長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

細川忠興 ~ 忠興・細川のつかえない話 ~

2014年07月22日 | 戦国逸話
最近歴史系の話がないので久々に在庫を漁ってみる。
ありました。

細川藤孝の息子、細川忠興の話で、名将言行録に載っている話です。

※画像出典:ウィキペディア

 すべらない話、というのはありますが、つかえない話、というのも世の中にはあるようです。
 知れば『へぇ』くらい言うかもしれませんが、知ってどうなるものでもない。
 そんな話です。

〇戦死者は下帯なし

 医者の伊藤三白が細川忠興に聞きました。
「戦で深手を負った人や討ち死にした人は、みんな下帯(ふんどし)が無いのです。大坂夏の陣の時も、安藤正次が討死にしたので死骸を家来が回収したら褌がない。さっき討ち死にしたばかりなのに、と不思議がってました。たとえ、戦死者から着物を剥ぎ取るにしても、甲冑とか刀ならわかるんですが、褌をかっぱらう意味がわからんのです。」
 すると、忠興は
「なるほど、褌が無くなってしまうのは本当です。私の考えだと、人間は血の気で保たれていると思います。血が体の中にある時は、褌も結ばれているのでしょうが、死ぬとすぐに肉が落ちてしまうものです。特に、戦死者は、血も沢山出るので病死した人と違い、すぐに身がやせ細ってしまい、結んであっても褌が緩んでしまい落ちるのです。なので、戦慣れしている人は、褌の結び目と前の方に紐を付けて肩にかけ、あるいは、前の垂れている端に紐を付けて首にかけ、もっこ褌と言って使っています。これは、死んだ後に抜け落ちないようにしている用心です。」
と言ったとさ。

 ふーむ。確かに、挿絵や文献などを読んでいると首まで褌を伸ばしている絵を見ます。そういう理由だったのですね。「中にも戦死の者は、血も多く出る間、病死せし者とは違ひ、忽ちに身も細り」と、いうのは実際に経験している人の意見らしく、迫力があります。

 要は出血多量で死ぬ場合はパンツ脱げちゃう可能性ある、ということ。
 しかし、不思議なのが、別に鎧の下は褌一丁じゃないと思うのですよ。袴とかはいてると思うのですが、袴だと広いので裾から落ちてしまうのですかね?うーん。
 そして、戦場で首までの褌をしている人達って言うのは、他人の最期をみて用心しているのですけど、自分の死後が見苦しくないように、と、いう思いでやってるわけですよね。それもすごい。
 
 さらにこの話、鎧や刀はかっぱらわれる、と、書いてあります。と、いうことは、やっぱり落武者狩と言うか戦場での追いはぎ的行為が頻繁にあったことがわかります。

 最近、ふんどし女子なんていうのもいるそうですから、褌ネタはありかもしれませんが、
「いやね、出血多量で死ぬとパンツ脱げるかも。」
とか飲み会で突然言い出せば、通報間違いなし。

 まぁ、なかなかつかえない話だと思います。
 こういう話がつかえない世の中の方が平和で安全と言うことなんですけどね。

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