ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

代田インターナショナル長唄会

2006-05-22 03:17:04 | 日本文化

今日は「代田インターナショナル長唄会」の主宰者・西村真琴さんからお招きを受けて、生徒さんのパーティーに出席してきました。

西村さんはアマチュアの邦楽家なのですが、日本に滞在し、日本文化を知りたいと思っている外国人のために邦楽(主に長唄の三味線)をほとんど無報酬で教授しておられる篤志家で、ぬえは西村さんを知っておつきあいを始めさせて頂いて、もう5年になりますが、ぬえが自分の主催会「ぬえの会」の第一回で『道成寺』を披かせて頂いた時に西村さんが外国人の生徒さんと一緒に舞台にお出でになったのが そもそもの始まりでした。

その後、ある日西村さんから突然お電話を頂いて、はじめて西村さんが外国人を相手にボランティアで長唄の稽古をしている事をお聞きし、この秋にコンサートを予定している旨を伺いました。この時のお電話では、よろしければその発表会を見に来ませんか? というような内容だったのですが、もとより ぬえも外国に教えに出たりしていたので、こういう活動にはとても興味があるので、もしも生徒さんの中で希望者があれば ぬえもボランティアで仕舞を教えたい、と申し出ました。

この申し出は歓迎して頂くことができて、その秋のコンサート「インターナショナル邦楽の集い」には長唄の発表に交じって数名の外国人の仕舞の発表が行われました。そしてその後、生徒の増減によって一時中断する事もありながら、連綿とコンサートは行われていて、ぬえも仕舞の地謡として、また番外仕舞などで出演もしております。いや、それどころかこのコンサートがキッカケになって、外国での公演ではここで教えた生徒さんに公演のアシスタントをしてもらった事もありますね。出会いというのは本当に不思議なものです。

ところが、どうしても外国人の留学生や赴任者は短期の滞在になることが多くて、西村さんのご自宅のお稽古場もにぎわっていたり、閑散としていたりといろいろあるようで。今年は生徒さんが少なかったそうなのですが、この時期になぜか多くの生徒さんが集まって、その顔合わせも兼ねて今日パーティーが行われたのでした。

久しぶりに西村さんのご自宅にお邪魔すると、まあ相変わらず国際色豊かで、生徒さんの出身国もイギリス・アメリカ・ニュージーランド・ロシア。。と多彩。もちろんこの生徒さんの中には去年のコンサートで ぬえにしごかれながら仕舞を披露した人も何人か含まれています。彼らとは久しぶりの邂逅となりました。パーティーは昼間だったのでデモンストレーションのような様相にもなり、ぬえも扇や装束を見せてあげたし、ロシア人の生徒さんはバラライカを演奏してくれました。ちょっとした邦楽器のセッションもあって、ぬえも参加させて頂きました。

うん、とっても有意義なパーティーでしたね。
こういう国際交流はとっても意義が深いと思います。
今年はこの時期に多くの生徒さんが集まったのだけれど、いかんせん初心者が多いので、今年にコンサートが開けるかどうかはまだまだ未知数のようですが。。

もしもまたコンサートが開けるようであれば、またこのブログでお知らせしたいと存じます。


【追記】
この日のパーティーのあと三味線の稽古が行われたのですが、そこに日本テレビの取材が入っていました。どうやら水曜日の深夜番組『Gの嵐!』の取材だったらしい。放映日は未定のようですが、ありのままの姿で放送されるのであれば、こうした形で西村さんの苦労が少しでも広く知られるのは良いことだと思いますね。