あけぼの

アート、文化、健康、国際・教育、音楽、食・レシピ、日記、エッセイ、旅行記、学問

慶春

2008-12-28 12:30:17 | アート・文化

 猿と虎とが見合いして、三度目の出会いが結婚式。毒舌夫と頑固妻、好奇心を武器として、地球探訪千鳥足。去年は地球の真ん中の、エクアドルにて赤道跨ぎ、鳩おんぶしたイグアナと、インカの少女に心和んだ。

 虎はアメリカ教壇に、まだまだ未練があるものの、猿にそろそろ里心。鼻血止まらず梯子した、救急病院請求書。驚きモモの木、山椒の木。保険を持たないアメリカは、終の棲家に向きません。暖かい島探すのが、今年の大きな楽しみだ。(自悠人)

Pb250205


白薔薇と善意に満たされた旅  完

2008-12-13 01:05:39 | アート・文化

インガ・ピルカというのはエクアドル最大の遺跡、海抜3500Mにありマチュピチュを小規模にしたような感じだがなんとも長閑な雰囲気だ。インカの石工術や楕円形の宮殿跡は一見の価値があるが入場料は外人値段で16ドル。ここではインディヘナのホステル兼レストランに泊まった。素泊まり一泊17ドル。清潔とは言えなかったが15歳の女の子Guado  Lupeがかいがいしく部屋も紹介し、夕食も作ってくれた。父は亡く母は働きに出ており、彼女がホステルもレストランも受け持っているのだ。料理は素早く、味もよかった。けなげなこの少女にありあわせのもをプレゼントした。翌朝はバスが出るまで見送ってくれたが感傷が止まなかった。インカの衣装を身に着けたちっちゃめの少女、グァド・ルペ。日本ならまだ「勉強!勉強!」と言われ、勉強さえすれば何でも許されている年頃だ。

16世紀で時が止まったようなクエンカの町と、キトのセントロ(Old Town)の魅力は短い紙面には書ききれない。近々の更なるエクアドル訪問を我々に決めさせたことがエクアドルの魅力を物語るだろう。なお、旅行中のほとんど宿は中クラスか中の下のホステルを選んだ私たちだが大抵の宿でアメリカと日本のEmailに対応でき、時代の変化を感じた。最初と最後の日はヒルトンで過ごした。1991年以来終生会員「H Honor Member」であり、リーゾナブルな費用でクラブ・ルームに泊まることが出来た私たちが、ヒルトンも不況の波を受けてかH Honor Member 制をあと一年で中止する、と突然の手紙が来ていた。というわけでヒルトンはもうこれで最後になるかもと思いつつ奮発した。部屋には大量の白薔薇が活けてあった。ハッピー・アワーも朝食バフェも見渡す限り良い食べ物が並べてあった。白薔薇はシンシナティに持ち帰り今もドライフラワーとしてテーブルを楚々と飾り、エクアドルであった人々を思い出させる。完(彩の渦輪)


白薔薇と善意に満たされた旅 II

2008-12-11 21:11:24 | ブログ

海抜を示す時計が何度も富士山の高さかそれ以上を示した高地の旅。キトでさえも2850mだ。初日は息切れしたがじきに慣れた。バス窓外の山々や斜面の風景の美しさ。近景は多様な色調の緑のパッチワークとカラフルな屋根、その先の岩山はザイオン国立公園のように切り立ち、滝が落ち、遠景は霧の中に黒い尾根と湖がまるで墨絵の世界をなしている。このような風景を高地への移動で飽きることなく味わった。グアヤキルの公園で無数のイグアナと遊んだが、おぞましいルックスに似合わず触っても怒らない人懐こい性格で人気者だ。

