あけぼの

アート、文化、健康、国際・教育、音楽、食・レシピ、日記、エッセイ、旅行記、学問

スッテンコロリン、雪の聖ペテルブルグ~ロシア連邦①~

2011-03-20 23:02:56 | アート・文化

スッテンコロリン、雪の聖ペテルブルグ  

 雪が1m積り、ビルの屋上から巨大な氷柱がぶら下がるサンクト・ペテルブルグ(旧レニングラード)の道路はツルツルで足元が覚束ない。凍てつくネヴァ川には跳ね橋がかかりレストランや軍艦が見え、15、6世紀の建物さえ遺されている美しい街だ。若き日ロシア文学を愛読し、学生時代は資本論を読み、歌声喫茶でロシア民謡を歌った筆者にとってロシアは「取っておき」だった。雪の3月なのに心うきうき、充分に雪開けしていない道をこの街の象徴、青銅の騎士像まで歩き、そこから聖イサク寺院を仰ぐと、金の帽子を被った大聖堂が雪に映え最高だった。血の上の救世主教会はアレクサンドル二世が革命前段階でテロ組織に暗殺されたその場所に息子の三世によって建てられた。インテリアは一流画家たちが加わって完成したモザイク画で豪華、魂が吸い込まれる。この街でニコライ大公の息子、ウラジミールが住んだ小宮殿がレストランになっていると聞きディナーに訪れた。愛想のいい女性ピアニストが次々とロシア民謡を演奏し、「荒城の月」や「さくら」も演奏してくれた。ロシア民謡をお客たちと合唱し、客席から曲のリズムに合わせた盆踊りでおどけつつピアニストに近づきチップをはずんだ。

「男と馬が好き」だったエカテリーナ二世   

 モスクワ川沿いに歩きクリミアの橋、菩提樹の並木、マルクスの像のある大通り、ライーサの眠る墓からスラブ広場へ。マクドナルドが見えるが社会主義終焉直後ほどの行列はないとか。健康食ではないと気付いたのだ。クレムリンではウスペンスキー寺院と武器庫を見た。武器庫というがこれは世界第三位の宝物殿だ。300年続いたロマノフ王朝の財宝が見られる。ロシア産の真珠のついた10kgの戴冠式ドレス、ダイヤやエメラルド、トルコ石や柘榴石を使い放題の玉座や家具がある。「ダイアのシンデレラ」、エカテリーナ二世は夫を幽閉、暗殺、33歳で即位、「馬と男が大好き」で150人の恋人がいたという。勝手し放題の奢侈な皇室文化に、圧政に苦しむ農民たちの辛酸を舐める生活を重ねあわせた。続く (彩の渦輪)