長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

秦桐若、湯治に死す。

2016年01月17日 | 戦国逸話
武将感状記を読んでいたところ、中身を読んで唖然とした話があったのでご紹介。

◯ 秦桐若、湯治に死す
秦桐若は黒田官兵衛に仕えて度々戦功を挙げ、首を31も取った。
兵庫県の近郊の者は、秦の旗印である唐団扇(長さが約3m)あるので知っており、敢えて近づかなかった。敵に向かって行く時は旗印を隠し、近づいて突然旗印を出すと、敵はすぐに逃げていった。
天正10年の山崎の合戦でひどい傷を負い、療治したところだいたい治ったものの、快復までには至らなかったので翌年有馬温泉で湯治したところすぐ治った。
桐若が思うに
「この湯を浴びて傷が癒えた。もし、この湯を飲んだら更にすごい効用が得られるのでは?」
と、3杯飲んだところ、猛烈な腹痛に襲われ酷い下痢になり、傷口が再破裂して死んでしまった。

「秦桐若、湯治に死す」

て、2時間枠のサスペンスドラマのタイトルのようですが、要は無茶した話。
その落差に唖然。

そもそも、その旗印を見ただけで敵が逃げ出すような猛将。
でもそれでは手柄が立てられないからか、旗印を隠して近づき突然見せる、ということをしていた、という話も興味深い。しかも、見た敵は逃げていく、って、どれだけ脅威に思われていたか、ということが伺えます。

傷を早く治そうと焦って、よせば良いのにガブガブ飲んだら死んでしまった、という、まさに
「過ぎたるは猶及ばざるが如し。」
という諺がぴったりな話。

有馬温泉のホームページをみると、様々な種類が入っており、モノによっては飲料用の温泉もあるようですので飲んだからといって死ぬ、ということではなさそう。
やっぱり体が相当弱っており、風呂の負担に暴飲が加わったのが良くなかったのか。

しかしまぁ、旗印を見ただけで敵が逃げ出す武者の最期としては、残念な感じがしてしまいます。
戦国時代の侍達は死に様にも気をつけないといけないですね。

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