出会いについて書かねばなるまい。クエンカの温泉で韓国女性Daunさんに会った。KOICA(日本のJAIKAに匹敵)でクエンカに派遣されグラフィック・デザインを教えている。日本が大好きだと招待にあずかり、韓国料理の大接待を受けた。モロッコでも若夫婦の家庭に招待されたことがあるが、ちょっと会っただけで招待する純情な25歳のお嬢さんだった。他にも特筆すべき親切を多数受けた。リオバンバ近郊には富士山に似たきれいな山、チンボラソがあるが、その日天候が悪く、見えなくて残念がっていたら、ホテルの息子が翌日山の見えるところまで自分の車で連れて行ってくれた。「次回は客でなく母(経営者)の友人として泊まってくれ」と嬉しい言葉。トロリーバスの乗り換えで迷っていたら一緒に二度も自費で乗り換え、宿の近くまで案内してくれて又バスに乗った人。男性、女性と二回あった。我々のバスが来るまで自分のバスは見送って30分も待っていてくれた男子大学生、我々が尋ねた店を後で見つけたからと走り戻ってきた女性。きりがない。続く(彩の渦輪)


白薔薇と善意に満たされた旅~エクアドル~

2008-12-10 18:23:04 | ブログ

感謝祭の休みと週末を利用してエクアドルを旅したが、エクアドルほど満足感の高かった旅は近年にない。人の善意や自然への感動、発見等、旅の収穫では勝るとも劣らぬ国々を歴訪してきたが、大抵の国で騙されたりし、効率の悪い単独千鳥足の旅ゆえ正負の余韻が打ち消しあうことが多かった。だが、ここエクアドルは正真正銘優しい国だった。赤道直下ゆえ緑濃く、従って窓外や眼下の風景は美しく、多くの町が海抜が高いゆえ気候は温暖、キトなど年間を通して春の気候だ。温泉が多く人は親切で単独旅行も安全、食べ物は美味しく物価は安い。インディヘナのアーティストたちの色彩感覚は抜群で日本人好みの中間色が多いので織物やバッグ等、買い物も楽しい。

この国は2000年に通貨として米ドルを採用した。米ドルを現地マネーに変える必要がないのは楽である。安い露天マーケットでも米ドルでおつりが貰える。私たち夫婦は通常旅で殆ど買い物をしない。買い物を我慢して、「我慢を貯めてもう一つ旅をする」という主義だからだ。だがここではアルパカの毛で作ったフードつきジャケツや可愛いバッグも買ってしまった。長距離バス代金は信じがたいほど格安なので5回利用した。キトーからリオバンバ、リオバンバからグアヤキル、グアヤキルからクエンカ、クエンカから高地の遺跡、インガピルカへの往復、等、をバスでこなすには若者なみの体力が要る。だが地元民と交わる旅は楽しい。バスが止まるごとに物売りが乗り込み、停車の短期間に食べ物を上手に売る。ゆでたてのトウモロコシ、熱々のバナナ揚げはとても美味だった。その後バナナ揚げに凝り、シンシナティに帰っても作っている。続く(彩の渦輪)


鼻血事件顛末と超多忙な期末

2008-12-10 05:45:24 | ブログ

夫の鼻血事件、落着していませんでした。なんと3つの病院から全部で6つ請求書が来るそうだ。それぞれの病院から病院用と医者用の2つづつの請求書が来るそうで、今まで5つの請求書が来て合計16万円、あと一つ来たら20万円いくでしょう。保険がなくて入院すれば1000万円は軽く飛ぶそうです。3つの病院は好んで行ったのではなく、一つで解決しないので次々と紹介され、行かされた(日本ではこれをたらいまわしと言う)のですから、はじめの二つの病院は殆ど無駄か中途半端だったのに、請求書はしっかり全部から2つずつ来るんですね。シニアや病身の人、低収入の層には恐ろしい国です。帰国前に5つの支払いを済ませました。

筆者も冬休みとなり、13日に飛行機に乗り14日夜帰国となりますが、それまでに3つの期末試験(これは完成)と来年の3クラスのためのシラバスを作成しなければならず超多忙です。ご存知、シラバスは講座の内容、目的や教材、成績をつけるポリシー、等を記述し、その上、1学期間のすべての日程を書き出して、どの日に何を教え、テストは何で宿題は何、というふうに全日程への教育内容全部を記載して大学に提出するもので、それが3クラスもあれば大仕事です。カレンダーもダブル・チェックしながらやるのです。アメリカでは学期ごとに詳しいシラバスを提出し、インターネットにも流されるのです。教えることへの責任はひときわ重いのです。1月は新学期前夜にこちらに戻るので帰国前に完成しておきたいのです。ヤレ・イソガシヤ!(彩の渦輪)