あけぼの

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デューアル・シチズンシップ(dual citizenship)

2007-09-30 21:43:34 | アート・文化

加齢とともに時差ボケがきつくなったにもかかわらず日米を往復して15年、両国で人並み以上の付合いをし、良い人間関係の維持に努力してきた。優雅な暮らしだと評価もいただくが、私たちが実践していることを自分もやりたいと最近多くのアメリカ人から評価を頂き始めた。シニアで異文化に暮す私どもの考え方や行動力に刺激を受け、新しいことに挑戦したいというアメリカ人的特質のようだ。

 

60歳でアメリカで博士号と取得したワイフの向学心を見習って、50歳のベティーさんはワイフと同じコースを辿ってバック・トー・スクールし、まず私立ザヴィエル大学で修士号を取得、その後も同じコースで州立シンシナティ大学の博士課程で学び、今学位を取得する寸前だ。同様に刺激をうけたメイさんはマレーシア人、一度は日本の広大に留学しマスターを狙ったが差別をされたようで取得出来ずアメリカに来て修士課程をやり直し結婚、今ではアメリカのシティズンだ。大学で非常勤講師をやっていたがワイフの人生に触発され、教鞭を取ながら博士過程に入り勉強を始めた。また大学教授夫人で小学校の校長先生をしている博士号保持者、キャシーは「定年後は我々夫婦のように異文化で暮らし、アメリカと往復したい」と夫に提案、共鳴した夫婦はコスタリカに家を購入準備中だ。若いマイク夫婦も私ども夫婦の行動と生き方を見習って、「二つの国で活動し、子どもは日本で育てたい」など、これからの人生設計をしていることを知った。アメリカ人は良いと思ったら即行動に移す積極性を持った人が多い。

 

 熟年になってからの私どもの行動力は日本でも新聞紙上に取り上げられた。似たような暮らしをしている外国人は結構いるかもしれないが、ワイフの向学心や英・和文併記の本の出版3冊目、我々夫婦のひと様に喜ばれるパーティー、

Multicultural Music, Art & Luncheonの主催など、人をして惹きつけるものがあるのだろう。夫婦で精力的に地球千鳥足の旅を重ねていることも魅力の一因だろうか、実践力に刺激を受けてくれる人がアメリカでは多いのだ。それに比し日本人の場合は評論はしても実践が伴わない人が多いようだ。守りの姿勢が定着していて「今更渡り鳥生活なんて」という気持ちもあろう。「羨ましい、妬ましい」で片付けてしまう。「言葉の壁があるから」と逃げてしまう。異なる価値観を受け入れる柔軟な感受性と態度で生き方を追求していけば上記アメリカ人のような実行力が生まれるのではないだろうか。新たな一歩が踏み出せる年配者になって欲しいものである。(自悠人)