の禁止」と「律法厳守」です。
「偶像崇拝の禁止」
偶像崇拝とは御蔭信仰をするなということです。
後世のユダヤ教徒の多くがはまったメシヤ信仰もまた偶像崇拝です。
偶像崇拝とは救って「もらう」ことを期待した宗教のことです。
「律法厳守」
そして律法とは神を畏れ敬愛することと、人の嫌がることはしないという道徳のことです。
後世のユダヤ教徒の多くは律法とは神様からえこひいきしてもらう為の交換条件と勘違いしていますが、律法の精神を忘れると宗教が形骸化します。
(この「宗教の形骸化」は、聖イッサが様々な宗教に対して苦言を呈した点です。)
律法とは「人の嫌がることはしない」という道徳のことです。
数千年前の間にどんどん追加されていった律法を一字一句守ることが律法厳守ではないのです。本当は。
2、母性の神
ユダヤ教の預言者であるイエスはヤハウェに母性を見ました。
イエスが説いた
「困っている人に手を差し伸べること」
「目の前の一番弱い人に寄り添ってあげること」
「自分にひどいことをした人でも愛情を持ってゆるすこと」
これらは父性のみ強調されていたユダヤ教徒たちに欠けていた視点でした。
それまでに極東の母性の園にたどりついたユダヤ教徒たちは、そこでヤハウェの母性を知ることができましたが、イスラエルに残ったユダヤ民族はその母性を知る術はほぼ皆無でした。
預言者イエスの役割の一つは、イスラエルに残った同胞たちにヤハウェの母性を伝えることでした。
ユダヤ民族が一番最初のヤハウェとの契約を守り、約束の地で平和に暮らすための大いなる鍵でありました。
3、根源の神性
預言者イザヤが示唆した善と悪を包括したヤハウェの神性です。
あらゆる宗教の山頂であります。
「在りて在る」であります。
父性の神性:9次元
母性の神性:10次元
根源の神性:11次元
とあらわせられます。
後世のユダヤ神秘学者たちは、この9次元と10次元の段階をとばして11次元の宇宙の秘密に迫ろうとしました。
カバラとか錬金術と呼ばれる儀式や技術で宇宙の秘密を知ろうとしました。
しかし彼らが宇宙の秘密に近づこうとすればするほど正反対の悪魔に魅入られていくことになります。
彼らに決定的に欠けていたもので、かつ宇宙の秘密を知る上で最も重要な鍵は、
「父性:神への畏敬心と社会への道徳心」
「母性:隣人への愛情とゆるし」
隠遁生活ではなく厳しい社会生活で人と交わりながら上記の二点を体現していくことでした。
さて紀元前6世紀、ペルシャの助けによりユダヤ人たちがバビロニアから捕囚から解放されたところで旧約聖書の物語は終わります。
ここからイエス誕生までの約500年が新旧聖書の空白期間です。
ダニエル書の7章以降のメシア救済終末思想が旧約聖書に加えられたのがこの時期です。
紀元前1~2世紀ごろ。
ちょうどこの時期ユダヤ教も大きく分けて三つの流れに分かれていきます。
一つは律法を厳守しようとするサドカイ派です。モーゼの頃のヤハウェに最も近いです。
運命感は未来は白紙という主義です。
二つ目はペルシャのゾロアスター教の影響を受けたパリサイ派です。
運命の大きな流れは神の仕組みに沿っていくが、個々の人間の運命は白紙であるという主義です。
三つ目はエッセネ派と呼ばれる人たちです。
この世に起きることは全て神の計画によるものであるという考えと、約束されたメシヤに救済されるという終末論を持っています。
新約聖書のパウロ教が創設された時に、多くのユダヤ教エッセネ派の人たちはパウロ教に転向したと言われています。
パウロ教のメシア救済終末論がエッセネ派の人たちに受け入れられ安かったのでしょう。
またエッセネ派に残った人々であっても彼らの興味は宇宙の真相を探求する求道でありました。
社会の中で人にもまれて道徳を養うとか、人を愛しゆるすといった行為は重んじられませんでした。
逆に神秘主義として秘伝・口伝・秘儀が重視されて行く中で、彼らは錬金術や魔術という落とし穴にはまっていきます。
つづく

上記は静止衛星軌道上で観測される太陽からの電子密度グラフです。急な変動がある場合は地震や事故に備えて防災意識を心掛けましょう。特に注意が必要な期間は、メールやTwitterで防災意識リマインダーを受け取ることができます。詳しくはこちら。
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