あけぼの

アート、文化、健康、国際・教育、音楽、食・レシピ、日記、エッセイ、旅行記、学問

交差点で生きる人々~メキシコ~

2008-01-31 05:36:48 | アート・文化

 

メキシコ・シティーに来て最初に気づくのは車の絶対数が多いことである。最近は新しい車も増え、有名な排気ガス・スモッグ環境も以前よりは緩和されたようである。

主要道路の交差点の信号点滅は長い。その間、大人、子どもを問わずもの売りが来る。新聞、食物、自動車用品、雑貨まで老若男女が車の止まっている短い時間に車の横をすり抜け、売り歩く。次に多いのがフロントガラス拭き。信号点滅間で仕事をして1ペソ、と効率よくやってくれる。芸をやって稼ごうとする者もいる。子ども連れで獅子舞のような芸やら、子どもを肩車して踊らせる、口にガソリンを含んで火炎をあげる、など様々である。いずれも顔を絵の具で色鮮やかに塗って目立つ格好をしている。止まった車がみんなチップを渡すわけではない。それでも何かをして稼ごうと一生懸命に知恵をしぼっている。たまに子どもをおんぶして手を差し出す女性もいる。

田舎都市での出来事だがホテル宿泊者の車を朝早くから洗い拭きしていた子どもには感心する。お金になりそうな他州の車を選定して洗う。そして車の主が来るまで待機していて客が現れたら請求するしたたかさを持っている。嫌らしいのは「路上駐車を監視していた」と勝手に理由をつけてペソを請求する男。チャッカリしているのが銀行の前で警備を兼ねた路上の駐車番人。お客を路上駐車させて(鍵を預ける)当然の権利としてチップをもらっている。だがその場所は特別で、毎日、親分がお金の回収に回って来る。彼はワーカーとして使われているだけだが、まともな仕事より気楽でよいのだろう。街全体に車の駐車場が少なく車の絶対量が多いのか、密集し過ぎた街だからか、車に関連したアイデアひとつが庶民の命綱である。続く(自悠人)


 『流るる月も心して』シカゴ三省堂に

2008-01-29 23:48:07 | アート・文化

 『流るる月も心して:Across the Milky Way』をシカゴの三省堂が置いてくれている。他に『突然炎のごとく』『デートは地球の裏側で:夫婦で創る異文化の旅」(春陽堂)『還暦からのニッポン脱出』(文芸社)もだ。

 「愛する人の死に傷心の主人公みどりは世界中を旅して人々と交流し、地を這うような旅で出会う人たちの心のかけらまでも拾い上げていく。キラキラ輝く逸話を重ねる。モロッコの迷路やなめし皮工場をさ迷い、ピラミッドの裏手の砂漠では疾走するラクダの背で髪の毛を逆立てる。だがパスポートを紛失したみどりを助けてくれる人々の温かさ。ケンは霊の体現なのだろうか、どの国でも姿を現し、最後は最も神秘的な場所でドラッグに導かれて二人は三々九度をする。その結末は新鮮な驚きだ。 アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパ、北・南米とまさに地球上を彷徨するみどりの旅路は、愛を求め心の癒される場所を探す魂の旅路であり、みどりと共に異文化を旅する読み手の心も癒され、満たされる。この書は読者に地球上の人の繋がりを感じさせ、愛の形・優しさを後世に伝える、詩情溢れる多文化物語集で、英・和文で書かれた美本であり、英語の文体はラファエル前派(写実派)のアートを想起させる。多文化・異文化・平和教育にも最適な教材となろう」とオハイオ州在住、画家で医者の Wesley Kime博士評。

 「流るる月も心して」:作品は通り一遍の旅物語でなく、「どんな状況でも人を信じ大事に思う優しさが溢れ、みどりとケンの淡い美しいラヴロマンスが魅力を盛り上げ、読む人の心を暖めてくれます。現実と虚構の世界がうまく調和しあっていて最後まで惹きこまれてしまいます。英語の先生をしている友人 に見せたらこの英文も作品の内容も作風もPoeticだといってべた褒めしました。一篇一篇が興味深いテーマで書かれているので楽しみながら勉強できますね。高校生や大学生の教材に、学校や個人で教えている先生にも役立つでしょう。 この本を読んだ人は主人公の行動から刺激をうけ、異文化を学び、その上英語も学べる、とても有益な本だと思いました」と福井道子(画家)さん評。問い合わせはワンダーグローブ:ogawaa@sepia.ocn.ne.jp へ。

 


