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小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



昭和39年に開所した塔ノ峰青少年の家は残念ながら今年の3月末をもって利用廃止となった。小学生の頃に子供会かサッカー少年団の合宿で何度か利用したきり30年以上訪れる機会がなかったが、先日ホームカミングデーで施設が開放されたので自転車で出かけた。小田原市久野の塔ノ峰青少年の家。小田原市内にある公共施設の中で、おそらくここが一番到達困難な場所。バスの路線もない足柄幹線林道の中ほどにあって、施設のパンフレットには小田原駅から徒歩2時間半と記載されているが、あながち大げさな表記ではなく本当にそれくらいかかる場所にある。今回は訪問する最後の機会だろうと自転車で出かけたが、それでも小田原駅西口から一時間近くかかった。小田原駅西口から塔ノ峰青少年の家まで約9kmの距離でほぼ全区間坂道。夏のような陽気の中出かけたので到着した頃にはバテてしまった。とりあえず塔ノ峰青少年の家のメイン施設である宿舎へ。塔ノ峰青少年の家ホームカミングデーでは宿舎内が開放されていて、開所当時の写真等が廊下に掲示されていてなかなか興味深い写真が多かった。宿舎の部屋を覗くと、昭和テイストの和室が連なっていた。小学生の頃に泊まったことがあるが、記憶にほとんどない。なんともシンプルで懐かしい匂いのする部屋で、深々と冷え込む冬の夜に炬燵に入って熱燗をすすりたくなるような雰囲気。宿舎内を見学後に外へ。案内看板によると宿舎を挟み第一バンガローゾーンと第二バンガローゾーンがある。とりあえず第一バンガローゾーンへ。宿舎前から坂道を下り3分ほどで第一バンガローゾーンへ。水色のバンガローが10棟ほど傾斜地へ点在している。バンガローの窓から内部を撮影。3畳ほどの広さのバンガロー内には裸電球が一つと質素なつくり。読書するには良さそうだが、電化製品に囲まれて暮らしている今の子供たちにはおそらく不評だろう。第一バンガローゾーンにはテントデッキもあるが、こちらはすでに撤去工事が始まっていて、コンクリートの基礎分部が残っているのみ。テントデッキから炊事場へ。標高566mの場所にあるが水道も使える。煤けた炊事場を見ているとキャンプの定番のカレーを作って食べたくなるから不思議だ。第一バンガローゾーンから宿舎前へと戻り、坂道を2分ほど登ると第二バンガローゾーンへ到着。ログハウス風のバンガローがやはり傾斜地に4棟ほど点在している。第二バンガローゾーンのバンガロー内部も第一バンガローとほぼ同じつくり。バンガローの使用料金表によると5人用で一泊2,000円。5人で寝るのには少し狭いがかなり安い。ひと通り施設を見学して最後に運動広場へ。利用廃止から2か月がたち運動広場には雑草が目立つ。昭和39年8月7日の開所以降、半世紀に渡り青少年の野外活動の場だった塔ノ峰青少年の家。今後は利用者が訪れることがなくなるので、ゆっくりと人々記憶の中に埋没していくのだろうか。

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