ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

ご無沙汰いたしました~~m(__)m

2008-01-16 23:56:50 | 能楽
ああ、もう1週間近くブログの更新をしていなかったんですね~~。。

先日来、師家の主催会である研能会の初会やその申合、にわかに動き出した伊豆の薪能のお話、先日ブログに書き込んでくださったところからお話が実現する事が決まった みささんのご結婚式への出演の相談、さらに小学校でのワークショップのお話をお受けしたり、ぬえ主催で毎年開いている若手能楽師の新年会に出席したり(やっぱり朝まででした~~~)、今日は国立能楽堂の定例公演の申合に出席しておりました。これだけならまだしも、さらに ぬえのスケジュール管理が甘くて、頂いたお話に不義理をお掛けしてしまいそうになって、その調整に奔走したり。。まあ忙しいことこの上ない1週間でした。

師家の初会は12月例会に引き続いて まずはお客さまもほぼ満員御礼の盛況、上演された演目も師匠の『翁』、同じく師匠の『三輪・素囃子』、野村萬斎氏の狂言『宝の槌』、師匠の弟君の能『野守・白頭・天地之声』という豪華絢爛な番組で、新年最初の舞台にふさわしくおめでたく年始を飾ることができました。ぬえは『翁』と『三輪』の地謡に参加しましたが、新年に老神と女神さまの能に出演できてうれしかったです。また『野守』は、白頭の小書で師家所蔵の「べし見悪尉」という怪異な面が登場しました。師家所蔵の面はそのクオリティの高さで有名で、今回も『三輪』の前シテの「深井」のすばらしさに地謡に座っていた ぬえも目を見張りましたが、一方でこういう「べし見悪尉」のような特異な面もあって、これは ぬえ、舞台で使われているところを初めて拝見しましたが、手に持って見るよりも装束を着けて舞台で動き回るところは はるかに迫力が増して見えましたですね~。ちょっと怖かった。。

その後に若手能楽師との新年会を致しましたが、考えてみると先日 ぬえも出席させて頂いた能楽協会主催の新年会を別にすれば、能楽師の新年会(や忘年会)ってのは親しい友人同士とか、同門会などの同人が集まってやるものがあるだけで、「能楽師ならば誰でも参加可」っていう開けた飲み会っていうのは意外にないものなので、ぬえが中心になってちょっと以前から開いているのです。なかなか楽屋で話ができない相手とゆっくり話したり、こういうところから新しい計画も生まれるかもしれません。それにしてもみんな朝までパワーが落ちずにエライわ。。

まだ ぬえが書生時代には、なかなか飲みに出たりする事も自由にはできませんでしたが、それでも囃子の先生のところへ稽古に出かけた日などは、なんとなくその後は自由にさせて頂けたので、囃子方の友人とよく飲みに行きました。自分も彼も、どちらも よく能についてわかっていなかったくせに、飲みながら能について、自分たちの夢について語り出すと 妙にお互いにアツクなっちゃって。。「表へ出ろっ!」なんて事にも何度もなりましたな~~ (^◇^;) そのクセ、翌日にはケロッとして「次回のお稽古っていつだったっけ? その日、また飲む?」なんて電話してる。ずっと後になってわかる事ですが、妙に熱い議論になった話題だって、当時は未熟な書生同士なもんで、どっちが主張している事もマチガイだったり。。そんなこんなで友情をはぐくんでいっていたのかも知れませんね~。今となって言える事だけれど、「どれだけ能についてアツク語れるか」って事を張り合っていただけだったりする。。そんなものなのかも。ああ、甘酸っぱい思い出です~~ (・_・、)

今週は国立能楽堂の定例公演の本番があり、来週にはNHKで放映されるお舞台の収録、群馬県でのホール能、師家のお弟子さんのおさらい会。。と まだまだスケジュールが詰まって、なんだか忙しい正月ではありますが、う~ん、ブログの更新もサボっちゃいけませんね。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます~ m(__)m