日本語・日本文化クラスの学生

2008-01-29 00:20:53 | アート・文化

 オハイオ州シンシナティ大学の准教授、小川彩子はレイモンド・ウォルターズ・カレッジで日本語・日本文化の責任者として忙しい日々。冬の学期ももう4週目だ。Elementary Classは助詞はほとんど、動詞の活用は肯定、否定形の現在と過去形をマスターした。形容詞は「い」と「な」Adjective両方が今月の課題、漢字も始まった。Intermediate(2年生)のクラスは漢字が中心で、かなり長い文を書いたり翻訳できることが要求される。プレゼンテーションも頻繁に楽しむが正確な文を書き、読んだり暗記しての発表が上手い学生が殆どだ。

日本語を選択する学生は日本贔屓だったりビジネスに繋げたい等、よくモティベートされていて楽しい。先日演歌が好きだという男子学生や「紅白歌合戦のVideoを見たいんだけど・・・」という別の学生(演歌とはおよそイメージの違う端正な顔立ちの男子学生)に微笑んだ。夫、自悠人がもうすぐ日本から来るので昨年の紅白のCDを持ってきてもらうことにしている。別の美人の女子学生は「あゆ(浜崎)を持ってくるから一緒に聞きましょう!」という。何故かCincinnatiにいるアメリカ人の若者に浜崎あゆみのファンが多い。あゆみのCD は入手し易いようだ。このクラスの四人も日本名をつけている。日本語教師は日本語や日本の伝統文化を教えるだけでなく日本のどんな情報にも明るくなければ楽しい授業や会話は出来ませんよ。そこで You Tube Japanというサイトでいろんな歌手や曲を勉強しました。ブルー・コメッツの若い頃のステージ(Cool!)にも出会えるし楽しいサイトですね。(彩の渦輪)(Jan.28, 2008)


異文化夫婦の異文化千鳥足

2008-01-27 23:26:32 | ブログ

デートは地球の裏側で:夫婦で創る異文化の旅。イラストは高校後輩の漫画家、門脇慶三さんによる。

 旅は出会いに彩られ、人々の親切に支えられ成就するもの。文化は異なろうとも地球上の人々の心はひとつ、戦争のない世に共に生きたいと願っている。グローバリゼーションの進む現代、持てる国と持たざる国が共生し、地球が生き残るには持てるものを分け合うしかないのだが我々はうまく分け合っているだろうか。北側の国々は消費三昧で地球をごみだらけにし、南の子供たちは食べるものが乏しい。人生哲学が異なるウサギと亀夫婦も足元の異文化共生を目指しつつ、旅は道連れ、地球は船、同時代に同じ船に乗り合わせた船客同士との異文化理解と共生の道を千鳥足で探っている。

 シカゴにある新聞社Angle PressがJ-Angleという日本人対象のWeekly新聞(情報誌)を出している。シカゴ周辺は勿論のことオハイオ州、ケンタッキー州、等、多くの州で読まれている。その新聞に夫、自悠人と私、彩の渦輪が隔週で旅エッセイ、「地球千鳥足」を連載している。「デートは地球の裏側で:夫婦で創る異文化の旅」の続きだ。「ミュールは天国直行便」(アコンカグア臨死体験)~アルゼンチン~、「カサブランカで会いましょう:結婚25周年は二人合わせて地球一周~モロッコ~」、交差点で生きる人々(~メキシコ~)等で始まったが、なんと旅もエッセイも重ねてただ今第250回、もう10年目、訪問国は119か国となった。 (彩の渦輪)


異文化夫婦の決断

2008-01-27 05:30:35 | アート・文化

 私たちは異文化夫婦。相互理解に努力を要し、その努力を怠ると即刻文化の衝突を生ずる夫婦である。夫が妻から聞かせていただけるのは「目標と努力!」の発破音、妻が夫から聞かせていただけるのはテレビの前の高いびき。一を聞いて十を知るウサギ夫と万事のろい亀夫婦の共通点を探したら・・・地球徘徊だけだった。

 夫婦は集合のベン図である。二つの円を夫と妻とし、二円が完全に離れている関係を図A、少し重なっているのが図B、一方が他方の中にすっぽり入っている関係を図Cとしよう。重ならない部分は独立した個人としての活動、重なる部分は夫婦の共通点。どの図を選ぼうが夫婦の勝手である。が、二つの円が全く離れている図Aでは40年は持つまい。一方が他方の中にすっぽり入っている図Cは私の好みではない。私たちは図Bに該当し、重なり部分が限りなくゼロに近い夫婦である。そのわずかな共通項が「旅好き」、旅好き夫婦が迷わず決断したことは「生命保険をかける代わりに、その費用で旅をする」ことだった。(続く)彩の渦輪(Jan.26, 2008)