傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

高田昌幸氏:信濃毎日新聞社刊の『認知症と長寿社会 笑顔のままで』を推薦

2011-01-24 03:50:00 | 社会保障

「THE JOURNAL」が、北海道新聞の高田昌幸氏のブログ「『ニュースの現場で考えること』の書棚」のエントリー”『「認知症と長寿社会 笑顔のままで」 信濃毎日新聞取材班(講談社現代新書』を転載しております。

当方は、『認知症と長寿社会 笑顔のままで』は未読であるが、認知症の要介護3の老母(90歳)の介護に時間を割いており、認知症の介護は切実な問題です。
また、北海道警の裏金追求してた高田昌幸氏については、小沢一郎氏の不動産疑惑事案で、本ブログで、高田昌幸氏のブログ「ニュースの現場で考えること」を紹介し、クールなスタンスの高田昌幸氏に好感を抱いています。

高田昌幸氏は書評の出だしを、

”「本書(『認知症と長寿社会 笑顔のままで』)は「姨捨伝説」が残る長野県千曲市にある姨捨山(正式名・冠着山)近くに住む老夫婦の話から始まる。夫86歳、妻79歳。「老老」世帯の暮らしは、ただでさえ、しんどい。そこに「介護」が加わったら、いったい、どうなるか。しかも妻は認知症である。」”

とし、自分の認知症の祖母が誤認で母親を責めていたが、祖母死後、母親は、”「かったはずの介護が実はどれだけ自分を支えていたかを語ったことがある」”とあると体験を語り、本書を読み終えた今は、母の言った意味が分かるような気もすると書き、

”「読み始めたのは、通勤の電車の中だった。途中で落涙し、読み進めなくなる箇所もあった。各ページに事実が詰まっている。1行1行が重い。つくりが丁寧で、時間と労力を存分に費やしたことが良く分かる。」”

と、書評しております。

当方は、高田昌幸氏の母親が語った「介護が実はどれだけ自分を支えていた」心境に至っていませんが、老母が週3日通所している「ディサービス」の職員には、甲斐甲斐しく面倒を見てくれ、感謝の気持ちはあります。

当方は、介護の関係で、NHKラジオは24時間電源オンの状態で、深夜放送で、「がんばらない介護」の著者であり、提唱者のる野原すみれ女史の対談を聞き、同感しましたね。
野原すみれ女史は、長年の親の介護で疲弊し、体調不調・神経不安定になった体験から、良いと思う介護はやり過ぎに側面があり、「がんばらない介護」の提唱者であり、核家族は時代の変化であり、高齢少子社会に現下では、家族介護が限界になり、社会で介護することで介護保険が創出されたのであり、正々堂々と「がんばらない介護」を主張しています。
当方には、野原すみれ女史の「がんばらない介護」には、共感しました。

菅首相が「社会保障と税の一体改革」を掲げ、持続できる社会保障の安定財源の捻出の課題に与謝野薫氏を担当大臣に任命したが、介護の問題は、体験的に思うことは、介護される人間が健康であり続けることが第一であり、それには社会との触れ合いが肝要であり、財源の問題も不可避であるが、核家族の少子高齢社会では、人的サービス、地域コミュニティが最大の課題ですね。
社会との触れ合いは、理想は生涯現役による社会参加であり、人との触れ合いが効果的であるが、家族介護は限界もあり、社会による介護に委ねるしかなく、問題は人的サービスであり、地域コミュニティ(地域共同体)ですね。

本ブログで紹介した朝日新聞の連載記事「孤族の国」の「孤族」を最小化するのが社会保障における最大の課題であると思いますね。
それは「金」だけでは解決できない人間が生存して行くための「絆」の問題です。

「追記」

① 『認知症と長寿社会 笑顔のままで 』(講談社現代新書) [新書] (信濃毎日新聞取材班 (著))のアマゾンによる紹介

「内容説明」
本書は、信濃毎日新聞連載のルポルタージュ「笑顔のままで 認知症―長寿社会」(2010年1月3日~6月29日)を書籍化したものです。長野県内を中心に、認知症の本人や介護する家族、介護施設の受け入れ、医療と研究の現場、高齢者を包み込む地域の取り組みなどの現状を77回にわたって報道し、連載中から大反響を呼びました。
新聞協会賞(編集部門)はじめ、JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞、ファイザー医学記事賞大賞、日本認知症ケア学会・読売認知症ケア賞特別賞を受賞、「実名報道に徹した取材手法と平易な文章で紹介した連載は、認知症に対する価値観を転換させ、読者に共感と勇気を与えた」(新聞協会賞選評)と高く評価されました。


<著者からのメッセージ(本書「プロローグ」より)>
私たちも、この病気をどこまで理解しているのだろうか。認知症であっても、喜びも悲しみも、安心も不安も、つながりも孤独も感じているという。
直前の記憶が分からなくなっていく不安は、迷子のような心細さかもしれない。いら立ちは、不自由を強いられ、自尊心が傷つき、怒りのやり場がないためかもしれない。
周囲との摩擦を避けようと、感情を心の底に沈めているのかもしれない。
それなのに、私たちは冷たい視線を向けてはいないだろうか。

国の推計だと、患者数は200万人を超え、30年後には385万人に達すると予測されている。それは日本人の3人に1人が高齢者で、その9人に1人が認知症という時代だ。
患者や家族をどう支えていくか。いま真剣に考えなければ、この長寿大国で、命の尊厳を失わずに最期まで生きることはかなわなくなる。

② 水谷建設が裏金を喫茶店で手渡しの疑問

当方が関心を持った高田昌幸氏のブログ「ニュースの現場で考えること」のエントリーは、小沢一郎氏の不動産取引疑惑で、水谷建設が裏金を全日空ホテルの喫茶室を渡したことへの素朴な疑問を提起した『ヤミのカネの授受の場が、どうして「喫茶室」なのか。』です。
常識的に、裏金の現金を他人の目があるホテルの喫茶店で渡すことも、過去に胡散臭い企業から政治家の秘書がそのような場面で受け取るか考えられないですからです。



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